「逆行性腎盂造影(RP)って何をみる検査なんだろう…」
「検査後に発熱した患者さんがいて不安になった…」
この記事では
- 逆行性腎盂造影(RP)の目的と検査の流れ
- 新人看護師が押さえたい観察ポイント
- 検査後に注意したい合併症と報告のポイント
が分かりますよ♪
結論👉
逆行性腎盂造影(RP)は、腎盂や尿管の異常を詳しく調べるための重要な検査です。
看護では、検査後の発熱・血尿・腰背部痛を早期発見することがとても重要になります。
この記事では、逆行性腎盂造影(RP)の基本知識から、検査前後の看護、合併症の観察ポイントまでを新人看護師さん向けにやさしく解説します😊
逆行性腎盂造影(RP)とは?
逆行性腎盂造影(RP)は、泌尿器科で行われる代表的な造影検査のひとつです。
新人看護師さんは、「CTと何が違うの?」「なぜわざわざRPをするの?」と疑問に思うことがありますよね。
この章では、逆行性腎盂造影(RP)の基本的な仕組みや目的、他の検査との違いについてわかりやすく解説します😊
逆行性腎盂造影(RP)とはどんな検査?
逆行性腎盂造影(RP)とは、尿道から膀胱鏡を挿入し、尿管へ直接造影剤を入れて撮影する検査です。
正式名称は「Retrograde Pyelography」といい、略してRPと呼ばれます。
通常、尿は「腎臓 → 尿管 → 膀胱」という方向へ流れます。
しかし逆行性腎盂造影(RP)では、その流れとは逆向きに造影剤を注入するため、「逆行性」という名前がついています。
検査では膀胱鏡を使用し、尿管口から細いカテーテルを挿入して造影剤を注入します。
その後、X線撮影を行い、腎盂や尿管の状態を詳しく確認します。


逆行性腎盂造影(RP)でわかること
逆行性腎盂造影(RP)の大きな特徴は、上部尿路の形を鮮明に描出できることです。
特に、以下のような病態の評価で重要になります。
- 尿管狭窄
- 尿路結石
- 腎盂がん・尿管がん
- 水腎症
- 原因不明の血尿
たとえば、尿管が狭くなっていると、造影剤が途中で流れにくくなります。
そのため、「どこで詰まっているのか」「どの程度狭くなっているのか」を詳しく確認できます。
また、通常のレントゲンで見えにくい尿酸結石などの評価にも使用されます。
逆行性腎盂造影(RP)とDIP・CTとの違い
新人看護師さんが混乱しやすいのが、「DIPとの違い」です。
DIP(排泄性腎盂造影)は、腕の静脈から造影剤を投与し、腎臓から排泄される様子を撮影する検査です。
一方、逆行性腎盂造影(RP)は、尿管へ直接造影剤を入れるため、腎機能に影響されずに尿路を描出できるという特徴があります。

| 項目 | 逆行性腎盂造影(RP) | DIP(排泄性腎盂造影) |
|---|---|---|
| 造影剤の投与経路 | 尿管へ直接注入 | 静脈注射 |
| 主な評価 | 形態評価 | 機能+形態評価 |
| 腎機能の影響 | 受けにくい | 受けやすい |
| 侵襲性 | 高い | 比較的低い |
そのため、腎機能が低下している患者さんや、DIPで十分な描出ができない患者さんに対して、逆行性腎盂造影(RP)が選択されることがあります。
看護師としては、「なぜこの患者さんに逆行性腎盂造影(RP)が必要なのか」を考えながら関わることが大切です🩺
逆行性腎盂造影(RP)の検査の流れ
逆行性腎盂造影(RP)は、膀胱鏡を使用する侵襲的な検査です。
そのため看護師は、検査前後だけでなく、検査中の患者さんの苦痛や不安にも配慮する必要があります。
この章では、逆行性腎盂造影(RP)の一般的な流れを、時系列でわかりやすく解説します😊
検査前の準備
検査前は、安全に検査を行うための情報収集とアセスメントが重要です。
特に確認したい項目は、以下のとおりです。
- 造影剤アレルギーの有無
- 局所麻酔薬アレルギーの有無
- 発熱・排尿時痛など感染兆候
- 抗凝固薬・抗血小板薬の内服
- 検査前バイタルサイン
逆行性腎盂造影(RP)は、尿路へカテーテルを挿入するため、感染がある状態では腎盂腎炎を引き起こすリスクがあります。
そのため、発熱や排尿時痛、混濁尿などがないか事前確認が大切です。
また、患者さんは「痛そう」「恥ずかしい」と不安を抱えていることも少なくありません。
