「気管内吸引、手順は頭にあるのに…患者さんの前だと急に不安になって手が止まる😭」
「吸引圧ってこれで合ってる?何秒まで?SpO₂が下がったらどうしよう…ってドキドキしますよね🩺」
この記事では
- 開放式(成人・挿管/気切)の標準的な気管内吸引の流れ
- 吸引圧・秒数・回数など「迷いやすい数値の目安」
- SpO₂低下・徐脈・出血など異常時の中止判断と観察ポイント
が分かりますよ♪
結論👉
開放式の気管内吸引は、「必要性を評価してから、陰圧なしで挿入し、15秒以内で短く吸って、前後で再評価する」のが安全の基本です😊
この記事では、成人の挿管/気切患者を想定した開放式の気管内吸引を、国家試験・実技指導レベルでやさしく解説します😊
気管内吸引とは?目的と「やりすぎリスク」を最初に整理
気管内吸引は、人工気道(挿管チューブ・気管カニューレ)内の喀痰を取り除き、呼吸を楽にするための大切なケアです🩺
でも実は、吸引は体にとっては侵襲的な手技でもあります。
だからこそ「目的」と「リスク」をセットで理解することが、新人さんにとって一番の安全対策になります😊

気管内吸引の目的
目的はとてもシンプルで、喀痰を除去して気道の通りを保つことです。
痰が貯留すると、空気の通り道が狭くなり、換気がうまくできなくなります。
その結果、酸素化が低下し、無気肺や肺炎のリスクも高まります。
- 気道開通の保持
- 換気・酸素化の改善
- 誤嚥性肺炎や無気肺の予防
つまり、吸引は「呼吸を守るためのケア」なんですよね🌸
吸引にはリスクもある
一方で、吸引は気道にカテーテルを入れて陰圧をかけるため、身体に刺激を与えます。
ガイドラインでも、合併症として次のようなものが挙げられています。
- 低酸素血症(SpO₂低下)
- 無気肺
- 気道粘膜損傷・出血
- 徐脈(迷走神経反射)
特に新人さんが怖くなるのが「急なSpO₂低下」や「徐脈」ではないでしょうか。
気道粘膜への刺激は迷走神経反射を引き起こし、副交感神経が優位になることで徐脈を起こすことがあります。
さらに、吸引中は換気が一時的に中断されるため、低酸素血症も起こりやすくなります。
だからこそ「短時間・必要最小限」が基本なんです🩺

でもね、“長く吸う”より“必要な分を短く確実に”のほうが安全なのよ😊
まずは、「吸引は呼吸を助けるためのケア。でもやりすぎはリスクになる」というバランスを覚えておきましょう🩺✨
吸引が必要かを見極める👉実施前アセスメントがいちばん大事
気管内吸引は、「とりあえず時間だからやるケア」ではありません。
“必要なときだけ行う”のが基本です🩺
新人さんほど「先輩が言ったから」「前回やったから」と流れで実施してしまいがちですよね。
でも、本当に大切なのは“今この患者さんに必要かどうか”を考えることです😊

① 呼吸状態を確認する
まず見るのは呼吸です。
- RR(呼吸数)
- SpO₂
- 努力呼吸の有無(肩呼吸・鼻翼呼吸など)
- 呼吸音(ラ音・痰の貯留音)
特に聴診は重要です。
ゴロゴロと痰が貯留している音があれば、吸引の必要性が高いと判断できます。
② 痰の情報を整理する
- 量は増えていないか
- 粘稠度は強くないか
- 色は変化していないか(黄色・緑色・血性など)
- 咳嗽は十分にできているか
自力で排痰できない場合は、吸引の適応になります。
③ 全身状態をチェックする
吸引は身体にとって刺激です。
バイタルサイン全体や意識レベルを確認し、「今、この人は吸引に耐えられる状態か?」を考えます。
もともとSpO₂が低い、あるいは術後急性期で低酸素リスクが高い場合は、必要に応じてプレオキシジェネーション(吸引前に酸素濃度を上げる)を検討します。

