
結論から言いますと、1年目での転職は可能です。
しかし、どうしても臨床経験の浅さや離職までの期間を懸念されてしまうことが多いことも事実です。
こうした採用側の不安をなるべく少なく、良くないイメージを払拭できるよう
・なぜ退職するのかを明確にすること
・新たな職場での決意
など勤務期間の短さをカバーできるような転職活動を行うことが大切です。
また、転職時期を検討したり、プロのエージェントとミスマッチを防ぐ求人選びをするなど転職先で長く働けるような工夫はするべきでしょう。
さまざまな理由から「いまの職場は辞めたい」と考えている新人看護師さん必見の内容になっていますので、ぜひ参考にしてくださいね。
今回この記事では、
・1年目の看護師が転職を成功させるポイント
・1年目で転職するメリット・デメリット
などを解説します。
臨床経験の浅さからまたすぐに辞めてしまうのではないかと思われないよう対策をしっかり行い、転職に臨みましょう。
この記事を何度も振り返って確認できるように、ブックマークをしていつでも見返せるようにしておきましょう!
1年目看護師の転職を考える理由
専門学校を卒業、国家試験をパスした新人看護師。
がんばろうと気を引き締めて就職した病院で働いている方が多いですよね。
しかし、実際に働いてみると気持ちの面や技術面で難しさを感じたり、人間関係で悩むこともあるでしょう。
自分の中で状況を良く考え上で転職を決意する方もいるはずです。
労働環境
ある程度の覚悟を持って入職したものの、労働条件の厳しさに圧倒され転職を考えることもあります。
・月60時間を超える残業の多さ
・月8回以上など、夜勤の頻度が想定より多くなっている
・人員不足で新人でも戦力として数えられてしまうことへのプレッシャー
・OJTが不足していて、質問などもできず成長できない状況
などが一例として挙げられます。
過重労働をはじめとして、新人であるがゆえに力不足による悩みと労働環境といってもさまざまな悩みがあります。
日本看護協会の調査によると、新人看護師の約3割が教育体制への不満を吐露しているとのことです。
一方で人員が足りてしまっているため、採血や点滴を任されず、スキルが伸びないという悩みや不安もあるようです。
また、多忙を極める看護師は、患者さんと向き合う時間も限りがあります。
そんな病院勤務の現状に理想とのギャップを感じる看護師も少なくありません。
人間関係
ハラスメントの問題も離職を考える理由です。
・先輩からのパワハラや暴言
・報告・連絡・相談(ホウレンソウ)が機能せず孤立してしまう
・ミスを過剰に責められる
例えば、「あなたは看護師に向いてない」などと直接言われてしまったり、ミスをしたら責められしまうので失敗を報告するどころか隠すにはどうしたらいいかと考えてしまうといったことが挙げられます。
こうした悪循環が生まれてしまうので、人間関係は働く上で非常に重要なことが分かりますね。
給与に不満がある
さて、看護師の給与は多職種よりもやや水準が高めとなっているのはご存じでしょうか。
日本看護協会の調査(2023年)によると、新卒看護師の平均初任給は 26万~27万円(専門卒・大卒含む)となっています。
厚生労働省の調査では、新卒の初任給の平均は、大卒の男性で24万300円、女性で23万4,300円とのデータからも初任給の水準が高いことが分かります。
こうしてみても決して低くはない給料ですが、手取り額や勤務環境によっては、夜勤や長時間勤務など対価と見合わないと低く感じるケースがあります。
また、昇給もまだまだ年功序列が適応されていることも多く、多職種よりも緩やかです。
若手のうちはあまり昇給に期待できないのも給与面に不満を抱くポイントでしょう。
その証拠に、10年目でも基本給が4万円前後しか上がらないなんてことあるようです。
看護師に向いていないと感じる
そもそも看護師という仕事に向いていないと感じる方も。
ですが、能力不足≠向いていないではありません。
実は、新人看護師の約9割が向いていないと感じたことがあると回答した調査もあります。(レバウェル看護「公式Instagram」(2023年6月19日))
ですので、一度本当に向いていないのかを冷静に見極める必要はあります。
向いていないと感じる理由はさまざまですが、
・採血の失敗や薬剤投与ミスを繰り返す
・業務がスムーズにできないことへの不安
・夜勤や長時間労働が続くことによる体調不良
・患者さんや家族に深入りしすぎて感情のコントロールが難しい
・患者さんが苦しんでいるところを見るのが辛い
などスキル面、感情面の両面からあがっていることが分かります。
