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看護師の給料と学歴の関係|大卒・専門卒で給料が変わる?大卒と専門卒のキャリアの違いを解説

厚生労働省が発表している令和元年賃金構造基本統計調査によると、看護師の平均月収は33万4400円、賞与は81万6300円となっており、そこから算出される看護師の年収は約483万円です。
一般企業の給料と比較しても多めにもらえる傾向にあります。

また、看護師は景気にも就職が左右されにくく安定した職業でもあります。
看護師になるには、大学や専門学校に通って卒業し、国家資格の受験資格を得る必要があります。

では、大学と専門学校で給与に差は出るのでしょうか。
実際には、看護師大学を卒業している方が、一般教養やマネジメント系の授業が評価されると、給与に反映され給与が若干高くなることが多いようです。

今回この記事では、
・給与に差が出る理由やキャリアパスの違い
・専門学校と大学のどちらに通うのが良いのか

などを解説します。

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パソコンを使用するパンダ

大卒と専門卒、実際どんなところが違う?

看護師になるためには、大学や専門学校に通います。
学習時間、学習内容に違いがあり、その後のキャリアプランにも差が出てくるでしょう。

看護師になるまでの道のり

大学と専門学校に通い、国家試験を受験することが看護師になるために必要な道のりです。

大学と専門学校の学習内容や学習時間の違いです。

項目 大学 専門学校
修業年限 4年 3年または4年
必要な単位数 124単位以上(学校により異なる) 102~111単位(課程により異なる)
取得できる学位 学士(看護学) 専門士(3年制)、高度専門士(4年制)
取得できる資格 看護師国家試験受験資格、保健師・助産師受験資格(カリキュラムによる)第一種衛生管理者・養護教諭二種免許状(保健師資格取得後本人申請) 看護師国家試験受験資格、保健師・助産師受験資格(4年制または養成校進学後)

 

あくまで一例としての記載ですが、取得できる資格の範囲が異なり、学習時間にも違いがありますね。
大学自体の目的に「専門的な学問を修めること」があります。
そのため、看護系大学では、看護師の資格取得に必要な学習だけでなく、看護学を体系づけて学ぶためのカリキュラムが組まれていることが多いです。
なので、取得できる資格の種類も多くなりますし、高度な論理的思考や的確な問題解決力も身につけることができます。

一方、看護師資格取得のために必要な知識や技術を最短で身につけられるのが専門学校です。
そのため、1年生から実習などの現場教育が用意されており、学習時間の約1/3が実習という現場での経験を重視するカリキュラムが多くなっています。
早く現場に出て経験を積みたい、看護師として早く独り立ちがしたいと考える方にはぴったりです。

大学、専門学校ともにメリットはあるので、以下の表で確認してみましょう。

項目 大学 専門学校
大学院に進学できる 可能 不可能
給料が高い傾向である 高い傾向 大卒に比べるとやや低い傾向
就職に有利なケースがある 大学病院や研究機関などで有利 地域医療機関で有利
キャリアの幅が広がる 広い 限定的
現場に早く出られる 4年後 3年後
臨床能力を高められる 理論的学習が中心 実践的学習が中心

看護師より一言🌸

現場に出てしまえば、卒業した学校の種類はあまり重要視されませんが、大きな病院などの役職に就く場合には、卒業学校が影響する可能性があります。
給与に関しては役職のない人は月に数千円変わるか変わらないかという微妙な差です。

就職先の傾向や選択肢に差はある?

業務自体に大卒と専門卒で大きな差はありませんが、就職自体は大卒の方が有利になる場合もあります。

【大卒と専門卒の違い】
大卒看護師の場合
①専門卒看護師よりも幅広い知識やスキルを持つと認められやすく、キャリアアップにつながるチャンスが多い。
②海外で看護師として働く場合に有利な場合がある
③大学で行っていた研究や活動が職場で評価された場合に、新たな仕事に携わる機会を得られる

専門卒看護師の場合
①大学卒の看護師よりも実践経験が豊富ですぐにでも看護師として働き始められる

大卒に期待されることと専門卒に期待されることが異なるため、どちらが良いかはそれぞれの判断基準によるでしょう。
そのため、就職先にもあまり差はなく、病院やクリニックに就職することがどちらも一般的です。

ただ、大卒の看護師は給与面でも優遇されていることは事実です。
大卒の看護師の初任給は、専門卒の看護師とくらべて平均で6,000円〜8,000円ほど上回っています。(日本看護協会)
また、病院によっては、大卒では「学士」が取得できますが、専門卒では「専門士」になり、学歴に違いがあることから、就職後の出世やキャリアなどに学歴が考慮される可能性もあります。
その点では、大卒看護師の方が昇進や給与UPには有利になることも。