アセスメントができていれば、途中で慌てにくいわ。
「吸引=手順」ではなく、吸引=アセスメントから始まるケアという意識を持つだけで、ぐっと安全に近づきます🩺✨
準備(物品・体位・モニタリング)|焦らないための土台づくり
吸引で手が震えるときって、実は「手技」よりも準備不足が原因なことが多いんです。
ここをきちんと整えておくと、吸引中に頭が真っ白になることがぐっと減りますよ😊
① 必要物品をそろえる(開放式)
開放式では人工気道へ直接カテーテルを挿入します。
そのため滅菌操作が基本になります。

| 物品 | ポイント |
|---|---|
| 吸引器(陰圧計付き) | 事前に吸引圧を確認する |
| 滅菌吸引カテーテル | 人工気道内へ入るため滅菌が基本 |
| 滅菌手袋(利き手) | カテーテルを扱う側は滅菌操作 |
| 清潔手袋(非利き手) | チューブ保持・接続操作に使用 |
| マスク・ゴーグル | 標準予防策(飛散防止) |
| 滅菌蒸留水/生理食塩水 | カテーテル内腔洗浄用 |
特に大事なのは、利き手を滅菌操作にすること。
新人さんはここで混乱しやすいので、「カテーテルを持つ手=滅菌」と覚えておきましょう🩺
② 吸引圧を事前に設定する
成人の目安は20 kPa(150 mmHg)以下です。
圧が高すぎると、粘膜損傷や無気肺のリスクが高まります。
“必要最小限の陰圧で行う”という意識が大切です。
③ 体位を整える
基本はベッドアップ30〜45度。
呼吸がしやすい姿勢に整え、苦痛表情や努力呼吸がないかも確認します。
④ モニタリングを確認する
吸引中はSpO₂と心拍数を見ながら実施します。
徐脈やSpO₂低下が起きたら、すぐに中止できる状態を作ってから始めましょう。

次は、いよいよ標準手順を根拠つきで整理していきましょう🩺✨
気管内吸引の標準手順(開放式・成人)|国家試験レベルで流れを整理
ここからは、成人の挿管/気切患者を想定した開放式の標準手順を、順番に整理します🩺
まずは、迷いやすい数値を固定しておきましょう。
成人の目安(まずはここを覚える)
| 項目 | 目安 | ポイント |
|---|---|---|
| カフ圧 | 20〜25 cmH₂O | 低すぎるとリーク、高すぎると粘膜損傷 |
| 吸引圧 | 20 kPa(150 mmHg)以下 | 高すぎる陰圧は無気肺・損傷リスク |
| 吸引時間 | 挿入〜抜去まで15秒以内 | 陰圧をかけるのは10秒以内 |
| 1連吸引回数 | 必要最小限(目安:最大3回程度) | 連続しすぎない |
「短時間・必要最小限」がキーワードです😊
手順① 必要性の再評価
聴診でラ音や痰の貯留音を確認し、吸引が本当に必要かを再評価します。
定時吸引は推奨されていません。「今必要か?」を必ず考えます。
手順② 患者へ説明
意識がある患者さんには、必ず説明します。
「今から痰を吸いますね。少し苦しいですが、すぐ終わりますよ」と一言あるだけで、安心感が違います🌸
手順③ 口腔→カフ上部→気管の順で吸引
いきなり気管からではなく、鼻腔・口腔 → カフ上部 → 気管の順で行います。
これは上部の分泌物を先に除去し、下気道へ落とさないためです。
手順④ カフ圧確認(成人20〜25cmH₂O)
カフ圧が適切でないと、リークや誤嚥のリスクがあります。
手順⑤ 陰圧をかけずに挿入
カテーテルは陰圧をかけずに目標深さまで挿入します。
挿管患者では、チューブ先端より2〜3cm先を目安にします。
気切では、カニューレ長を超えないように挿入します。
挿入時に陰圧をかけないのが重要です。
(⚠️一昔前までは圧をかけて挿入だったので間違えに注意!)
粘膜損傷や気道虚脱のリスクを減らします。
手順⑥ 陰圧をかけ、回転させながら抜去