また、新人看護師の約4割が「1年目に重大なミスを経験した」と回答しているのも事実です。(日本医療安全調査機構)
1年目で転職するメリット
新人のうちに転職することにはメリットもあります。
・再教育が受けられる
・適職が見つかる
・給与の増加
これらを以下にて解説していきます。
新人として教育を受けられる
別の病院での勤務経験があっても、看護師1年目ということであれば転職先の病院でも新人として扱ってもらえる可能性が高くなります。
現在のスキル不足を不安視する方も多いので、こちらはメリットといえます。
これまでの勤務経歴やスキルの習得度に合わせた研修や教育が受けられる病院があったり、プリセプターを導入している病院であれば、より成長スピードが早まることが期待できます。
現場での活躍が早まるので、教育制度が充実しているかどうかは重要なポイントになりそうです。
新卒よりも知識や経験があり、基礎からは教えなくてもいいと前向きに捉えてくれる職場もあるので、業務内の不明点を解消しやすい環境に身を置くことができますよ。
また、4月や10月など新卒が入社するタイミングとあわせると一緒に新人教育を受けることができるのでおすすめです。
自分に合う職場を見つけられる
勤務形態や給料、人間関係など職場ごとに異なる個性を見極めて自分に合う職場を見つけることができるでしょう。
就職の経験があるので、自分に必要・不必要の取捨選択ができるようになっているためです。
「夜勤があるけれど、3交代制なら頑張れる」
「日勤のみのクリニックや施設で働きたい」
「美容クリニックで営業要素にもチャレンジしたい」
など環境改善につながります。
また、忙しさがネックなのであれば、急患の対応が少ない病院や予約制の診療科を選ぶなど、新卒の時にはなかった視点で求人を探すことができます。
また、感情労働の重さから無気力状態になってしまう燃え尽き症候群になっている、不眠症や慢性的な痛みがある、うつ病や適応障害の傾向があるといった精神面の辛さを解消する場合には、休職することも視野に入れつつ転職をすることが有効となることもあります。
今の仕事の何が合わないかを明確にしてから、どんな職場が合っているかを検討することが大切です。
給料の増加も望める可能性があります。
年俸制やボーナス額の増加などの可能性がありますが、1年目であれば、こちらはなかなか希望が薄いのが現実です。
ですが、夜勤のない職場でこれまでと同等の給与をもらうなど、額面は増えていなくても勤務内容と照らし合わせると増えていることもあるので、額面のチェックもしっかりしておくと安心です。
デメリット
新人である1年目での転職にはデメリットもあります。
早期離職を警戒されたり、スキル不足を懸念されることもあるでしょう。
また辞めてしまうと思われる可能性
1年目での転職は厳しい目で見られることも多く、書類選考の時点で見送られることも少なくありません。
やはり再度の早期離職はどうしても懸念されてしまうためです。
この疑念をなるべく薄くするには、退職理由や入職理由いわゆる志望動機をポジティブな魅せ方にすることが大切です。
あくまでも「貴院で私を雇うことは得である」と思ってもらえるように伝えることが重要になります。
好条件な職場が少ない
求人の選択肢は年数を重ねている看護師よりも少ないと考えたほうがいいでしょう。
中途採用の枠であると、ある程度経験を積んだ看護師が歓迎される傾向にあり、看護師としての経験が1年未満の新人の場合だと、そもそも応募資格に満たないなんてことも多々あるはずです。
これは教育の必要のない看護師を求めているため、まだ教育の必要がある新人はあまり歓迎されない傾向にあります。
ただ、第二新卒での採用枠は要チェックしておきましょう。
第二新卒枠であれば
・基本的な経験があると判断され、スキルやマナーなどに対し、1からの教育が必要ない
・医療現場に対しての理解がある
・年齢が若いので、体力面に期待できる
などの理由から新人であることがメリットになります。
求人を探す際は「第二新卒」をキーワードに取り入れてみるのもおすすめです。
即戦力になれない
新卒ではないが、複数年の経験がある看護師より頼りがいはないのが1年目の看護師です。
看護師としての基礎と転職先の業務手順の両方を覚えることが必要になることがほとんどです。
中途採用だとこちらはできて当たり前と判断されることも。
しかし、実際は経験のない分野もあるので、覚えたり、指導が必要な内容も多くなり、精神面での負担が大きくなってしまう可能性もあります。
教育スタイルに注目して、すぐに相談できる環境なのかやプリセプターがいるのかなどもチェック項目に加えたいですね。
1年目での転職を成功させるには?
