
新人ではないが、まだ若手である2年目を迎えた看護師が転職について悩む背景には
「人間関係」「業務量」「キャリアパス」などが見受けられます。
徐々に、看護師としての経験も積み、これから自分がどういうキャリアを積んでいこうかを考えるタイミングでもあるようです。
職場内で改善できることは相談や異動などで解消できることもある一方、新たな環境を考えることも選択肢のひとつです。
今回この記事では、
・2年目看護師が抱える悩み
・転職を成功させるために抑えておきたいポイント
などを解説します。
2年目を迎え、自身のキャリアプランも考え、転職が有効に働く方にとっては対策や実情を知ることができる記事になっていますので、しっかり読んでおいてくださいね。
ブックマークをすればいつでも見返せて便利なので、振り返って確認できるようにしておきましょう!
看護師2年目に多い悩み
看護師2年目は、新人ではなくある程度一人前として扱われることも増えます。
マンツーマンでの指導やプリセプター制度が終了し、これまで以上に仕事を任されるようになると同時に、わからないことも増えていくことも。
先輩看護師からの積極的な指導が入らなくなる時期なので、これまで気軽に相談できたことも、先輩に相談しにくいと感じる時期でもあるようです。
人間関係
こちらはどの年代でも悩む看護師は多いです。
2年目の看護師の場合、特に年次が近い先輩や初めてできた後輩との関係に悩んでいるケースも多いようです。
一例として以下のような内容が挙げられます。
・同期や先輩後輩との関係構築への難しさ
・職場になじめていないと感じる
・自分への期待の重さが辛い
・後輩の成長スピードがプレッシャーになってしまう
・自身の成長の遅さに焦りを感じる
・上司や先輩から理不尽な叱られ方に悩む
・職場内で嫌がらせにあう
などの理由が人間関係の悩みとして多く、環境を変えることで解決したいと思い、転職を検討する方も少なくないです。
仕事量
看護師の2年目は、患者さんのケアから事務作業まで幅広い業務を一人で担う独り立ちをするタイミングでもあり、業務量と責任が増えます。
心身ともに多大な負担がかかる時期でもあります。
場合によっては、リーダー的な役割を任されることもあり、通常業務にプラスされた業務のため負荷はより大きくなります。
こうした負担のかかる状況が続くと、残業が増えたり、ストレスが蓄積されていくことが想像できますよね。
一方で、まだスキルの未熟さから先輩に指摘されることも同時に起こります。
仕事量は増えていてできることも増えているはずなのに、自分が成長していないのではないかという風に感じる方もいるようです。
・自己判断が求められる年次であること
・プレッシャーと責任が増えること
・新人時代にはなかった業務量
・先輩、後輩それぞれとの立ち回りの仕方
これらが一度に押し寄せてきてしまうことで、いっぱいいっぱいに感じ、転職をしたいと思う方も多いようです。
待遇面
もともと看護師の給与は一般的な他職種と比較すると高い傾向にあるのはご存じだと思います。
また、1年目と2年目では月々の給料にほとんど差がなく、むしろ2年目になると住民税の控除が始まるため手取りが減ってしまう可能性があります。
ただ、給料面ではあまり差がないのですが、年収に換算するとボーナスの支給がある分、2年目の収入は大きく上がります。
これは以下の表で分かるように、1年目のボーナスが1桁支給であることが多いことと2年目は平均すると70万円ほどになることが影響しています。(令和元年賃金構造基本統計調査)
月収 | ボーナス | 年収 | |
1年目 | 約24万6千円 | 約8万円 | 約300万円 |
2年目~5年目 | 約27万6千円 | 約72万円 | 約400万円 |
しかし、業務量に見合わないと感じる方も多いのも事実です。
やるべきことは増えているのに待遇はそれほど変わらないということが起きると、「いまの頑張りを認めてもらえていない」と思い、仕事へのモチベーションが低下してしまうことも見受けられます。
また、1年目から2年目になったタイミングでの昇給もほとんどないので、責任が増えるのに手取りが減ったと、やる気が削がれてしまうことも頷けます。
キャリアへの不安
看護師として任されることやできることが広がってくる一方で、自分がこの先どんなキャリアを積んでいくべきか悩んむことも多いようです。
「一つの診療科に特化して経験を積んでいきたい」
「病院に限らずクリニックや施設などの実務経験を希望したい」
「一般企業で看護師資格を活かした働き方も検討している」
など見えてくるキャリアもさまざまでしょう。
キャリアパスを考えるにあたっては、さらなる資格取得や実務経験、スキルアップで自分の強みや得意を伸ばしていくことが重要です。
いま担当している業務に特化する形で、知識を身につけ、経験を積むことも一つの選択肢です。
専門看護師や認定看護師など特定分野のスペシャリストを目指したり、管理職を目指してマネジメント研修の受講をすることもキャリの選択肢としてはあります。
ですが、数年後のキャリアを考えたときに、適当な選択肢が選べるよう準備しておけることも若手の特権ではないでしょうか。
その準備の一環として、転職をして新たなキャリを積みあげていくことを考える方もいるようです。
