
看護師として転職する際に「希望の条件で働きたい」「内定は貰ったけど提示されている条件が厳しくて納得できていない」など、条件面に悩んでいる方も多いはずです。
条件を受け入れて働き始めてしまえば、病院側と交渉できる機会はほぼなくなり、あったとしてもかなりの期間働いた後になってしまいます。
従って希望の条件がある場合は、転職する時にしっかりと自身が望む条件と、それに伴う自己スキルをアピールすることが大切です。
本記事では看護師が転職する際に必要な交渉について詳しく解説していきます。
転職する際に交渉を成功させるコツや絶対にやってはいけないことなど、悩みを解決する具体的な方法が分かりますので、ぜひ最後までご覧ください!
看護師の転職は交渉で条件アップできる
看護師として転職を考える際、誰もが良い勤務条件で働ける転職先を探します。
良い条件とは人によって異なりますが
- 給与が高い
- 労働時間が短い
- 福利厚生が充実している
といった内容が重要視されることが多いです。
実はこの勤務条件なのですが、転職時に交渉することで、改善できる可能性があります。
条件交渉をすることで「面接官に嫌われたらどうしよう」「面倒な人間だと思われないだろうか?」と不安に思う人も多いですが、意思表示をしっかり示して双方が納得する形で採用されたほうが、働き手も雇う側にとっても継続的に働くためにはプラスになるのです。
ただし「自分の主張ばかりガツガツ言う」などのNG行動はもちろんあります。
まずは交渉をする前に転職と労働条件についての解説を行い、その後交渉を成功させるコツについて説明していきます。
転職で必ず給料が上がる訳ではない
転職すれば給料が上がる可能性はありますが、必ず上がる訳ではなくむしろ下がってしまうケースもあります。
基本給が多いため以前の職場より給与は高いと思い転職してみると
- 夜勤がない
- 役職手当がなくなった
- 資格手当が安くなった
など手当てが少なくなり、以前の給料を下回ることも考えられます。
転職する際は基本給ばかりに目を向けるのではなく、労働条件や手当など含めて総合的に判断しましょう。
交渉が成功しやすい労働環境がある
求人の内容から交渉でさらに給与アップが望みやすい労働環境があります。
それは「個人経営の病院」「新規に立ち上げて間もない病院や事業」です。
逆に大きな病院では給与の仕組みがガッチリと決まっているため、交渉で変更できる幅が少なく、大勢働いている看護師の中で1人だけ特別扱いする訳にもいきませんので、交渉が成功する確率は低くなります。
それに比べて個人経営の病院や新規の病院は、自身の有用性をしっかりと伝えることで、今後のことも考えて多少な無理な条件でも、期待を込めて受け入れてくれる可能性があります。
その他にも専門性の高い病院なども交渉材料が多くおすすめです。
まずは交渉する前に交渉が成功しそうな病院かどうかという判断を行いましょう。
給与アップが望めるサイトで転職先を探そう
給料が不満で転職をする場合は、高収入の求人を多く扱っている転職サイトが、おすすめです。
高収入の求人を多く扱っている求人サイトで条件を見てみると、年収が500万円を超える求人も多くあり、交渉を必要とせず現状の給料より上がることも見込めます。
給与面が期待できる求人サイトは、看護師なら一般の求人も扱う幅広いサイトよりも、看護師専門の求人サイトの方がおすすめです。
給与アップが望める転職サイト
- コメディカルドットコム
- ナース専科
- レパウェル看護
交渉を成功させる3つのコツ
- コツ①:給与の相場を把握して適切な金額を提示する
- コツ②:給料を上げる根拠を明確に伝える
- コツ③:苦手な人はエージェントに依頼する
転職の際に交渉して給与面の待遇をアップさせることは可能です。
ただし「給料を上げて欲しい」など漠然と希望を伝えるだけでは、交渉で給与アップを勝ち取ることは難しいでしょう。
ここではそんな失敗をしないように交渉を成功させるコツを紹介していきます。
コツ①:給与の相場を把握して適切な金額を提示する
給与がたくさん欲しいからと言って、相場からかけ離れた金額を要求しても、成功はしません。
キャリアや年齢を主体に自身のスキルを客観的に分析し、これならば相手が納得するかもしれないという金額を提示しましょう。
女性看護師の平均的な年収相場
- 20~24歳 400万円
- 25~29歳 477万円
- 30~34歳 479万円
- 35~39歳 505万円
- 40~44歳 530万円
- 45~49歳 565万円
- 50~54歳 565万円
- 60~64歳 483万円