新人看護師が転職を成功させるには
・退職理由の明確化
・伸びしろをアピールする
・条件を多くしすぎない
・エージェントを利用する
これらのステップを順を追って整えていくことがおすすめです。
転職理由を明確にする
なぜ転職したいのかを明確にしましょう。
残業の多さや夜勤の辛さ、人間関係など環境への要因も整理しておきましょう。
その上で以下のような言い換えをして前向きな理由に置き換えることが大切です。
「教育不足で成長できない」⇒「貴院のプリセプター制度でしっかり学びたい」
「残業ばっかりで嫌だ」⇒「余裕を持った勤務形態に魅力を感じた」
「夜勤辛い」⇒「生活リズムが安定する職場で患者さんときちんと向き合いたい」
採用側が懸念することを払拭するような言い換えが有効になるはずです。
他にも、現場の経験が少ないことをカバーすることにつながるので、ポテンシャルや熱意をアピールすることも重要です。
希望条件を絞る
新人の求人は条件が厳しい場合もあります。
なので、あらかじめ条件を絞っておくことが重要です。
例えば、どうしても譲れない3つの条件を挙げてみるなどで取捨選択をしましょう。
「夜勤なし」「研修充実」「給与維持」
とシンプルかつ明確にしておくと求人を探しやすくなります。
これらを決めた上で、あったら嬉しいなどの項目を設け、プラスの要素を考えてみるのがおすすめです。
病棟以外のおすすめ職種
上記のような条件に当てはまりやすいのが、保育園や美容クリニックです。
保育園での仕事は、園内で、子どもの怪我や病気に対応することがメインになります。
ケガや病気の手当てや感染予防行動、健康診断の対応などを行い、高度な医療知識がない新人看護師でも採用枠があることも。
6歳以下の子どもが通う保育園なので、看護師としての知識の他に、子供が好きもしくは嫌いではないことや人様の子供を預かり続けるので責任感が強い人にも向いていると言えるでしょう。
美容クリニックと呼ばれる美容皮膚科や美容外科などは、日勤のみで高収入が期待できる職種の一つです。
仕事内容は、カウンセリングや医師の補助をはじめ、美容施術、商品販売など多岐に渡ります。
命の危険がある症例がないことも魅力の一つになるのではないでしょうか。
これまでICUや重症患者さんが多い職場で務めていて、そうした環境を変えたいと考える人におすすめです。
通常の病院と異なるのは、インセンティブが発生することです。
取り扱い商品を販売したり、施術の指名を受けたりすることがインセンティブにつながります。
なので、人と話すことが好きであったり、商品を勧められるよう美容に興味があるとなお働きやすいはずです。
病棟での勤務以外にも目を向けてみると転職がしやすくなるかもしれません。
転職エージェントに頼る
プロに頼るのも大切です。
新人であることが有利に運ぶ求人だったり、自分が思っている職種ではない提案をしてくれたりと第三者目線が加わるのがエージェントを利用することのメリットです。
面談を通して代わりに求人を検索してくれたり、絶対に避けたい条件なども伝えておけば条件の合わない求人はスキップできたりと時間のない現職看護師にとっては有効な手段でしょう。
また、面接の練習や履歴書の採点などもエージェントによっては行ってくれるので、初めての転職でも安心です。
実際に総合病院への転職を行い成功した例もあります。
手術室で器材出しなどの業務を行うオペ看でしたが、先輩から仕事の仕方を教えてもらえないなどのいやがらせを受け転職を決意し、総合病院で教育制度も充実しており、人間関係が良好で、研修などの教育政府ども充実した総合病院へ転職をした例もあるので、前向きにトライしていきましょう!(ビジコネット株式会社を参照)
まとめ
看護師1年目で転職活動はマイナスに捉えられてしまうことも多くありますが、その反面工夫次第で経験の浅さが強みになったり、自分に合う働き方が分かったりとプラスにできることもあります。
本記事を参考に離職したいと考える理由をまず明確にしてみましょう。
もしかすると時期尚早であったり、頑張り時である可能性もあります。
こうした気持ちの整理や状況把握を行い、本当に今なのかを見極めてたうえで転職が必要だと判断したのならば、転職活動に踏み出すのもいいかもしれませんね。
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