検査内容をわかりやすく説明し、安心できるよう関わることも重要な看護です🌸

逆行性腎盂造影(RP)検査中の流れ
検査は一般的に砕石位で行われます。
まず、膀胱鏡を尿道から挿入し、膀胱内を観察します。
その後、尿管口から細いカテーテルを挿入し、造影剤を注入してX線撮影を行います。
検査時間は施設や処置内容によって異なりますが、30分〜1時間程度が目安です。
検査中の看護では、以下の観察が重要になります。
- 疼痛の有無
- 冷汗・顔色不良
- 血圧低下や徐脈
- 気分不良・悪心
膀胱鏡の刺激によって、迷走神経反射を起こすことがあります。
突然の徐脈や血圧低下、冷汗がみられた場合は、すぐに医師へ報告しましょう。
また、砕石位は羞恥心を感じやすい体位です。
必要以上の露出を避けるなど、患者さんへの配慮も忘れないようにしたいですね。
検査後の流れ
逆行性腎盂造影(RP)後は、合併症の早期発見がとても重要です。
特に、発熱・血尿・腰背部痛は重点的に観察します。
検査後にみられる軽度の血尿や排尿時痛は、一時的な刺激による正常範囲内の場合があります。
ただし、以下のような症状がある場合は注意が必要です。
| 症状 | 注意する理由 |
|---|---|
| 38℃以上の発熱 | 腎盂腎炎・尿路感染症の可能性 |
| 強い腰背部痛 | 尿管損傷・穿孔の可能性 |
| 血塊を伴う血尿 | 出血増悪の可能性 |
| 尿が出ない | 尿閉・閉塞の可能性 |
また、患者さんには「発熱や強い痛みがあればすぐに知らせてください」と説明しておくことも大切です。
検査後数時間〜翌日に症状が出現することもあるため、継続的な観察を行いましょう🩺
逆行性腎盂造影(RP)の看護ポイント
逆行性腎盂造影(RP)は、膀胱鏡やカテーテルを使用する侵襲的な検査です。
そのため看護師には、「安全に検査を受けられるよう支援すること」と、「合併症を早期発見すること」の両方が求められます。
この章では、検査前・検査中・検査後に分けて、実際の看護ポイントを整理していきます😊
検査前の看護ポイント
検査前は、患者さんの状態を把握し、安全に検査を受けられる準備を整えることが大切です。

特に重要なのが、感染兆候の有無です。
逆行性腎盂造影(RP)は、膀胱内の細菌を上部尿路へ押し上げてしまう可能性があります。
そのため、以下のような症状がないか確認しましょう。
- 発熱
- 排尿時痛
- 頻尿
- 混濁尿
- 悪寒
また、造影剤アレルギーや局所麻酔薬アレルギーの確認も重要です。
逆行性腎盂造影(RP)は静脈内造影よりアレルギー頻度は低いとされていますが、完全にゼロではありません。
さらに、抗凝固薬や抗血小板薬を内服している患者さんでは、出血リスクへの注意が必要です。
「休薬指示が出ているか」「いつまで休薬しているか」も確認しておきましょう。
検査中の看護ポイント
検査中は、患者さんの苦痛や全身状態を観察します。
膀胱鏡を挿入する際には、不快感や痛み、強い尿意を訴えることがあります。
緊張によって力が入ると苦痛が強くなりやすいため、声かけによる不安軽減が大切です。


また、検査刺激によって迷走神経反射が起こる場合があります。
以下の症状がないか観察しましょう。
| 観察項目 | 注意する理由 |
|---|---|
| 徐脈 | 迷走神経反射の可能性 |
| 血圧低下 | ショック前兆の可能性 |
| 冷汗 | 循環不安定のサイン |
| 顔色不良 | 疼痛・迷走神経反射の可能性 |
| 気分不良 | 循環変動の可能性 |
異常があれば、すぐに医師へ報告できるようにしましょう。
検査後の看護ポイント
逆行性腎盂造影(RP)後は、感染症や出血の早期発見が重要になります。
特に、発熱・血尿・腰背部痛は重点観察項目です。
軽度の血尿や排尿時痛は、一時的な刺激による正常範囲内の場合があります。
しかし、以下のような症状は異常の可能性があります。
- 38℃以上の発熱
- 悪寒・戦慄
- 強い腰背部痛
- 増悪する血尿
- 血塊の出現
- 尿量減少・無尿
特に、検査後の高熱は腎盂腎炎を疑う重要なサインです。
検査操作によって細菌が腎盂へ逆流し、感染を起こすことがあります。
発熱に加えて、頻脈や血圧低下、悪寒がみられる場合は、敗血症へ進行する可能性もあるため注意が必要です。
