
こんにちは!看護師VTuberの白衣ゆいです。
私は「X」で2万人以上のフォロワー、「YouTube」で4,500人の登録者の看護師VTuberとして活動しています。
看護師として病棟やクリニック、高齢者施設で働いた経験を活かしながら、新しいキャリアの形を模索しています。
介護の有償ボランティア派遣サービス「スケッター」のCM出演や、福祉大学文化祭でのCM枠出演など、看護師という枠を超えて、VTuberとしてさまざまな挑戦を続けてきました。
現在は、Xでの発信を中心に活動しており、2025年春頃からはオンライン学習塾WISHで講師を務める予定です。
今回は、私の夜勤での経験談や夜勤の乗り越え方をお話していこうと思います!
看護師の仕事で、切っても切り離せないのが『夜勤』ですよね。病棟で働くとなると、入院患者さんがいらっしゃるため、多くの場合が夜勤を経験することになると思います。よくテレビやドラマでも夜勤の場面を描かれていることは多いので、イメージはしやすいかもしれません。おそらく多くの方は『心霊現象』だったり、怖いイメージの方が多いのかなと思います。私も働く前は、ただただ夜の病院って怖い…(幽霊的に。笑)と思っていましたし、巡視(患者さんの部屋を周って、生存確認や患者さんに変わりがないか確認すること)なんて絶対にできない!!と怯えていました。しかし、実際に看護師として働きだすと、想像していた以上に怖いことがたくさんありました…。私が実際に体験したお話とともに、そんな夜勤を乗り越えてきた方法をお伝えします!
初めての夜勤
1年目で、日勤帯の処置や受け持ちに少し慣れてきた頃に初めての夜勤を経験しました。まだまだ自分1人でできることは少ないため、初めの何回かは先輩と一緒の夜勤でした。その日は、化学療法で発熱した患者さん、輸血後の患者さん、翌日に大腸カメラを控えている患者さん(夜勤帯で下剤の前処置が必要)と、1年目の私にしてはてんやわんやになってしまう状況でした。『誰からバイタルサイン(血圧や体温などを測定する)を回ればいいんだろう』『輸血が終わってるか確認して…、あ、でも発熱してる人がいるなら…』と夜勤の情報収集の時点で少しパニックになっていました。夜勤が始まって、案の定うまく回れずに時間ばかりが過ぎていき…あっという間に夕食の配膳の時間になりました。この時、おそらく師長に『大丈夫?』と声をかけてもらうと(パニックになってあまり覚えていない。笑)涙がぽろぽろと溢れてきて、そのまま休憩室に呼ばれて『夜勤回れません!』と師長に泣いて訴えていました。師長は『最初からそんな回れる訳ないじゃない。みんな同じ。』と優しく声をかけてもらい、先輩のフォローもあり、なんとかナースステーションに戻ることができました。あとはもうひたすら必死に目の前の業務をこなしていくことに精一杯で、あまり記憶がありません。それでもなんとか初めての夜勤ができたのは、先輩がしっかりフォローをして焦らないで見守っていてくれたからだと思います。本当に感謝です。
幽霊よりも怖い!?
そんな夜勤で、私が恐れていた巡視の時間がやってきました。バイタルサインが終わり、点滴の処置も一段落ついたところで自分の受け持ちの部屋を懐中電灯を持って見て回るのです。すごくすごくドキドキしました。しかし、そのドキドキは幽霊の怖さではなく、ちゃんと患者さんみんなが息をして安全に過ごせているかという怖さでした。『点滴を間違えてつないでいないか』『熱は落ち着いて眠れているか』『ベッドから落ちて転落していないか』など、心配したらキリがないほど考えることがたくさんあり、まさかの『幽霊と遭遇したら…心霊現象が…』など考える暇さえありませんでした。そして、巡視が終われば点滴の片付けや記録、明日の検査準備、内服や点滴の確認…などなど、やらなければならないこともたくさんあり、あっという間に朝を迎えていました。とてつもなく怖がりの私からしたらある意味助かったのですが、それよりも患者さんがちゃんと息をしているか確認するのが巡視の度にドキドキしていました。実際に、巡視に行ったら急変してて心肺停止状態だった…。という例もあるので、今でも巡視は気を抜くことはできませんし、過信はせずにしっかり次の勤務帯へ繋げることが大事ですね。
なんだかんだ心霊現象は体験する!?