目標位置で陰圧をかけ、カテーテルを回転させながら引き抜きます。
吸引時間は10〜15秒以内(挿入〜抜去で15秒以内)。
自発呼吸がある場合は、吸気に合わせると痰を引きやすくなります。
手順⑦ 必要に応じて最大3回まで
1連吸引は必要最小限にとどめます。
何度も繰り返すと低酸素や損傷リスクが高まります。


でもね、“短く確実に”のほうが患者さんに優しいのよ😊
次は、吸引中に起こりうるSpO₂低下や徐脈などの異常サインと、そのときの対応を整理していきましょう🩺
吸引中の観察と「中止の判断」|SpO₂低下・徐脈が出たらどうする?
吸引でいちばん大事なのは、実は「吸ってる最中の観察」です🩺
新人さんほど「手順を間違えないように…!」って手元に集中しがちですが、患者さんの変化を見て、危険なら“止める”ことが安全につながります。
吸引中に見るべきサイン(これだけは外さない)
- SpO₂の低下(じわじわ or 急に落ちる)
- 心拍数の変化(頻脈・徐脈)
- 表情・苦痛(眉間にしわ、涙、体をよじる)
- 咳き込みの強さ、努力呼吸の増悪
- チアノーゼ、冷汗
「吸引は苦しい」のはある程度想定内ですが、危険サインが出たら我慢させるものではありません。
SpO₂が下がる理由(なぜ起きる?)
吸引中にSpO₂が下がるのは、主に次の理由が重なります。
- 吸引中、換気・酸素投与が一時的に中断される
- 吸引カテーテルが気道をふさぎ、空気の通り道が狭くなる
- 陰圧によって肺胞がつぶれやすくなり(肺容量低下)、無気肺につながることがある
つまり、吸引は「痰を取る」一方で、酸素化にとっては負担になる瞬間があるんです。
だからこそ、短時間で終えることがとても大切になります😊
徐脈になる理由(迷走神経反射+低酸素)
吸引で徐脈が起こるのは、気道粘膜の刺激による迷走神経反射が関係します。
そこにSpO₂低下(低酸素)が重なると、副交感神経がさらに優位になり、徐脈が強く出たり、まれに重症化する可能性もあります。
中止の判断(新人さんが迷いやすい所)
次のような変化があれば、まずは吸引を中止して酸素化を優先します🩺
- SpO₂が急に低下した
- 徐脈が出た/心拍が不安定になった
- 顔色不良・チアノーゼ
- 苦痛が強く、耐えられていない
「もう少しで痰が取れそう…」って思う瞬間ほど、止めるのが難しいですよね。
でも、吸引は何より患者さんの安全が最優先です。取れ切らなくても、いったん酸素化を整えてから再評価で大丈夫です😊
低酸素リスクが高い患者では“事前に酸素化を上げる”
術後急性期など低酸素リスクが高い場合は、必要に応じて吸引前に酸素濃度を上げておく(プレオキシジェネーション)ことがあります。
「吸引中に下がりやすい」ことを前提に、安全マージンを作るイメージです。


“危ない”と思ったら止められる人が、いちばん安全にケアできる人!
急性期の緊張感がしんどい…って感じること、ありませんか?
吸引や急変対応が続くと、心も体もすり減りやすいです。
もし「今の働き方が合ってないかも」と思ったら、あなたに合う職場を一度整理してみるのも選択肢です。
次は、吸引後に必ず行う終了後のケア・器具処理・記録をまとめます🩺✨
終了後のケア・器具処理・記録|「吸って終わり」にしない
吸引は、カテーテルを抜いたら終わり…ではありません🩺
吸引“後”の評価までが1セットです。

