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創傷治癒過程の4段階を解説!止血期から成熟期まで

「創傷治癒過程って複雑で覚えにくい…」「各段階で何が起きているのか詳しく知りたい」「国家試験や臨床で役立つポイントを効率よく学びたい」

そう思う看護師の皆さんも多いのではないでしょうか😊

この記事では

  • 創傷治癒の4段階(止血期・炎症期・増殖期・成熟期)の詳細

  • 各段階で働く細胞や物質の役割

  • 創傷治癒を促進するためのケアポイント

  • 臨床現場ですぐに活かせる知識

  • 図表を用いた視覚的な解説

が分かりますよ♪

創傷治癒過程を理解することは、効果的な創傷ケアの基本となります。

この記事では、看護師として知っておくべき創傷治癒の4段階を詳しく解説し、臨床現場で実践できる知識をわかりやすくお伝えしますね。

皮膚や組織が損傷を受けたとき、私たちの体は自然と修復プロセスを開始します。
この創傷治癒過程は、止血期、炎症期、増殖期、成熟期という4つの段階に分けられます。
それぞれの段階で特徴的な細胞活動や生体反応が起こり、組織の修復が進んでいきます。
看護師として創傷管理を行う際には、この治癒過程を理解することが効果的なケアの基本となります。
それでは各段階について詳しく見ていきましょう✨

創傷治癒とは、損傷を受けた組織が修復されるプロセスのことです。
このメカニズムは複雑な細胞間相互作用によって進行します。

創傷治癒過程の4段階は以下の通りです:

創傷 治癒過程

傷の治癒に関する新たな仕組みを解明 — 毛細血管が皮膚の修復をコントロールする — 昭和大学より画像引用

 ⏱️ 受傷直後〜数時間

  • 血管収縮と血小板凝集が起こります
  • フィブリンによる凝血塊が形成されます
  • 一時的な止血栓が創面を保護します

 ⏱️ 受傷後24時間〜数日間

  • 好中球やマクロファージが創部に集まります
  • 細菌や壊死組織の除去が行われます
  • 血管透過性が亢進し、浮腫が生じます

 ⏱️ 受傷後3日〜2週間

  • 線維芽細胞が活性化し、コラーゲンを産生します
  • 新しい毛細血管が形成されます(血管新生)
  • 上皮細胞が創縁から中心に向かって増殖します

 ⏱️ 受傷後2週間〜1年以上

  • コラーゲン線維が再構築されます
  • 瘢痕組織が形成され、徐々に成熟します
  • 創の強度が増していきます

これらの段階は明確に区別されるわけではなく、重複しながら進行していくことが特徴です。

創傷治癒には、創の状態によって「一次治癒」と「二次治癒」という2つの異なる経過があります。

比較項目 一次治癒 二次治癒
創縁の状態 整っている 不整形・離開している
組織欠損 ほとんどない 大きい
治癒期間 短い 長い
瘢痕形成 最小限 大きい
感染リスク 低い 高い
代表例 清潔な手術創 褥瘡、潰瘍、裂創

一次治癒は、創縁がきれいに接合している場合に見られます。
例えば、メスによる切開創や縫合された手術創がこれに当たります。
組織欠損がほとんどなく、創縁同士が直接くっつくため、治癒が早く瘢痕も小さくなります👌

一方、二次治癒は創縁が離開していたり、組織欠損が大きい場合に見られます。
この場合、肉芽組織が創底から盛り上がり、徐々に創を埋めていく形で治癒が進みます。治癒期間が長く、瘢痕も大きくなりがちです🕰️

創傷は治癒の時間経過や特性によって、急性創傷と慢性創傷に分類されます。

は、突発的な外力によって生じ、通常は正常な治癒過程をたどります。
例えば:

  • 切創(メスや刃物による切り傷)
  • 擦過傷(擦れによる表皮損傷)
  • 挫創(鈍的外力による組織損傷)
  • 熱傷(熱による組織損傷)

これらの創傷は、合併症がなければ4段階の治癒過程を順調に進み、数週間で治癒することが多いです⚡

は、正常な治癒過程が阻害され、長期間(通常は3ヶ月以上)治癒しない状態が続く創傷です。
例えば:

  • 褥瘡
  • 糖尿病性足潰瘍
  • 静脈性下腿潰瘍
  • 動脈性潰瘍

慢性創傷では、炎症期が遷延化し、組織修復のバランスが崩れていることが特徴です。
基礎疾患や局所環境の問題により、治癒が妨げられています⏳

看護師として創傷を観察する際には、急性か慢性かを見極め、それぞれに適したケアアプローチを選択することが重要です🔎

創傷治癒過程の最初の段階である止血期は、組織が損傷を受けた直後から始まります。
この段階では、出血を最小限に抑え、修復のための足場を作る重要なプロセスが進行します。
血管の収縮、血小板の凝集、そして凝固カスケードの活性化によって止血が行われ、創傷治癒の基盤が形成されます。
看護師として創傷を観察する際には、この初期段階の理解が適切なアセスメントにつながります。
それでは止血期で起こる現象について詳しく見ていきましょう💉

止血期は創傷発生直後から始まり、通常は数分から数時間で完了します。
この段階は創傷治癒過程の中で最も短い期間ですが、後の治癒過程の土台となる重要な役割を担っています。

:

  • 受傷直後(数秒〜数分): 血管収縮が起こる
  • 数分後: 血小板凝集が始まる
  • 10〜15分後: 一時的な血小板血栓が形成される
  • 30分〜数時間後: フィブリン網が形成され、安定した血栓となる

:

  1. 血管収縮により出血量を減少させる
  2. 血小板が損傷部位に集まり、粘着・凝集する
  3. 凝固カスケードが活性化される
  4. 一時的な止血栓(血餅)が形成される
  5. 創面が保護され、細菌の侵入を防ぐ

この段階では、創部は赤く、少し腫れていることが多いですが、まだ炎症の徴候は顕著ではありません。
出血がコントロールされ、創面が安定することで、次の炎症期への移行準備が整います🔍

止血期において、血小板とフィブリンは中心的な役割を果たします。
これらは単に出血を止めるだけでなく、後の治癒過程を促進するための様々な物質も放出します。

:

  • : 損傷した血管内皮のコラーゲンに接触すると、血小板は形を変え、粘着性を増します

  • : ADP(アデノシン二リン酸)やトロンボキサンA2の作用により、血小板同士が集まります

  • : 血小板が収縮することで、血栓が強化されます

  • : PDGF(血小板由来成長因子)やTGF-β(形質転換成長因子β)などを放出し、後の治癒過程を促進します

:

  • : フィブリノーゲンがトロンビンによってフィブリンに変換され、網目状の構造を形成します

  • : 血小板凝集塊を補強し、安定した血栓を形成します

  • : 炎症細胞や線維芽細胞が移動するための足場となります

  • : 様々な成長因子を捕捉し、徐放的に放出する役割も担います

血小板とフィブリンの相互作用により、強固な止血栓が形成されるだけでなく、後の炎症期や増殖期に必要な環境が整えられます。
これは創傷治癒の連続性を支える重要な要素です🧩

凝血塊、いわゆる「かさぶた」の形成は、止血期の最終段階として重要です。
これは単なる保護層ではなく、創傷治癒を促進する生物学的ドレッシングとしての役割も果たします。

:

:

  • 内因系・外因系凝固経路が活性化される
  • トロンビンが生成され、フィブリノーゲンをフィブリンに変換する

:

  • フィブリン網が赤血球、白血球、血小板を捕捉する
  • 血漿タンパク質が混入し、血栓が強化される

:

  • 空気に触れた創面の血栓が乾燥し始める
  • 表層が硬化して凝血塊(かさぶた)となる

:

  • 創面を覆い、外部からの細菌侵入を防ぐバリアとなる
  • 創面の湿潤環境を維持し、細胞遊走を促進する
かさぶたの機能 臨床的意義
物理的バリア 細菌侵入の防止
湿潤環境の維持 上皮化の促進
成長因子の貯蔵庫 細胞増殖・分化の促進
創収縮の足場 創の縮小化を助ける

かさぶたは自然に形成され、治癒が進むにつれて自然に剥がれ落ちます。
看護ケアにおいては、かさぶたを無理に除去せず、自然な治癒過程を尊重することが重要です。
ただし、感染の徴候がある場合や、湿潤療法を選択する場合は別の対応が必要となります🛡️

創傷治癒過程の第1段階である止血期は短時間で完了しますが、その後の治癒過程の成功に大きく影響します。
適切なアセスメントと介入により、この重要な段階をサポートすることが看護師の役割です🌟

止血期に続く創傷治癒の第2段階は炎症期です。
この段階では、私たちの体は傷ついた組織を修復するための準備として、様々な防御細胞を動員します。
一見すると「悪化している」ように見える発赤や腫脹は、実は治癒に必要な正常な生体反応なのです。
炎症期では、好中球やマクロファージといった白血球が主役となり、細菌の排除や壊死組織の除去を行います。
看護師として創傷を観察する際には、この炎症反応を適切に評価することが重要です。
それでは炎症期の詳細について見ていきましょう🩹

炎症期は止血期の直後から始まり、通常は受傷後24時間から数日間続きます。
この期間は創傷治癒過程において非常に重要な役割を果たします。

:

  • 受傷後24時間以内: 好中球が創部に集積
  • 受傷後48〜72時間: マクロファージが主体となる
  • 受傷後3〜5日: 炎症のピーク
  • 受傷後5〜7日: 徐々に炎症が収束し、増殖期へ移行

:

臨床所見 生理学的意義 看護アセスメントのポイント
発赤(紅斑) 血管拡張による 感染との区別(正常な発赤は創縁に限局)
熱感 血流増加による 触診で評価(局所的か全身的か)
腫脹(浮腫) 血管透過性亢進による 程度と範囲を観察
疼痛 炎症性メディエーターによる 患者の訴えと表情を観察
機能障害 炎症による一時的な現象 関節可動域や日常生活への影響を評価

この時期の創部は赤みを帯び、温かく、腫れていることが特徴です。
これらの徴候は通常、感染がなければ徐々に軽減していきます。看護師は正常な炎症反応と感染徴候を区別できることが重要です🌡️

炎症期における主役は白血球、特に好中球とマクロファージです。
これらの細胞は創傷部位に集まり、それぞれ特有の役割を果たします。

:

  • : 受傷後数時間〜24時間以内に創部へ到達

  • :

    • 細菌の貪食(食菌作用)

    • 活性酸素種の放出による殺菌

    • プロテアーゼの分泌による壊死組織の分解

    • 炎症性サイトカインの放出

  • : 比較的短期間(1〜2日)で、役目を終えるとアポトーシスを起こす

:

  • : 受傷後48〜72時間後に主体となる

  • :

    • 好中球の残骸や壊死組織の除去(掃除係)

    • 細菌の貪食と抗原提示

    • 成長因子(PDGF、TGF-β、FGFなど)の分泌

    • 炎症から増殖期への移行を促進

  • : 長期間(数日〜数週間)創部に留まり、治癒過程全体に関与

好中球とマクロファージは単に「掃除」をするだけでなく、様々なサイトカインや成長因子を放出することで、次の増殖期への準備を整えます。
特にマクロファージは「指揮者」のような役割を果たし、創傷治癒の進行をコントロールしています🧪

炎症反応は、一見すると有害なように思えますが、実は創傷治癒において不可欠なプロセスです。
適切な炎症反応がなければ、創傷は適切に治癒しません。

:

  1. : 細菌感染から組織を守る

  2. : 壊死組織や異物を除去する

  3. : 増殖期への移行に必要なシグナルを提供する

  4. : 局所的な免疫反応を活性化する

:

観察項目 正常な炎症反応 異常な炎症反応(感染の可能性)
発赤の範囲 創縁に限局 創周囲に拡大
浮腫の程度 軽度〜中等度 高度、急速に拡大
疼痛の性質 軽度〜中等度、徐々に軽減 増強する、拍動性
滲出液の性状 漿液性〜漿液血性、少量〜中等量 膿性、悪臭を伴う、多量
全身症状 なし〜軽度 発熱、倦怠感、リンパ節腫脹

炎症反応が長期間持続したり、増強したりする場合は、感染や異物の存在、基礎疾患の影響などを考慮する必要があります。
慢性創傷では炎症期が遷延化することが特徴で、これが治癒の遅延につながります⚠️

看護師として創傷を観察する際には、炎症反応の程度と経過を注意深く評価し、正常な治癒過程から逸脱していないかを判断することが重要です。
適切な時期に適切な炎症反応が起こることが、次の増殖期へと順調に移行するための鍵となります💫

 