2年目看護師の転職のメリット
完全なる新人ではない2年目看護師。
教育面では新人扱いで丁寧に指導が受けられるのに、選択肢は新人よりも多かったり、給与面も少し期待ができたりと転職することへのメリットもあります。
第二新卒や新人としての待遇が受けられる
看護師2年目での転職で得をするポイントに「第二新卒扱い」が挙げられるのは間違いありません。
天職するにあたってこれは選択肢の幅が広がるので利用しない手はないでしょう。
そもそも第二新卒とは、卒業後概ね3年以内の社会人のことを指します。
新卒採用は充実した教育が基本となりますが、中途採用だと新卒に比べて教育体制は充実していない前提であることが多いですが、第二新卒であれば、研修など新卒と同様の待遇を受けることができます。
研修や教育は新卒と同じような扱いが受けられ、実務に関する知識やスキルを十分に学ぶことができるので、経験が浅いことで転職を諦めようとしている方にとっては、第二新卒の求人をチェックしてみるのは有効な手段になるはずです。
1年目より選択肢が広がる
新卒採用に比べると、求人の選択肢が増えることは看護師2年目で転職するメリットとして挙げられるでしょう。
臨床経験が丸1年あることから、最低限の知識やスキルは身についていると判断してもらえるケースも多いためです。
ビジネスマナーや他院でも通用する知識なども新人ほど徹底した教育は必要ないことが評価対象になっていることもあります。
こうした評価が高くなる分、1年目の新人よりも需要があり、転職できる職場の幅が広がります。
求人次第ですが、専門クリニックや病院以外の職場への転職も可能になります。
また、夜勤のある中規模~大規模病院で勤務していた経験も大きなポイントになるようで、夜勤がこなせる人材が不足しがちな看護業界にとっては、まだまだ体力のある2年目の看護師が好まれるのです。
また、経験があるので、業務も任せられるところも評価が高くなります。
適応力の高さを評価されることがある
基礎的な知識や技術が身についており、新人看護師に比べて教育期間を大幅に短縮できることがメリットになります。
加えて、自分のやり方のようなものが固まり切っていないことも多いので、固定観念にとらわれず柔軟に対応できることも若手かつ2年目の強みといえるはずです。
一から説明する必要がないので、未経験者よりも指導がしやすい点も下手に経験がある年次の看護師より教育がしやすいのです。
病院独自のルールや技術の理解に苦労しにくいというメリットもあります。
前職での経験はまだ浅いことが「これまでのやり方に固執せず、新しい環境にいち早く適応してくれて、将来的な活躍が期待できるだろう」と思ってもらえるので、柔軟さや適応力を評価してもらえることもあります。
デメリット
メリットがある一方、デメリットも存在してしまいます。
・同じ職場で働き続けていれば早めに経験できるタイミングを逃がす
・短期離職をマイナスに捉えらる
・給与や待遇が現職より悪くなってしまう
などのデメリットが見据えられます。
プリセプターのチャンスを逃す
新人看護師の教育をする役割であるプリセプターの機会を逃す可能性があります。
主には一通りの仕事ができると認められた看護師が後輩を指導するため担当するものです。
プリセプターを担うことは、後輩に教育する経験を身につけるための機会にもなりますし、業務へのさらなる理解を深める機会でもあるので、2年目に転職してしまうとこの経験を逃すことになります。
また、転職先では、新人として扱われることが多いので、プリセプターを経験するまでに新たに経験を積む必要があることもデメリットの一つになってしまうでしょう。
加えて、プリセプターのチャンスを逃し、転職先ではある程度の経験があるとみなされ、自身の教育機会も失うケースも懸念されます。
2年目での転職は、プリセプターとしての貴重な経験を積む機会を逃すだけでなく、キャリアアップにも影響してしまう可能性もあります。
短期離職を懸念される
看護師2年目での転職は「第二新卒」として歓迎する求人がある一方で、「すぐに辞める人」というネガティブな評価をする病院も少なくないようです。
そうしても2年目での離職を聞くと、同じことが自分の病院でも起きるのではないかと思ってしまうのは仕方ありません。
ですが、転職を考えるのであればそれなりの理由があるのも事実です。
理由をそのまま表現するのではなく、受け取る側にポジティブにとってもらえるように提示しておくとこちらのリスクの回避にもつながります。
新人同様の扱いを受ける可能性がある
一からの教育は必要なくとも、臨床経験や実務経験はまだ新人看護師と同じくらいのレベルだと思われることも多いようです。
まだ即戦力としての評価を得ることは難しく、新人扱いを受けることもあります。
また、給与も勤め続けて入れば、2年目からボーナスがフル支給になるので、手取りが下がってしまうことも。
新人ではないのに、待遇面が新人扱いされることに不満が生まれてしまう可能性もあります。
きちんとこれまでの経験を経験として評価してもらえるのかなどを吟味する必要があるでしょう。
2年目看護師の転職先選びのポイント
いざ、転職をすると動き出す時にまずどんな求人があるかをチェックすると思います。