一方、看護技術に関する授業をメインに行う専門卒の看護師は、現場になじみやすく順応しやすく、経験年数が浅くても臨床能力が高いことが特徴です。

大卒看護師と専門卒看護師の給料の違い

一般的に、学習時間の長さや専門性の高さなどを評価して大学卒の看護師の方が給与が高くなる傾向にあります。
ただ、病院以外では給与に差がない職場もあるので、一概に大学卒が高いとも言えません。

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大卒と専門卒で年収は約10万円違うって本当?

日本看護協会によると、大卒と専門卒の看護師の初任給や年収には、最大で約10万円の差があり、大卒の初年度の平均年収は約374万円、専門卒は約364万円です。

業種や企業の規模によっても差額は異なりますが、給料に差が出る要因として、就学期間の差が大きく影響していると言われています。
専門学校より1年長い大学での学びは、より高度で専門的な知識を提供できると考えられているためです。

大卒の方が昇給ペースが早い?

そもそも昇給(診療報酬改定)は通常2年に一度のペースで行われ、賃金ベースアップのため、厚生労働省は、2024年度は+2.5%、2025年度には+2.0%のベースアップを目標に掲げています。

大卒の看護師の昇給ペースは、一般的に毎年4,000〜5,000円程度で、この金額は専門卒の看護師も同じです。
基本給は年齢や経験を積むことで向上していきますが、大卒看護師は、同じ業務量をこなしていても昇給のペースが速く、毎月の給料が多くなり、給与面で有利に働く傾向があります。
その理由は、看護の知識・技術はもちろんのこと、幅広く看護に関連する分野の知識やスキルも習得していると認められやすく、さまざまな可能性を広げることができると判断されやすいことが影響しています。
就職後の活躍だけでなく、大学時代の実績も例外ではありません。
執筆した研究論文が学術誌に掲載されたことや看護の実践研究に一員として携わり研究発表会に参加したなどの経験が評価されることも。
大学時代の活動によって仕事の機会も広がり、収入アップにつながることもあるといいます。

こうした給与事情が影響しているのか大卒看護師の方が年々増えつつあるのも事実です。
大卒看護師の合格者数は2008年には8,918人でしたが、2022年には23,040人と、実に約2.6倍に増えています。(厚生労働省「国家試験合格発表」)
合格人数が増えるにつれて4年制の大学も増えていき、1991年には11校しかなかった看護系大学が、2020年には274校にまで増加しています。(日本看護協会)

病院以外ではあまり差がないこともある

病院では大卒と専門卒の間に年収差があるところが多いのは事実です。
ですが、それ以外の職場では、大卒も専門卒も年収差が少ないかまったくないパターンもあります。
美容クリニックで勤務した場合だと、学歴にフォーカスされず、お客さまからどれだけ指名してもらえたり、リピートして来てもらえるか、商品の売上に貢献できているかといった営業面での評価基準が設けられていることが多くあります。
そのため、病院以外の職場では、横一線の評価として給与に差が出にくく、むしろ実力主義で成果を出した分だけ給与やインセンティブで還元される職場も。
こうした職場を選ぶことで、大卒看護師と専門卒看護師の給与差が気になる方も安心です。

大卒と専門卒どちらが良いのか

困っている看護師のイラスト

どちらにもメリットとデメリットがあり
・給与の高さや昇給ペース
・キャリアアップのしやすさ
などに影響が出てくる可能性があります。

大学では、看護師になるための知識や技術だけでなく、幅広いジャンルの学問に触れて学べることがメリットと言えるでしょう。
その先で興味を持った特定分野の研究をすることもできたり、大学院への進学も可能です。 大卒の場合、看護師以外の就職先も検討できることもメリットといえますね。

大卒のメリット

専門卒の看護師に比べて
・給与が高い
・学歴で就職先の制限を受けにくい
・キャリアアップしやすい
ことがメリットになるでしょう。

専門卒より給料が高い傾向にある

病院に勤める場合には大卒看護師は専門学校を卒業した看護師より給与が高いだけでなく、長く勤めれば勤めるほど生涯年収の差が開いていきます。
専門学校はいかに現場で即戦力になる看護師として成長できるかに重きを置きます。
一方、大学は医療従事者として、幅広い知識を吸収し人間力を磨くこともカリキュラムの一つに組まれていることも少なくありません。
医療に対して幅広く勉強することができるのが、大学を卒業するメリットであり、給与に反映していきます。

こうしたカリキュラムや学びを経て、論理的な思考力を備えた人間力のある看護師として活躍することができます。

学歴での応募制限がない

大学病院や大規模病院での勤務を考えている方は間違いなく大学を卒業することをおすすめします。
専門学校でも大学病院などへ就職できないわけではありませんが、狭き門となる可能性が高く、大学を卒業しておく方が選考が有利に進むことが多いです。

また、看護の研究など臨床で直接看護をするのではなく、研究者として臨床を支える道を選ぶことも大卒看護師にしかできないことであるため大きなメリットと言えるでしょう。
研究室によっては、研究内容が看護の枠を超えることも多々あり、医療全体をサポートできます。
本来は大学院で博士課程まで修了することが一般的ですが、修士課程のみでも研究職として活躍することもできます。
他にも、保健師や助産師、養護教諭などにもスムーズに転向できます。
看護系大学の多くは保健師や助産師、養護教諭の資格が取得できるコースを設けているため、看護師に加え、保健師と助産師の2つの国家資格も取得可能で、養護教諭2種の申請をすれば、4つの資格を取得できるので、卒業後の進路の幅も広げることができます。

選べる職種の幅が広く、就職において有利にことを運べることは大きなメリットになりそうです。

キャリアアップしやすい

キャリアアップしたいと考えたときには、専門卒よりも大卒の看護師の方が有利になる傾向があります。
看護師の資格や経験を活かしてキャリアチェンジをしたり、起業をしたりするときも、専門卒より大卒の方がキャリアを認めてもらいやすいというメリットがあります。

専門看護師へのキャリアチェンジを考える場合、大学院への進学が必要になります。
大卒であればすでに入学基準を満たしているため、専門卒の看護師より時間をかけずに専門看護師資格を取得することができます。

大卒看護師は、臨床にでてからすぐ専門・認定看護師資格の両方を目標にあげることができ、そこに向かって、どのような経験を積み、どのような職務についていくのかなどのキャリアパスを考えることができます。

専門卒のメリット

専門卒の看護師のメリットはなにより現場との距離の近さでしょう。
現場になじみやすい、順応力や臨床能力が高いと評価されることも多いのが専門卒の看護師です。

専門学校自体は
・大学より短期間で学べる
・学費の安さ
もメリットになりますね。

大学より短い期間で卒業できる

看護専門学校の多くは3年制です。
大学よりも1年早く卒業できるため、その分多くの現場実践を積むことができます。
「早く看護師になり、現場へ出たい」と思う方や「4年も通うのは長すぎる」と感じる方には大学と比べて短期間で卒業できる専門学校が合うでしょう。

卒業後、看護師として就職するプランをスムーズに立てられるので、現場を早く経験しながら、看護師としてのノウハウを学ぶことができるので、自己の成長にもつながります。

学費が安い

専門学校は、大学に比べ入学から卒業までにかかる学費がかなり安く、私立大学と比べると数百万円単位で安く済む場合もあります。
そのため、経済面を考えて専門学校を選ぶ人も少なくありません。

看護師を目指す専門学校の初年度納付金の平均は約102.4万円となり、在学期間を合計すると総額は約257.5万円となります。
初年度の費用が低いことと通学期間が3年と短いこともあり、全体のコストを軽減できることが大きな特徴です。

大学と比べると学費面で安く通える専門学校ですが、さらに負担を軽減できる奨学金制度もあります。

【日本学生支援機構の奨学金 】
● 幅広い学生が利用できる奨学金制度
● 給付型と貸与型の2つがある
● 学力と収入による審査必須

【都道府県や自治体の奨学金 】
● 看護学生を支援する地方自治体独自の奨学金
● 給付型が多く、貸与型の場合も利息が比較的低い
● 対象者や金額が自治体によってさまざま

【病院奨学金】
● 病院独自の奨学金
● 奨学金の返済が免除されるには、看護師免許取得後に貸与を受けた病院で一定期間就業する必要がある

金銭面に不安のある方は、進学と併せてこうした奨学金制度も検討してみると、より負担なく通うことができます。

現場経験が長くできる

授業内容は看護実習が多く、実践を通して看護を学べることが専門学校に通うメリットです。
そのため、病院に就職した直後からある程度の戦力として働くことができます。
現場のスタッフからも「てきぱきと働いてくれて助かる」と経験の浅さをカバーできていると評価され喜ばれるケースも。
そうしたケースが生まれるのは、基本的に看護師資格を取り、入職後にスムーズに看護業務を実践できるようなカリキュラムが組まれていることも大きく影響しているでしょう。

看護師としての実習が多いことで、実践的なスキルを学ぶことができるので、就職前に看護師として働く感覚を身につけることができます。
また、一般教養の授業が少ない代わりに、看護技術に関する授業がメインになっています。 看護師になるためのスキルの習得に集中しやすい点も、専門学校を選ぶメリットです。

キャリアパスの違い

看護師の専門卒と大卒における学歴の違いや、現場での経験による違いなどからキャリアパスに影響してくる場合があります。

そもそも、取得できる学位に違いがあります。
大卒では学士の学位を取得でき、専門卒では専門士の学位を取得します。
大学卒業以上の学歴を重視する就職先の場合には、専門卒の方が給料が低くなる可能性があります。

一方、現場での経験による違いに関しては、専門学校を卒業した看護師の方が有利になることも多くあります。
専門学校は看護技術に関する授業がメインであるため、専門卒の看護師は現場になじみやすく順応しやすく、臨床能力が高いことが評価される傾向にあるからです。

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管理職のなりやすさ

大卒であることが管理職に就く際に有利に働く場合があります。
もちろん、大卒でなければ管理職になれないという決まりはないので、専門卒の看護師でも管理職に進むことは可能です。

ただ、大学卒の場合には、大学院で指導者の育成に力を入れているため、管理職に抜擢されることもが生じるのです。
看護師の管理職の役職には、看護部長(総看護師長、看護師長、 看護主任などがありますが。、どちらの学校を卒業していたとしても、管理職に就くには、看護師としての実績を積むことが絶対条件です。

そのため、管理職に就く年齢の目安として、看護主任であれば30歳前後、看護師長は40歳前後、 看護部長なら50代以上と年齢がキャリアとして判断される傾向にあるため、若くして管理職になることはあまりありません。
大卒だからといって安心せずに実績を積む必要がありますし、専門卒でもキャリアを積むには十分な時間があります。
後輩の指導に力を入れる、委員活動を進める、マネジメントに関する研修を受講するなど現場経験以外の活動にも積極的に参加することで評価をあげることにつながり、管理職の道に進む大きな糧になってくれます。

そのため、勤務先である病院が研修を行う取り組みなど、スキルや能力向上のためのキャリアパスもあるので要チェックです。
管理職の前のステップとして、病棟内のリーダーなどを経験しながらステップアップしていくキャリアパスもあります。

転職のしやすさ

こちらも大卒の看護師の方が、専門卒の看護師よりも転職に有利な場合があります。
大卒であることが転職のメリットとして挙げられるのは、病院によっては応募条件を「大卒限定」としていることがあるためです。
他にも、専門知識が求められる研究機関や学校の職員、法人などでは大卒以上が条件のひとつである場合も多くあります。
そのため、大卒看護師は転職先の選択肢が多くなり、メリットといえます。
また、海外で看護師として働きたい場合にも、大卒を条件としている国が多いため、専門卒の人よりも就職活動がしやすく早く行動に移すことができます。

資格に関しても、大学で看護師と助産師のカリキュラムを修了すると、看護師国家試験と助産師国家試験のダブル受験が可能なため、就職先の選択肢を広げる材料になってくれます。

専門卒の看護師の場合、認定看護師の資格を取得すると、病院やクリニックなどで指導・相談役として働く選択肢が広がる可能性があります。
病院だけでなく、介護施設や訪問看護ステーションで働きたいと考えている方は、資格取得すると有利になります。
専門看護師や助産師などの資格を取っておくと、より専門的な分野で活躍できるようになるので、現場で活躍するための資格取得を目指すのも転職やキャリアを考える上で必要になるでしょう。

まとめ

「大卒の方が専門卒の看護師よりも給与が高くなる」
というのは病院勤務の場合には大枠で本当です。
しかし、大卒も専門卒も実際に働いてみると業務の差はほとんどないですし、学歴以外の部分である現場での頑張りを評価されたり、後輩の指導に力を入れていることなどが評価されることも多いです。

なので、看護師になるのに大卒と専門卒のどちらが良いかは、自分の考えるキャリアプランや経済的な事情などによって大きく異なります。
病院勤務にこだわり、加えて大手の病院や大学病院でキャリアを積むことを考えるなら大卒が有利でしょうし、早く現場で活躍することが目的であれば専門卒の看護師になるなどさまざまです。

経済面やキャリアプランを考えた上で、どちらの学校を出るかは考えたほうが良さそうです。

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