また、患者さんには「帰室後に強い痛みや発熱があれば、すぐに知らせてください」と説明しておくことも大切です🩺

逆行性腎盂造影(RP)後に注意したい合併症
逆行性腎盂造影(RP)は、上部尿路を詳しく評価できる重要な検査ですが、侵襲的な処置であるため合併症のリスクがあります。
特に新人看護師さんは、「どの症状が危険なのか」を判断するのが難しいですよね。
この章では、逆行性腎盂造影(RP)後に注意したい代表的な合併症と、観察ポイントを整理していきます🩺
尿路感染症
逆行性腎盂造影(RP)で最も注意したい合併症のひとつが、尿路感染症です。
検査では膀胱鏡やカテーテルを使用するため、細菌が尿路へ侵入するリスクがあります。
さらに、膀胱内の細菌が逆流し、上部尿路へ広がることで感染を起こす場合があります。
以下の症状がないか注意して観察しましょう。
- 発熱
- 悪寒・戦慄
- 排尿時痛
- 頻尿
- 混濁尿
特に、検査後数時間〜翌日に発熱するケースでは、感染症を疑う視点が重要です。
「検査後だから少し熱が出たのかな」と軽く考えず、全身状態も合わせてアセスメントしましょう。
発熱・腎盂腎炎
逆行性腎盂造影(RP)後の高熱では、腎盂腎炎を疑う必要があります。
腎盂腎炎とは、腎盂や腎実質に細菌感染が広がった状態です。
逆行性腎盂造影(RP)では、カテーテル操作によって細菌が腎盂側へ押し上げられる可能性があります。
以下の症状は要注意です。
| 症状 | 注意する理由 |
|---|---|
| 38℃以上の発熱 | 感染進行の可能性 |
| 悪寒・戦慄 | 菌血症の可能性 |
| 頻脈 | 全身炎症反応の可能性 |
| 血圧低下 | 敗血症進行の可能性 |
| 腰背部痛 | 腎盂炎症の可能性 |
重症化すると敗血症へ進行することもあるため、異常時は速やかな報告が必要です。
血液培養や尿培養、抗菌薬投与の準備が必要になるケースもあります。
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血尿
逆行性腎盂造影(RP)後には、一時的な血尿がみられることがあります。
これは、膀胱鏡やカテーテルによる機械的刺激が原因です。
軽度の淡血性尿であれば、通常は1〜2日程度で改善していきます。
しかし、以下の場合は注意が必要です。
- 血尿が濃くなる
- 血塊がみられる
- 排尿困難を伴う
- 持続的な出血
血塊によって尿道が閉塞すると、尿閉につながることがあります。
「尿が出ていない」「下腹部膨満がある」などの訴えがあれば、排尿状態をすぐ確認しましょう。
尿管・腎盂損傷や穿孔
頻度は高くありませんが、カテーテル操作によって尿管や腎盂が損傷する場合があります。
これを「穿孔(せんこう)」と呼びます。
特に注意したい症状は、強い腰背部痛です。
通常の検査後痛とは異なり、強く持続する痛みや、急激に悪化する痛みがみられる場合は要注意です。
また、血尿の増悪や発熱を伴うこともあります。
「いつもの検査後反応かな?」で終わらせず、痛みの部位・強さ・持続時間を具体的にアセスメントすることが大切です。
異常を疑った場合は、速やかに医師へ報告しましょう。
新人看護師が逆行性腎盂造影(RP)で困りやすいポイント
逆行性腎盂造影(RP)の看護では、「これって正常?異常?」と判断に迷う場面がよくあります。
特に新人看護師さんは、術後観察で不安になることが多いですよね。
この章では、現場でよくある悩みと、その考え方を整理していきます😊
血尿はどこまで正常?
逆行性腎盂造影(RP)後は、軽度の血尿がみられることがあります。
これは、膀胱鏡やカテーテルによる刺激で起こるため、ある程度は正常範囲内です。
ただし、以下のような場合は注意が必要です。
- 時間とともに血尿が濃くなる
- 血塊が出る
- 尿が出にくい
- 強い下腹部痛を伴う
特に血塊は、尿道閉塞や尿閉につながる可能性があります。
「少し赤いだけだから大丈夫かな」と思わず、尿量や排尿状態もあわせて観察しましょう。
また、患者さんが「真っ赤で怖い」と不安になることもあります。
軽度の血尿が起こる理由を説明しつつ、異常時はすぐ対応できるよう観察を継続することが大切です🌸
発熱時はどう報告する?