その際に気にしたいポイントを5つご紹介します。
①教育体制
まだ未熟な面もある2年目の看護師であれば、教育体制が整っているかどうかはチェックしておきたいところです。
・看護技術を学べる環境か
・プリセプターの制度はあるか
・研修の体制はどうか
など中途採用や第二新卒にあたる場合でも、きちんと教育を受けることができるのか確認しきましょう。
特に、業務内容が変わったり、臨床経験が重要視される職場では、教育に対しても力の入れ方は就職後のミスマッチにならないようしっかり見ておいて、納得できるかどうかが大切です。
②診療科
自身のスキルアップやキャリアの幅が広がる診療科を選ぶことが重要です。
また、看護に対する希望や目標に考慮することも忘れずに。
数多くの診療科がありますが、美容クリニックや透析クリニックであれば、看護師2年目でも比較的転職しやすいと言われています。
【美容クリニック】
扱う症例や器具・機械が他の診療科と異なるためこれまでのキャリアが響きにくく、夜勤なしにも関わらず夜勤ありの給与と同程度の額面になることもあります。
ただ、臨床経験としてはカウントされにくいので、次の転職で病棟に戻りたい、戻るキャリアプランの場合には、慎重に転職を検討してくださいね。
【透析クリニック】
業務がマニュアル化されているところが多いため、新人程度の経験でもなじみやすいでしょう。
こちらも夜勤はなく、定期的に通院する患者さんが多いため、一人一人と長期的に関わることが可能です。
③希望条件
次の職場で叶えたい条件を明確にしておきましょう。
・教育体制
・業務量
・患者さんとの関わり方
・ライフワークバランス
など自分中で優先順位つけて整理しましょう。
「臨床経験に自信がないから教育はしっかり受けられるところがいい」
「夜勤がない仕事で身体の負担を減らしたい」
「患者さんと向き合える業務量で仕事がしたい」
「後輩の指導もできるようになりたい」
「別のスキルを習得する職場を検討したい」
など目指すゴールはひとそれぞれなので、自分は何を一番に思い転職を希望するのかしっかり考えることがミスマッチによる再転職を防ぐことにもつながります。
④給与や待遇
住民税の影響でこれまでと同じ給与では、転職する意味がないと感がる方もいるでしょう。
その場合には、いまと条件が変わらない職場で給料が高いところを選んだりする選択もできますが、同じ手取りでも年収に目を向けて考えてみると幅が広がることもあります。
また、待遇についても新人同様の手厚い教育が必要なのか、それともどんどん臨床経験を積める環境が良いのかによって選ぶ択は変わります。
条件面と同じように、自分の生活にかかる費用を改めて考えたり、得たい待遇を整理しておきましょう。
⑤人間関係
求人票からだけではわかりにくい項目です。
面接の際に有給取得率を聞いたり、産休育休の取得実績などを聞くことで休みやすい職場だと分かれば、互い兄協力する体制が整っていると判断することもできるでしょう。
また、職場見学が可能なら、同世代の看護師はいるのか、お局的な先輩はいないだろうかなど雰囲気を確認しておいてもいいかもしれませんね。
患者さんとのかかわり方もチェックしておくといいでしょう。
中途半端感を感じさせない転職対策
新人から独り立ちに変化する2年目看護師は、扱いにくさに転職が不利になってしまうこともあります。
ですが、自身の経験や強みなどを理解しておくことで中途半端な部分をアピールに変えることもできます。
強みと弱みの把握
まず、何ができるのか、できないのかを明確にします。
その上で希望する職場にアピールできるよう整えましょう。
「患者さんとのコミュニケーションが得意」
「忙しすぎるとミスがでてしまう」
など具体的なエピソードと併せて考えましょう。
キャリアプランを明確にする
今後、看護師としてどうありたいのかを考えたうえで転職に臨みましょう。
「病棟の看護師として長い活躍がしたい」
「看護師にこだわらないキャリアを積みたい」
のように、まだまだ何にでもなれる2年目だからこそ、一つだけに絞らずさまざまなプランを考えてみるのもいいかもしれません。
未経験扱いを避ける面接対策
「2年目で辞める理由」について採用面接で必ず聞かれると思って間違いないでしょう。
「なぜ1年目を乗り越えたにも関わらず辞めてしまったのか」の答えを明確にして、ポジティブな魅せ方ができるよう準備しておきましょう。
「マンツーマンでの教育制度で研修をしたい」
「夜勤のない環境で身体への負担を軽減させ、患者さんとかかわりたい」
と教育制度への不満と夜勤への不満が退職理由である場合でも、少しでも前向きな見え方になるよう工夫しましょう。
まとめ
新人ではない、経験豊富でもない2年目での転職は中途半端さをどうポジティブに魅せるかが重要なポイントです。
できること、やってみたいこと、キャリアプラン、条件面などをしっかり整理しておきましょう。
どうしても自分で整理したり考えることが難しいのであれば、エージェントに頼るのも視野に入れてみましょう!
しごと・レトリバーのLINE相談は:
- 24時間365日受付
- 匿名可能
- 登録3分で求人情報閲覧可能
▼今すぐアクション
👉 LINE登録はこちらから
QRコード読み取り: