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吸引圧はなぜ20kPa?|新人看護師が理解すべき安全な理由と設定法

「吸引圧ってどうして20kPaなの…?先輩に聞かれても説明できる自信がない…」

「mmHg表示の吸引器しかなくて、どこを合わせれば20kPaになるのかわからない…」

この記事では

  • 20kPaが推奨される明確な理由
  • 吸引圧が高すぎると起こる身体リスク
  • kPaとmmHgの簡単な換算と現場での設定方法
  • 口腔・鼻腔・気管で吸引圧がどう違うか

が分かりますよ♪

結論👉

吸引圧が20kPa(150mmHg)とされるのは、気道粘膜を守りつつ痰を十分に吸引できる“安全圧”と研究・ガイドラインで示されているためです。

この記事では、新人看護師さんが「なぜ20kPaなのか?」を根拠から理解し、安全に吸引できるスキルを身につけられるようにやさしく解説します😊

吸引圧を20kPaにする理由とは?|新人看護師がまず理解すべき基本

吸引手技を学ぶときに必ず出てくるのが「吸引圧は20kPa(約150mmHg)に設定しましょう」というフレーズですよね😊

でも、「どうして20kPaなの?」「強めにかけたほうが痰が取れるんじゃないの?」とモヤモヤしている新人さんも多いです。

この章では、20kPaという吸引圧が推奨されている根拠と、吸引圧を上げすぎたときに起こるリスクを整理して、まずは「なぜその数値なのか?」をしっかり理解していきましょう🌸

20kPa(150mmHg)が推奨される根拠とは?

吸引圧20kPaは、なんとなく決められた数字ではなく、「痰をしっかり除去できる力」と「気道粘膜を傷つけにくい力」のバランスから導かれた値とされています。

イメージしやすいように、ポイントを整理してみましょう。

  • 痰を吸い上げるには、ある程度の陰圧(マイナスの圧力)が必要
  • しかし陰圧が強すぎると、気道粘膜が強く引きつけられて損傷・出血しやすくなる
  • 研究や臨床経験から、20kPa前後であれば痰を除去しつつ粘膜損傷をある程度抑えられるとされている
  • そのためガイドラインや教科書でも「20kPa(150mmHg)以下」が推奨されている

また、吸引圧は高ければ高いほど良いわけではなく、むしろ「必要以上に高くしないこと」が安全な吸引のコツです。

特に、高齢者や慢性呼吸器疾患のある患者さんは粘膜がもろくなっているため、20kPaよりさらに低めで調整することもあります。

なお、20kPaはmmHgに換算するとおよそ150mmHgになります(1kPa ≒ 7.5mmHg)

  • 20kPa × 7.5 ≒ 150mmHg

臨床ではmmHg表示の吸引器が多いので、「20kPa=150mmHg」というセットで覚えておくと、設定時に迷いにくくなりますよ😊

吸引圧 状態のイメージ 患者への影響
低すぎる(10kPa未満など) 陰圧が弱く、痰が十分に吸えない 痰が残り、無気肺・感染リスクが高まる
適切(20kPa前後) 痰を吸えるが、粘膜への負担は比較的少ない 必要な分だけ痰を除去し、気道の保護もしやすい
高すぎる(25〜30kPa以上) 強い陰圧で粘膜が吸いつけられやすい 粘膜損傷・出血・痛みが増えやすい

このように、20kPaという値は「ギリギリまで下げた安全側」ではなく、痰を除去する効果と安全性のバランスをとった実用的な基準とイメージすると理解しやすいです🩺

吸引圧 確認方法

吸引圧が高すぎると何が起こる?(身体的リスク)

では、もし吸引圧を20kPaより大きく設定してしまったら、どのようなリスクが出てくるのでしょうか。

ここでは、気道粘膜・呼吸・循環の3つの観点から整理します。

① 気道粘膜への影響(損傷・出血・疼痛)

陰圧が強すぎると、カテーテルの先端や側孔に気道粘膜が「吸い込まれる」ように引きつけられます。

  • 粘膜の表面が傷つき、点状出血やびらんが起こりやすくなる
  • 吸引のたびに痛みを感じ、患者さんが不快・苦痛を訴えやすくなる
  • 繰り返すことで、慢性的な炎症や浮腫につながる可能性がある

「最近、吸引のあとに痰に血が混じることが増えたな…」というときは、吸引圧が高すぎたり、吸引回数や時間が多すぎるサインかもしれません。

② 呼吸への影響(低酸素血症・無気肺)

吸引は、痰だけでなく気道内の空気も一緒に吸い出してしまいます。
そのため、吸引圧が高くて時間も長いと、以下のような影響が出やすくなります。

  • 吸引中に肺胞内の空気がどんどん引き出される
  • SpO₂が低下し、低酸素血症を起こしやすくなる
  • 一部の肺胞がつぶれ、無気肺のリスクが高まる

特に、酸素化が不安定な患者さんでは、吸引のたびにSpO₂の変化をしっかり観察し、吸引圧・吸引時間・回数を必要最小限にすることがとても大切です。

③ 循環への影響(迷走神経反射・血圧変動)

強い刺激を気道に与えると、迷走神経が刺激されて心拍や血圧に影響が出ることがあります。

  • 徐脈(脈が遅くなる)
  • 血圧低下
  • まれに、不整脈が出現することもある

吸引中に顔色が急に悪くなったり、モニターの心拍数が急に低下した場合は、ただちに吸引を中止して患者さんの状態を評価する必要があります。

影響部位 吸引圧が高すぎると起こりやすいこと 観察のポイント
気道粘膜 粘膜損傷・出血・痛み 痰への血液混入、吸引時の表情・しぐさ
呼吸 低酸素血症・無気肺 SpO₂の低下、呼吸数・呼吸パターンの変化
循環 徐脈・血圧低下・不整脈 心拍数・血圧・心電図モニター

このように、吸引圧を高くしすぎると「痰がよく取れるから安心」どころか、粘膜損傷や低酸素、循環変動などのリスクが一気に高まることがわかります。

だからこそ、20kPa前後の適切な吸引圧を守ることが、患者さんを守るうえでとても重要なんですね🩺

キャラ

「しっかり痰を取りたい…!」という気持ちから、つい吸引圧を高めたくなることもありますよね。
ただ、吸引は「強さ」よりも「適切さ」が大事です。
20kPaという数字の意味が分かると、「これ以上は危ないかも」とブレーキをかけられるようになりますよ😊

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吸引部位によって吸引圧は変わる?|口腔・鼻腔・気管で比較

吸引と一言でいっても、どの部位を吸引するかによって適切な吸引圧は変わります。

新人さんがつまずきやすいポイントが、「どこを吸うときも20kPaでいいの?」という疑問。
実は、口腔や鼻腔は粘膜がとても繊細で、気管吸引とはリスクの種類も異なります。

この章では、部位ごとの推奨吸引圧と、その理由をしっかり整理していきましょう😊

口腔・鼻腔吸引の適切な吸引圧と理由

口腔・鼻腔の粘膜はとてもやわらかく、外からの刺激に弱い部位です。
そのため、吸引圧は基本的に20kPa(150mmHg)以下に設定します。

理由は以下の通りです。

  • 粘膜が薄く、陰圧が強いとすぐに出血しやすい
  • 側孔に粘膜が引き込まれる“吸いつき”が起こりやすい
  • 高齢者や脱水状態の患者は粘膜がさらに脆い
  • 不必要に強い圧だと痛みや不快感が強く、拒否につながる

特に、鼻腔は毛細血管が多く、少しの刺激でも鼻血が出やすいため慎重な設定が必要です。鼻腔吸引は15〜20kPaから始め、患者の反応を見ながら調整します。

また、小児の場合は粘膜が非常にデリケートなため、10〜15kPaで設定するのが一般的です。

気管吸引では吸引圧はどう変わる?

気管吸引は口腔・鼻腔吸引よりも深い位置を吸引するため、粘膜損傷・低酸素などのリスクが大きく、適切な陰圧設定がとても重要です。

成人の場合

  • 推奨吸引圧:20kPa前後(150mmHg前後)
  • 痰の粘度や量が多い場合でも、20kPaを超える設定は原則推奨されない

「痰が固くてなかなか吸えないから、もっと強くした方がいいのでは?」と思うこともありますが、圧をむやみに上げると粘膜損傷・出血につながります。

痰が吸えないときは、圧を上げるより加湿や体位排痰などのケアを優先しましょう。

小児の場合

  • 推奨吸引圧:10〜15kPa(75〜112mmHg)
  • 気管壁が薄く損傷しやすいため、低圧で慎重に行う

小児は気道径が細く、少しの刺激でも換気への影響が大きいことから、成人と同じ圧力で吸引するのは禁忌です。

吸引部位別の設定値を表で比較

部位別に推奨吸引圧をまとめると、次のようになります。

吸引部位 推奨吸引圧 理由
口腔 15〜20kPa(112〜150mmHg) 粘膜が薄く、刺激に弱い。安全側での設定が必要。
鼻腔 15〜20kPa(112〜150mmHg) 毛細血管が多く出血しやすい。低めから開始する。
気管(成人) 20kPa前後(150mmHg前後) 痰を除去しつつ粘膜損傷リスクを抑える最適圧。
気管(小児) 10〜15kPa(75〜112mmHg) 気道が細く脆弱なため、強い陰圧は禁忌。

このように、吸引圧は「全部20kPaでOK」というわけではなく、部位ごとに適切な強さを選ぶ必要があることが分かります。

特に、鼻腔や気管の吸引は、わずかな圧の違いでも患者さんの負担が大きく変わります。
吸引前に必ず「患者さんの粘膜の状態」「出血の有無」「呼吸状態」を確認し、必要に応じて圧を調整する習慣をつけましょう🩺

キャラ

吸引圧は「上げれば痰が取れる」というものではなく、患者さんを守るために“あえて上げない”技術でもあります。
迷ったときは、安全側の設定から始めるのがポイントですよ😊

✅まとめ|この記事で学べる吸引圧20kPaのポイント

この記事のまとめポイント

この記事での再重要部位👉

  • 吸引圧20kPaは「痰を取れる+粘膜を守る」のバランス値
  • 強すぎる吸引圧は粘膜損傷・低酸素・循環変動のリスク
  • kPaとmmHgは必ず換算できるようにしよう(20kPa=150mmHg)
  • 口腔・鼻腔・気管で推奨吸引圧は異なることを理解する

ワンポイントアドバイス

キャラ

吸引は「力強さ」ではなく“適切な強さと短い時間”がとても大切なんです😊
20kPaの意味を理解できると、患者さんにとって最も負担の少ない吸引ができるようになります。
今日の内容は新人さんが最初に必ずぶつかるポイントなので、焦らず一つずつ身につけていきましょうね🩺✨
<参考・引用>
根拠が分かる看護義塾
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