とは言っても、少し余裕がある夜勤や時間が空いたりすると、ふと怖くなることはあります。みなさんが想像するような薄暗い廊下、モニターのポーン、ポーンという単調な音が不気味さを増します。先輩の体験談ですが、『誰もいないところかナースコースがなって一応行って見たけど、やっぱり誰もいなかった…』とか、『リネン室で誰もいないのに肩を叩かれた』というような話も聞いたことがあります。そんな話を聞いた後の巡視は流石に怖くて小走りなるし、ナースステーションに戻るとすごくホッとします。
実際に私も少し怖い体験をしたことがあります。
私が受け持っていた患者さんなのですが、中心静脈カテーテルが入っており、ややせん妄があったため、両手にミトン(手袋ようなもの)を装着していました。より頻繁な観察が必要なため、ナースステーションの近くの部屋で、何かあればすぐにかけつけられるようにしていました。深夜3時頃、点滴や検査の確認等が終わり、黙々と記録をしていました。珍しくほとんどモニター音もせず、シンとした病棟でした。すると、その患者さんの部屋から「パン!!」と手を叩くような音が1回、静かな病棟とナースステーションに響き渡りました。私は先輩と顔を見合わせ、『今、なんかなったよね?』というアイコンタクトをした後に、2人でおそるおそるその部屋に入りました。私はその時、『やばい!ミトンが外れてたら、カテーテルが抜かれてるかも!?』とそちらの恐怖を考えていましたが、ミトンもしっかりはめられており(ミトンをはめたまま手を叩いてもパン!という音はならない)、患者さんはぐっすり眠られていました。他に点滴や患者さんの周りに何か変わったところがあるわけでもなく…。しかし、明らかに誰かが手を叩くような音が聞こえたのです。とりあえず、患者さんも無事なことに安心はしたのですが、後から段々と、あの音は何の音だったんだろう…と怖くなりました。多かれ少なかれ、看護師は経験することがあるのでしょうか!?
夜勤はこう乗り越える!!
① とにかく焦らず、最初から頑張りすぎない
夜勤では、日勤帯よりも受け持ち患者さんが増えて、情報収集や点滴、内服の準備もかなりの量になることがあります。ただ、『夕食の配膳までにここまでバイタル回らなきゃ!』『まだこれもできてない!』と自分を焦らせてしまうと逆効果なので、『とりあえず、時間処置(点滴やご飯前のインスリン等)をして患者さんの顔を見て回ろう。』と最初から頑張りすぎないことも大事です。これは実際に私が先輩を見て学んだことでもあります。自分で自分の首を絞めるような回り方をしていると、思うように進まないことでイライラしたり焦ったりして余計にミスを誘発してしまいます。1番危険なことは、インシデントを起こして患者さんの命を危険にさらすこと。まずは無事に朝を迎えることを目標に、焦りすぎず頑張りましょう!
② 情報収集はしっかり、点滴の確認・準備も
先程お伝えした、『焦らない』為には、事前の準備はある程度必要になると思います。『この患者さんはどこに注意するのか』『抜けてはいけない時間処置』など、ポイントを押さえておくと、スムーズにバイタルサイン測定に回ることができます。申し送り前に、点滴や内服の準備等できておくとベストですね!
③ メンバーと協力する
夜勤はだいたい日勤メンバーの半分以下で病棟全体をみていかなければなりません。各々、受け持ち患者さんはいますが、オムツ交換、体位変換、時間処置など、メンバー同士協力しなければならない場面も多々あります。協力しながら業務を進めていくことで、時間に余裕ができたり、身体的・精神的負担の軽減にも繋がります。…が、実際夜勤のメンバーによることもありますよね…。私も苦手な先輩やお局さんとの夜勤は逆に緊張感が増してぎこちなかったかもしれません…笑
④ 明けのご褒美を考える
私は2交代の夜勤だったので、だいたい最低でも16時間は病棟にいることになります。その長い夜勤からの解放感は格別です!ついつい、好きなご飯買って帰ろう♪とか、欲しかったコスメ買っちゃえ!など、気分がハイになることもしばしば…笑
夜勤明けの爆食い、爆買いには気をつけないと…だけど、それがあるから頑張れることもあるんですよね!程よく自分にご褒美をあげながら夜勤を乗り越えていきましょう!
⑤ 好きな歌や動画をイヤホンで聴く
私はもともと音楽が好きなので、休憩中には好きな音楽を聴いて、少し気分転換をしていました。あまり大きな音で聴いていると、何かあった時(急変など)に対応できないので注意しなければならないかもですが…。やはり、ずーっと緊張感があると朝を迎えるとヘトヘトでぼーっとしてしまうこともあります。また、私の場合は仮眠室がナースステーションに近かったのでどうしてもモニターのポーンという音などが聞こえてしまうので、少し離れるという意味でも音楽を聴いて落ち着く時間を作っていました。みなさんも好きな音楽やYouTubeなど、5分、10分でもいいので時間をつくってみてはいかがでしょうか?
夜勤は辛いだけ?
ここまで、夜勤のきついイメージばかりお話ししてきてしまいましたが、もちろん夜勤でしか学べないことや貴重な経験もたくさんあります。夜勤は日勤帯とはまた違った雰囲気での勤務です。メンバーが少ないため、受け持ち患者さんも多く、夜間の巡視、翌日の準備等々、広い視点で業務をしていくことが必要になります。だからこそ、看護師として更に成長できたり、フォローし合うことで、チームで仕事をする大切さも学ぶことができます。また、夜勤だと、少し時間ができれば、日勤帯ではなかなか話す時間が持てない患者さんとお話する時間も作ることができます。何気ない会話の中に、患者さんの気持ちや想いが見つかり、それを看護に活かしていくこともできます。
まずは、自分の健康第一!なので、うまく夜勤と付き合いながら自分なりの夜勤の乗り越え方が見つかりますように。