ここを丁寧にできると、「安全に実施できる看護師」へ一歩近づきます😊
① 再評価(まずは呼吸を確認)
吸引後は、必ず再度評価します。
- 聴診:ラ音は減ったか?痰の貯留音は改善したか?
- SpO₂:吸引前と比べてどうか?
- RR・HR・BP:大きな変動はないか?
- 顔色・苦痛の程度
「痰が取れたか」だけでなく、全身状態が安定しているかまで確認します。
② 人工気道・回路の確認
開放式では一時的に回路を外すため、終了後は次をチェックします。
- 挿管チューブ/気管カニューレの固定
- 人工呼吸器回路の接続
- リークやアラームが出ていないか
ここを忘れると、思わぬトラブルにつながることがあります。
③ 器具の処理
施設のマニュアルに従いますが、基本は次の通りです。
- 再利用型の場合:カテーテル外側を清拭し、滅菌蒸留水を吸わせて内腔を洗浄
- 使い捨ての場合:適切に廃棄
- 最後に手指衛生
感染対策も、吸引の大事な一部です。
④ 記録(ここまでやって“看護”)
記録には、次の内容を含めます。
- 実施時間・回数
- 痰の量・性状・色・臭い
- SpO₂やバイタルの変化
- 患者の苦痛の程度
- 合併症の有無
特に痰の性状の変化は、感染兆候や病状変化のヒントになります。
「吸引した」だけで終わらせず、“どう変化したか”を書くことがポイントです。

これで、開放式の気管内吸引の流れは一通り整理できました🩺
よくある質問(FAQ)|新人さんが迷いやすいポイント
気管内吸引で、特に検索されやすい疑問をまとめました🩺
気管内吸引は何秒以内に行うの?
成人では、挿入開始から終了まで15秒以内が目安です。
そのうち、陰圧をかける時間は10秒以内とされています。長時間の吸引は低酸素血症や粘膜損傷のリスクを高めます。
1回の吸引は何回までしていい?
ガイドラインでは明確な最大回数は定められていませんが、国内教育では1連につき最大3回程度までを目安とすることが多いです。
大切なのは「回数」よりも必要最小限で終えることです。
吸引圧は必ず150mmHgにするの?
成人の推奨は20kPa(150mmHg)以下です。
ただし、痰の粘稠度や患者状態に応じて必要最小限の圧に調整します。高すぎる圧は粘膜損傷の原因になります。
SpO₂が下がったらどうする?
SpO₂が急激に低下した場合は、吸引を中止し酸素化を優先します。
無理に続けず、いったん回復を待ってから再評価します。
吸引で徐脈が出るのはなぜ?
気道刺激による迷走神経反射と、吸引中の低酸素が関係します。
徐脈が出た場合も、まずは吸引を中止し、酸素化と全身状態の安定を優先します。
最後に、ポイントをギュッとまとめていきましょう✨
👉 「✅まとめ|この記事で学べる気管内吸引」
この記事での再重要部位👉
- 吸引は“必要時のみ”。実施前アセスメントが最優先
- 成人は吸引圧20kPa(150mmHg)以下・15秒以内が目安
- SpO₂低下・徐脈が出たら即中止し酸素化を優先
記事のまとめ
気管内吸引は、ただの「痰を取る手技」ではありません。
評価 → 準備 → 短時間で実施 → 再評価までがひとつの看護です🩺
特に大切なのは、“短時間・必要最小限・異常があれば止める勇気”です。
新人さんのうちは、「これで合ってるかな…」と不安になるのは当たり前です。
でも、根拠を理解して一つずつ確認できれば、吸引は“怖い処置”ではなく、“呼吸を守るケア”になります😊
焦らなくて大丈夫。今日覚えたポイントを、次の1回の吸引で意識してみてくださいね🌸
急性期でがんばっているあなたへ。
もし「今の環境が本当に合っているのかな」と感じたら、ひとりで抱え込まなくて大丈夫です。
あなたに合う働き方を、一度プロに相談してみるのも選択肢のひとつですよ。
引用・参考文献
引用
- 日本呼吸療法医学会.気管吸引ガイドライン2023〔改訂第3版〕.
- 日本呼吸療法医学会.気管吸引ガイドライン(概要版).
- 岩手県立大学.気管内吸引圧の安全性に関する文献調査研究.
- J-STAGE.気道吸引に関する看護実践・研修評価論文.
- J-STAGE.RST研修評価における吸引時間・吸引圧の記載.
参考
- 日本感染症学会.看護師 気管内吸引の具体的方法を教えてください(Q&A).
- ナース専科.気管内吸引の基礎知識・観察ポイント.
- ケアマネジメント資料.気管吸引の手技と注意点.
- 国立病院機構刀根山病院.気管吸引に関する資料.
- Cardinal Health.気管吸引ハンドブック(日本語資料).
