
看護師に限らず悩みは尽きませんが、看護師ならではの悩みも数多くあります。
命を預かる責任の重さや夜勤やシフトの重労働など、現場で辛いと感じ悩みになることはたくさんありますよね。
仕事で限界だと感じ、もう無理だという悩みを抱えている看護師もいらっしゃるはずです。
こうした精神状態が続くと、集中して働けない、意欲が低下してしまったり、体調に影響が出ることも考えられます。
悩みを解消することでこうした状況を避けられるはずなので、現状を変えたい、悩みを解消したい方はぜひ最後までお読みください。
今回この記事では、
・看護師が抱えてしまうよくある悩み
・悩みを解消するための具体的な方法
などを知ることができます。
ブックマークをしていつでも見返せるようにしておきましょう!
看護師の悩み
悩みと言っても種類はさまざまです。
自分発信で辛いと感じ悩むこと、悩みの原因が職場にある場合もありますね。
自分以外にも同じ悩みを抱えている人がいると励みになることもあるのでいくつか悩みをご紹介していきます。
給料が低い
看護師は決して給料が低い仕事ではありませんが、低いと感じてしまう要因はいくつか挙げられるようです。
病棟内で患者さんの食事や排泄・入浴介助、体位変換や移送といった力仕事や立ち仕事が多く、一般的なデスクワークと比較すると、重労働で身体的な負荷が大きくなります。
カルテの作成などのデスクワークもありますが、比率を考えると体力勝負になる場面が圧倒的です。
さらに、昇給率が高くないことも理由の1つでしょう。
若手は他の職種と比較して高めになっていますが、昇給率は低く、給料の上がり幅はあまり高くない傾向です。
年数を重ねるごとに業務量も増え、体力的負担も増えるにも関わらず昇給率が低く、給料が見合っていないと感じるようです。
また、引き継ぎのために、定時よりも早く出勤する前残業やカルテや資料作成などのための残業も珍しくありません。
法律上これらの残業代は、請求できるものですが、暗黙の了解で請求してはならない風潮があるため、給料が低いと感じるのは当然です。
ライフステージの変化
結婚や妊娠などといったライフステージの変化に合わせた働き方が難しい場合が多いことも悩みとして大きな割合を占めるでしょう。
実力があり、働きたいと思っていても退職せざるを得ない看護師もいます。
夜勤が必須になっている職場では、子育てをしている看護師は働くのが難しく、日勤のみで働けるクリニックなどに転職することが多くなっています。
もしくは日勤のみのパートとして職場を変えずに勤務する方もいます。
こうした状況も看護師不足が解消されない原因の一つとされていて、働き方の改善を求める声も集まってきています。
また、業務時間外の勉強が必要なことも多いため時間が取れないこともライフステージの変化が起きると生じます。
大きな病院では研修や勉強会が頻繁にあり、実施時間は業務時間外ということも多いので、負担になる場合も多いようです。
もちろん、医療は日々進化しているので、勉強をし続けないと業務に支障が出てしまう可能性があるので、業務時間外の勉強は必要なってしまうことです。
ただ、生活スタイルが変化することで時間の使い方が変わるので、時間外に自分の時間を持つことが難しくなることもあり、新たな生活とキャリアアップの間で悩み方も多いようです。
そのため、結婚・出産から復帰しやすい環境を作ることも重要視され、都道府県に設置されているナースセンターでは復職セミナーや実技講習が行われています。
ブランクがありついていけるか心配、スキルが落ちているかもしれないと不安に感じる方も職場復帰がしやすい環境になりつつあります。
人間関係
男性看護師も増えつつあるとは言いますが、まだまだ看護師全体に占める女性看護師の割合は厚生労働省令和4年衛生行政報告例によると約9割とほぼ女性です。
そのため、結婚による退職をはじめ、妊娠や出産、子育てによる急な業務変更が必要になる場面もあります。
突発的に職場を辞めてしまう、休むことになってしまうスタッフが生じるので、個人のライフイベントが職場の人間関係にまで影響してしまうことも。
人員配置でまかなえず、人が足りなくなった場合には、新たな人員が補充されるケースがほとんどです。
ただ、これまでの雰囲気やペースが変わるので、ギスギスした空気感になることや不満を抱く人も少なくないようです。
他にも、総合病院などでは診療科ごとに業務内容が全く異なり、所属科に関する仕事内容を覚えることで手いっぱいで、他の科の動向にまでは配慮がしにくくなってしまうことがあります。
ベテラン看護師や年長者が独裁的な振る舞いをして、人間関係が固定されてしまうことも多いようです。
そうなると、入ってから間もない新人看護師に対して、横柄な態度を取ったり、偉そうに指図することが多く、その結果として人間関係がギスギスしてしまっています。
慣れない環境は緊張してしまうもの。
その段階で、些細なミスに対して必要以上にきつい言葉で注意されてしまえば不快感を感じるのは当然のことです。
また、看護業界に限らず業務に慣れている中堅、ベテランが、スタッフや患者の悪口を言って楽しんでいるような場合があったり、悪質な場合は本人にも聞こえるようなボリュームでわざと悪口を言うケースもあるようです。
自分自身は悪口に参加しないように気を付けましょう。
長時間労働
看護師の拘束時間が長い理由の一つはやはり夜勤の存在でしょう。
そのため、平均以上の給料をもらっていても、時給換算したらそれほど多くはないこともざらですし、むしろ計算してみたら他業種よりも安いなんてことも大いにあり得ます。
一般的に2交代制の夜勤がある場合は、勤務時間が16時間を超えることがよくあります。
前シフトからの申し送りがあることも多いため、本来の業務開始より早めに出勤することも少なくありません。
さらに、夜勤終了後に残業が必要なこともあり、16時間を超える勤務となってしまうのです。
加えて、医療機関は休日でも完全に閉めるわけにはいかないため、休日出勤が多いのも現実で、休む時間がほとんどとれずに、生活リズムに影響が出て体調を崩すことも珍しくありません。
命を預かりミスが許されない現場で働き続けるストレスは、想像以上に大きなものでしょう。
悩みの解消方法
悩みの解消には、周りの人に相談したり、心と体を休めたり、好きなことをしてみたりとさまざまです。
あくまでも自分が少しでも楽になれる方法で解消することをおすすめします。
相談する
タイミングを見計らって上司や同僚へ相談することも解決方法の一つです。
内容によっては、部署異動や休職といった対応を取ってもらえる可能性もあるでしょう。
常に忙しい職場のため、話しかけるのに気を遣うこともあるかもしれませんが、相談できずに抱え込むことを避けるためにも早めに相談しましょう。
職場の女子や同僚に話すことが内容的に、タイミング的に難しい場合は友人や信頼できる人に話を聞いてもらうことで悩みが軽くなることもあります。
職場から距離の取れた関係性の人に悩みを吐き出すことで、職場の人には話しにくい本音も言いやすくなるのではないでしょうか。
心にあるマイナスな気持ちを話すことで昇華できることも多いので、話したい相手の助教も踏まえながら話してみましょう。
性格的に真面目な人ほど悩みや辛さをひとりで抱え込み我慢してしまうものです。
自分だけで抱え込んでしまうと、強いストレスやプレッシャーは解消されません。
良くない方向に考えてしまったり、うつや体調不良などを引き起こす原因にもなり得ます。
上司や同僚、さらには友人などにも話せない内容の場合には、専門の相談先へ話をすることも大切です。
カウンセラーや、法律の知識をもった専門家に話をしてみれば、心の重荷が取れて楽になれるかもしれません。
解決までは至らなくても、話すだけで状況の変化や環境を立て直せるかもしれません。
専門家であれば、秘密は厳守してくれますし、第三者目線から解決策を提案してくれるかもしれません。
悩みに些細も大きいもないので、悩みの種類によって、解決の手段や落ち着かせる方法などのアドバイスがもらえるはずです。
できていることを振り返る
過去の自分を褒めてあげることで心が軽くなることがあります。
スキル面で至らないことがあり落ち込むとき、誰かと自分を比べて落ちこむのはあまり意味のないことでしょう。
劣等感を持って比較してもいいことはあまりないという意味で、落ち込んでいないときはライバル心として張り合いが出てくることもあるので、あくまで落ち込んでいるときに比べないほうが良いと捉えてください。
気持ちが落ち込むときは、過去の自分を見つめて、比較して見るほうがいいかもしれません。
年数は覆せないものですが、技術や知識は努力次第で磨くことができます。
今より経験を積むことで、過去の自分を越えていくことが可能です。
どうしてもマイナスな考えや悩みが解消しない場合は、悩みを書き出してみてできていることや客観的に悩みを見ることが有効かもしれません。
悩みや不安を図に書いて客観的に分析してみると、悩みが頭の中が整理されて、感情だけに囚われない感じ方ができるはずです。
はたまた大した事ではなかったと気付くことができたり、進む方向性が見えてくる、落ち着いて事実を受け止められるなんてことが起きる可能性もあります。
また、患者さんからの言葉を励みにすることも大切です。
「いつもありがとう」
「手際がいい」
「いつも笑顔で元気をもらえる」
「おかげさまで元気になった」
「頼りになる」
などの言葉が自分では気付かぬうちに支えになっていることもあります。
一度休む
無理をせず一度休みを取って仕事から意識を遠ざけることも解決法の一つです。
心身の状態によっては、物事を考える余裕がなくなってしまうことも。
そんな時は、思い切って一度リラックスする時間を設けましょう。
仕事から離れてみることで気付くこともありますし、今後の働き方を見直すきっかけになることもあります。
特に人間関係でも悩みは、職場から離れることで気持ちを落ち着けることもできる悩みなので、有効なケースが多いです。
職場から離れている間に趣味や好きなことを見つけて没頭してみるのもいいかもしれません。
仕事と関係ないことに夢中になることで悩みの存在を忘れることができ、不安がなくなります。
気持ちが整い、悩みに立ち向かう気力が戻ってくることも期待したいところです。
趣味がない人は趣味を探してみる時間に充てるのもいいですね。
お休みする期間は、数日、数週間、長期の休職など自分の状況によって選択してくださいね。
掲示板で相談
同じような悩みを持つ人が集まる掲示板で相談してみるものいいかもしれません。
仕事の質問から転職や人間関係の悩みに対して、同じ境遇、過去に同じ境遇になったことがあるなどさまざまな立場からアドバイスや反応がもらえます。
匿名なので、思い切ったことも相談できるので安心です。
解決したい悩みや相談したい内容によって使用する掲示板を使い分けるのもいいかもしれませんね。
おすすめサイト
掲示板の種類は多く、さまざまなカテゴリーの掲示板があります。
他の人に素性を知られることなく、悩みを安心して相談できるのも掲示板ならではの良さです。
寄り添った回答やアドバイスも多く、匿名であることにより、ユーザーは本音を投稿しやすいのも掲示板ならでは。
経験談などからのアドバイス受けることで「自分だけではないんだ」と思えるのではないでしょうか。
中でも多様な悩みが集まる3つのサイトをご紹介します。
ナース専科
看護・ケア、フリートーク、職場、給与・待遇、キャリア・転職、新人ナースの6つのカテゴリーに分かれている掲示板です。
閲覧方法は更新順、新着順、人気順の3つで、ジャンルで見ることで同じ悩みなども検索しやすいですね。
看護・ケアは、技術面の相談や専門的な仕事だからこそ、難しさを感じたときに同業の人に相談したい内容が多くあります。
薬の投与の順番についてや〇〇が苦手といった悩みが相談されています。
フリートークの場合は、こんな体験をしたけど私だけなのかなどの悩みに対して共感やアドバイスをする内容が多い印象です。
家庭と関連する悩みもこちらのカテゴリーで、子どもと仕事の間で起こるあれこれが投稿されています。
そんな悩みには先輩看護師がズバッと回答することも見受けられます。
他にも、理不尽なことを言われた、されたをはじめ、職場の人と合わない、口調がキツイ人がいるなども悩みとして挙げられます。
正社員とパートの差を嘆くもの、医師に対しての愚痴、働きやすい職場とはなにかを問うものまでさまざまです。
もちろん、給料が安い、昇給に関する悩みも多いです。
残業代が払われない、夜勤手当が不十分やキャリアアップして給料をあげるためには転職しかないかという具体的なものまで。
悩みに対して、共感・解決・アドバイスがもらえる掲示板です。
看護roo!
5つのカテゴリーに分かれていて、そのうち4つは新人ナース、2年目ナース、3年目ナース、看護学生と年代別になっています。
同年代の悩みや意見を聞けることをテーマに分けられているんだそうです。
残りのカテゴリーはフリートークです。
他の掲示板より、同年代に悩みを吐き出しやすいのが特徴です。
3年目までのカテゴライズになっているので、比較的若手の看護師におすすめしたいサイトとなっています。
病床経験3か月で転職する方法はあるかや独り立ちする自信がないといった歴の浅い看護師ならではの悩みが多く掲載されています。
新人ではない2年目は表立って聞けない技術面のことも悩みとして掲載されています。
新人より一歩踏み込んだ器具の使用法や症例についての話も増えてくる印象です。
3年目となると、キャリアに関する悩みが多くなります。
いわゆる転職するべきか、ライフステージの変化に伴う働き方についての悩みが投稿されています。
また、後輩への指導に悩む声、上司と後輩の間に立つ苦労など中間の立場になってくるゆえの悩みがあるようです。
看護学生からの質問に対しては、答える側になりますね。
学生の悩みの中には、背筋が伸びる悩みもあるかもしれません。
自分の過去を振り返るチャンスでもありますし、頭の中を整理できることもあるでしょう。
自分もこうだったな、こんな悩み持っていたなとノスタルジックな気持ちになる悩みを目にできます。
自分の年代と近い悩みを共有できるのが看護goo!の特徴で、比較的若い相談者が多いですが、アドバイスの投稿はベテラン看護師も多く結果として幅広い層の利用があることがわかります。
まず、どんな悩みが投稿されているか参考にしてみたい人はぜひ覗いてみてくださいね。
カンゴトーク
カテゴリーはこれまでの2つより大きく分けられています。
珍しいものだとアンケートのカテゴリーです。
育休明けどうするか、転職で苦労したことなど真面目なものから、バラエティに富んだ内容も多くあります。
手あれがひどいのでおすすめのハンドクリームが知りたい、休憩中何しているかなどクスッと笑える投稿があるのもアンケート機能ならではです。
自分自身が聞かれたけれど、自分の経験では解決できないという場合にも掲示板が活躍している例です。
同じ悩みを持つ看護師や自分の経験談を話してくれるなどの回答がありました。
それでも解決しないなら転職も視野に
相談しても変化がない、リフレッシュしてみたけど変わらないなど現状に変化がないのであれば、転職をして新しい環境に身を置くという方法もあります。
職場を変えることで現在の悩みから解放されるケースも多いので、一つの方法として視野に入れておくのがおすすめです。
転職活動は、事前の準備や面接対策、転職エージェントを利用するのであれば、どのエージェントにするか選ぶことも重要な活動です。
勢いで退職してから転職活動をすることはできれば避けたいところです。
在職中に計画的に進め、後悔のないように次の職場を決めることが大切です。
特に、転職先の条件に人間関係が良好さを優先度高く望むのであれば、内部事情は念入りにチェックしたほうが良さそうです。
他にも、給料面、待遇面も求人票からだけでは判断できないことが多くあります。
自分の目で見極めることは重要になるので、職場見学や口コミ、面接時の質問のタイミングで聞くなど、就職してからこんなはずではなかったとならない職場選びにつなげましょう。
転職の成功例
前職では同い年の看護師がいなかった5年目のAさんは、転居に伴い東北から関西へ転職しました。
年齢が近いスタッフの有無が気になっていたが、同じ年の看護師が3人いる病院への就職を決めた。
結果として、相談しやすい職場への転職となりました。
激務の果てにうつ病になり、長期療養が必要になってしまった国立病院の急性期病棟で4年間働いていたBさん。
頼まれたことや提案にNOと言えない性格がゆえに、アドバイザーの意見も全て肯定していました。
寄り添ったアドバイスで無理をしなくてもいいと次第に思え、結果として看護師のキャリアを活かせる別の職場に転職することができました。
まとめ
仕事の悩みは人それぞれです。
歴も違えば、歩んできた道も異なります。
人間関係も自身の立場によって、先輩との関係なのか、上司と上手くやれないのか、はたまた後輩との関わり方なのか変わります。
悩みを一人で抱えることは苦しいですし、視野も狭くなり、解決できる幅も狭くなるのでおすすめできません。
中には努力をしても解決しないこともありますので、そんな時は無理をせず休んだり、誰かに話してみたり、環境を変えてみてはいかがでしょうか。