炎症期が収束すると、創傷治癒過程は次の重要な段階である増殖期へと移行します。
この段階では、損傷を受けた組織を実際に修復するための活発な細胞活動が始まります。
線維芽細胞が主役となり、新しい血管が形成され、上皮細胞が創面を覆っていきます。
まさに「再生」と「修復」がキーワードとなる時期です。
看護師として創傷管理を行う際には、この増殖期の特徴を理解し、適切な環境を整えることが治癒促進につながります。
それでは増殖期の詳細について見ていきましょう✨

増殖期は炎症期に続いて始まり、創傷治癒過程の中でも特に活発な組織再生が行われる時期です。
この時期には、創傷部位に新しい組織が形成されていきます。

:

  • 開始時期: 受傷後約3日目〜
  • ピーク時期: 受傷後5〜14日
  • 終了時期: 受傷後2〜3週間頃(創の大きさや状態により異なる)

:

現象 時期 臨床所見
肉芽組織形成 3〜10日目 赤色〜鮮紅色の粒状組織
血管新生 3日目〜 肉芽組織の赤みの増加
収縮 5〜14日目 創縁の引き寄せ
上皮化 3日目〜完了まで 創縁からの薄いピンク色の組織
コラーゲン合成 3日目〜数週間 組織の強度増加

この時期の創部は、赤みを帯びた肉芽組織で満たされ、徐々に創縁が中心に向かって引き寄せられていきます。
創面が湿潤で清潔に保たれていると、上皮化が促進されます。看護師は肉芽組織の色や性状、上皮化の進行を観察することが重要です🔍

増殖期の中心的な役割を担うのが線維芽細胞です。これらの細胞は創傷部位に遊走し、新しい組織の形成を主導します。

:

  • マクロファージから放出される成長因子(PDGF、TGF-β)に反応して活性化

  • 創傷部位へ遊走し、増殖する

  • コラーゲン、エラスチン、プロテオグリカンなどの細胞外マトリックスを産生

  • 創収縮に関わる筋線維芽細胞への分化

:

  1. 新生血管(毛細血管)

  2. 線維芽細胞

  3. コラーゲン線維

  4. 炎症細胞(主にマクロファージ)

  5. 細胞外マトリックス

:

  • 色調: 鮮紅色〜赤色(血管が豊富)

  • 表面: 湿潤で粒状(顆粒状)

  • 触感: やや柔らかく、容易に出血する

  • 痛覚: 通常は痛みを伴わない

肉芽組織は「創傷を埋める新しい組織」であり、二次治癒において特に重要です。
看護師は肉芽組織の色調や性状を観察し、健康な肉芽組織と不健康な肉芽組織(蒼白、暗赤色、過剰形成など)を区別できることが重要です🌈

増殖期において、血管新生と上皮化は創傷治癒の成功に不可欠なプロセスです。
これらは並行して進行し、互いに影響し合います。

:

  1. 低酸素環境が血管内皮増殖因子(VEGF)の産生を刺激
  2. 既存の血管から内皮細胞が遊走・増殖
  3. 内皮細胞が管腔を形成し、新しい毛細血管となる
  4. 新生血管のネットワークが形成され、組織への酸素・栄養供給が改善

:

  1. 創縁の基底細胞が活性化され、細胞間の接着が緩む
  2. 活性化された上皮細胞が創面に向かって遊走
  3. 遊走した細胞が増殖し、単層の上皮を形成
  4. 基底膜の再構築と上皮の成熟・分化が進行

:

  • 適切な湿潤環境
  • 十分な酸素供給
  • 感染のコントロール
  • 壊死組織の除去
  • 適切な栄養状態

上皮化は通常、創縁から中心に向かって進行します。
看護師は創縁に沿って形成される薄いピンク色の新生上皮組織を観察することで、上皮化の進行を評価できます。
上皮化が完了すると、創は閉鎖し、最終段階である成熟期へと移行します🌟

増殖期は創傷治癒過程の中でも特に活発な時期であり、適切な環境を整えることで治癒を促進できます。
看護師として創傷管理を行う際には、湿潤環境の維持、適切なドレッシング材の選択、感染予防などを通じて、この重要な段階をサポートすることが大切です💪

創傷治癒過程の最終段階である成熟期は、一見すると治癒が完了したように見える創傷でも、実は内部では活発な組織再構築が続いている重要な時期です。
この段階では、増殖期で形成された未熟なコラーゲン線維が再配列され、強度を増していきます。
看護師の皆さんが日々観察している瘢痕の変化も、この成熟期のプロセスによるものなんですよ。
患者さんへの説明や長期的なケア計画を立てる上で、この段階の理解は非常に重要です。それでは成熟期について詳しく見ていきましょう💫