逆行性腎盂造影(RP)後の発熱は、非常に重要な観察ポイントです。
特に、38℃以上の発熱では、腎盂腎炎や尿路感染症を疑います。
報告時は、「熱が出ました」だけではなく、以下を整理すると伝わりやすくなります。
| 報告内容 | 具体例 |
|---|---|
| いつから発熱したか | 検査後3時間で38.5℃ |
| 他症状の有無 | 悪寒・腰背部痛あり |
| バイタル変化 | 頻脈・血圧低下あり |
| 尿の状態 | 混濁尿・血尿あり |
敗血症へ進行する場合もあるため、全身状態を含めてアセスメントすることが重要です。
「なんとなく元気がない」「悪寒が強い」といった変化も、重要なサインになることがあります。
疼痛訴えへの対応方法
逆行性腎盂造影(RP)後は、軽度の排尿時痛や違和感を訴える患者さんもいます。
しかし、痛みの程度や部位によっては注意が必要です。
特に、以下の場合は異常を疑います。
- 強い腰背部痛
- 持続する腹痛
- 急激に悪化する痛み
- 発熱を伴う痛み
これらは、尿管損傷や穿孔、感染症の可能性があります。
痛みを観察するときは、「痛いですか?」だけで終わらず、
- どこが痛いか
- いつから痛いか
- どのくらい痛いか
- 持続しているか
を具体的に確認しましょう。
看護師の観察力が、重症化の早期発見につながります🩺
FAQ
ここでは、逆行性腎盂造影(RP)について新人看護師さんが疑問に感じやすいポイントをまとめました😊
逆行性腎盂造影(RP)は痛いですか?
個人差はありますが、膀胱鏡を挿入する際に違和感・尿意・軽い痛みを感じることがあります。
特に男性は尿道が長いため、不快感が強く出る場合があります。
また、検査後に軽い排尿時痛や違和感が続くこともありますが、多くは一時的です。
ただし、強い痛みや持続する痛みがある場合は、感染や損傷の可能性もあるため注意が必要です。
逆行性腎盂造影(RP)後に血尿は出ますか?
軽度の血尿は比較的よくみられます。
これは、膀胱鏡やカテーテルによる刺激が原因です。
通常は1〜2日程度で改善していきます。
しかし、血尿が濃くなる・血塊が出る・尿が出にくい場合は異常の可能性があります。
排尿状態や全身状態も含めて観察し、必要時は医師へ報告しましょう。
逆行性腎盂造影(RP)後の発熱は危険ですか?
逆行性腎盂造影(RP)後の発熱では、尿路感染症や腎盂腎炎を疑います。
特に、38℃以上の発熱や悪寒・戦慄、腰背部痛を伴う場合は注意が必要です。
重症化すると敗血症へ進行するケースもあります。
そのため、バイタルサインや尿の状態を確認しながら、速やかに報告・対応することが重要です。
逆行性腎盂造影(RP)とDIPの違いは何ですか?
大きな違いは、造影剤を入れる経路です。
| 検査 | 造影剤の投与経路 |
|---|---|
| 逆行性腎盂造影(RP) | 尿管へ直接注入 |
| DIP(排泄性腎盂造影) | 静脈注射 |
逆行性腎盂造影(RP)は、腎機能が低下していても尿路を鮮明に描出しやすいという特徴があります。
そのため、DIPでは十分に評価できない場合に選択されることがあります。
✅まとめ☆この記事で学べる逆行性腎盂造影(RP)の看護ポイント
逆行性腎盂造影(RP)は、上部尿路を詳しく評価するために行われる重要な検査です。
侵襲的な検査であるため、看護師には検査前後の丁寧な観察と、合併症の早期発見が求められます。
この記事での再重要部位👉
- 逆行性腎盂造影(RP)は尿管へ直接造影剤を注入する検査
- 検査後は発熱・血尿・腰背部痛を重点観察する
- 38℃以上の発熱では腎盂腎炎や敗血症を疑う
記事のまとめ
逆行性腎盂造影(RP)の看護では、「異常を早く見つける視点」がとても重要です。
特に、検査後の発熱や強い痛みは重篤な合併症のサインになることがあります。
「いつもと違う」を見逃さず、患者さんの訴えや小さな変化を丁寧に観察していきたいですね😊
新人看護師さんは、最初は泌尿器科の検査に苦手意識を持ちやすいですが、検査の目的や流れを理解するとアセスメントしやすくなります。
ぜひ日々の看護実践に活かしてみてください🩺
引用・参考
引用
日本泌尿器科学会
今日の治療指針|医学書院
病気がみえる vol.8 腎・泌尿器|メディックメディア