成熟期は創傷治癒過程の中で最も長い期間を占める段階です。
上皮化が完了し、一見治癒したように見えても、内部では組織の強化と再構築が続いています。

Medical Skin Design.より画像引用

:

  • 開始時期: 上皮化完了後(通常は受傷後2〜3週間頃)
  • 継続期間: 6ヶ月〜2年(場合によってはそれ以上)
  • ピーク時期: 3〜6ヶ月頃(最も活発なリモデリングが行われる)

:

時期 瘢痕の外観 組織の特徴 臨床的意義
初期(1〜3ヶ月) 赤色・隆起・硬い・かゆみ コラーゲン過剰産生 瘢痕ケアの開始時期
中期(3〜6ヶ月) ピンク色・やや平坦化 活発なリモデリング 瘢痕管理の重要時期
後期(6ヶ月〜) 白色・柔軟化・平坦化 コラーゲン成熟 最終的な瘢痕の形成

この時期、皆さんが患者さんによく聞かれるのが「この傷跡はいつまで赤いですか?」という質問ではないでしょうか。
成熟期の時間的経過を理解していれば、「通常は6ヶ月程度で色が薄くなっていきますが、個人差があります」と根拠を持って説明できますね。
また、この時期の適切なケアが最終的な瘢痕の見た目や機能に大きく影響するため、患者さんへの指導も重要です🗓️

成熟期の中心となるのがコラーゲンの再構築(リモデリング)です。
増殖期で急いで作られた無秩序なコラーゲン線維が、より強固で機能的な構造に再編成されていきます。

:

  1. : マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)による古いコラーゲンの分解

  2. : 線維芽細胞による新しいコラーゲンの産生

  3. : 張力に沿ったコラーゲン線維の配向

  4. : コラーゲン線維間の結合強化

:

  • 増殖期のコラーゲン: 主にⅢ型(細く柔らかい)

  • 成熟期のコラーゲン: 主にⅠ型(太く強固)へ置換

  • 線維の配向: 無秩序な配列から、張力線に沿った平行配列へ

  • 組織強度: 徐々に増加(正常皮膚の約80%まで回復可能)

看護実践では、この時期に適切な圧迫療法や瘢痕マッサージを行うことで、コラーゲンの再構築を促し、より良い瘢痕形成を促進できることを覚えておくと良いでしょう。
特に熱傷や手術創のケアでは、この知識が非常に役立ちますよ。

成熟期の最終的な結果として形成されるのが瘢痕組織です。
瘢痕は単なる「傷跡」ではなく、生体の修復能力の証でもあります。しかし、その形成過程や最終的な状態は様々な要因に影響されます。

:

  • 創傷の深さと大きさ
  • 創傷部位の解剖学的特徴(関節部や可動部は瘢痕形成が顕著)
  • 創傷治癒の期間(長期化すると瘢痕が目立ちやすい)
  • 年齢(若年者ほど瘢痕形成が活発)
  • 遺伝的素因
  • 民族的特徴(色素沈着の差異)

:

特徴 正常瘢痕 肥厚性瘢痕 ケロイド
範囲 創傷範囲内 創傷範囲内 創傷範囲を超える
外観 平坦・柔軟 隆起・硬い 著しく隆起・硬い
症状 軽度/なし かゆみ・痛み 強いかゆみ・痛み
発生時期 創閉鎖後すぐ 創閉鎖後数週間 創閉鎖後数ヶ月も
経過 徐々に改善 ゆっくり改善 進行性・難治性

看護師として患者さんの瘢痕を観察する際は、単に「きれいか、きれいでないか」ではなく、正常な成熟過程なのか、それとも異常瘢痕の兆候があるのかを評価することが大切です。
早期に異常瘢痕の兆候を発見できれば、皮膚科や形成外科への紹介など、適切な介入につなげることができますね👀

成熟期は目に見える変化が緩やかなため、患者さんは「もう治らない」と誤解することもあります。
「瘢痕の成熟には時間がかかりますが、1年以上かけて徐々に改善していきますよ」と説明することで、患者さんの不安軽減にもつながります。
また、日焼け予防や保湿ケアなど、この時期に適した自己管理方法を指導することも、看護師の重要な役割ですね。

 

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