※出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」
平均より上の給料を求めるなら、なにかアピールポイントがあった方がいいですし、平均より安すぎる病院は止めておいた方が良いかもしれません。
コツ②:給与を上げる根拠を明確に伝える
「給与を上げてください」とただ伝えるだけでは、相手側にはなにもメリットがありませんので、これなら上げても良さそうと相手を納得させるだけの根拠を示してください。
給与上げる根拠となるもの
- 現職の源泉徴収票
- 内定をもらった病院の提示額
- 認定看護師や専門看護師などの資格
- 経験年数
具体的に伝えることは大切ですが、あまり長くならず端的かつ倫理的な交渉を心掛けましょう。
コツ③:苦手な人はエージェントに依頼する
給与交渉をやった方が良いということは理解できても、お金のことなので自分から言い出しづらく、タイミングを逃して選考が終ってしまうという人もいます。
というか日本人の多くの人は交渉を苦手としており、交渉の材料を用意していても切り出せなかったり、上手く伝えられずに終わることの方が多いです。
そこで利用を考えて欲しいのが転職エージェント。
転職エージェントは転職したい人の希望を、出来るだけ叶えることを専門としています。もちろん交渉も慣れていますし、相談者のアピールポイントも余すことなく伝えてくれますので、自身で交渉するのは苦手…という人はぜひ活用してみてください!
給与交渉で絶対にやってはいけないこと
転職の条件に納得できていない場合、給与交渉はやったほうが良いですが、タイミングや伝え方を間違えると、良くない印象を与えてしまう可能性も高いです。
特に伝え方として良くない「初めの質問から給与の話をする」ことと、タイミングが良くない「内定承諾後に給与交渉をする」ことについて解説していきます。
初めの質問から給与の話をする
なにか質問はありますか?と聞かれてから、最初に給与の話をするのは止めましょう。
始めからお金の話をすることで「仕事よりお金を優先する人かも」と悪い心証を与えかねません。
給与のことが一番気になっていたとしても、まずは病院の環境や職場の状況などに興味を示してから、最後の方に給与面で気になっていることを端的に伝えましょう。
内定承諾後に給与交渉をする
内定を承諾するということは「提示した条件を承諾した」ということになります。
内定を承諾した後にやっぱり給与が気になるからと言って、交渉をすることはルールを守れない人と思われても仕方ありません。
内定を承諾する時はすべての条件を飲んだ上でその旨を伝え、納得のいっていない条件がある場合は承諾する前に相談できる時間がないか、確認をとってその場で交渉しましょう。
給与交渉の体験談
ここでは看護師が転職する際に給与交渉をして成功した事例を紹介していきます。
人によって状況は様々だとは思いますが、他人の経験が参考にすることもおすすめです。
諦めずに何度もチャレンジして成功したAさん
常勤・2交替の病棟に勤務していたAさんは、かねてから忙しい割に給料が安いということに悩んでおり、転職活動をやってみることにしました。
現在の年収は約400万円で低くはないのですが、昇給が低い事で将来へ希望が持てないこと、忙しくてこのままでは身体を壊してしまいそうな不安を、抱えていたための決断です。
目標は年収450万円を目指し、大きな病院に何度も挑みますがことごとく交渉は失敗し、希望の金額に届くことはありません。
そこで大きな病院は諦め中規模な病院や個人病院に目を向けたところ、約440万円で募集している美容クリニックが目に留まります。
美容クリニックで働いた経験がないことが不安でしたが応募し、今の職場が激務であること・やる気があること・看護師としての経験が長いこと・これから学んでいきたい意欲などを伝え交渉したところ、約460万円の年収という条件で働けることとなりました!
大きな病院は給与形態がキッチリ決まっているので、交渉に応じてくれる幅が狭いため成功しづらいです。
比べて美容クリニックは診療報酬も自分たちで決められますし、やる気のある人材を探していることも多いため、好印象を得られれば交渉も成功しやすくなっています。
美容クリニックでは初心者にも研修で、丁寧に教えて貰えたため業務内容で苦戦することもなく、夜勤もなくなり激務からも介抱され給料もアップした成功事例です。
転職エージェントに依頼して成功したBさん
人見知りでコミュニケーションも苦手なBさんは、現在の職場でも自分の意思を伝えることが下手で、そんな役回りを受けることがしばしばあります。
転職を決意したBさんはそんな自身の性格を、重々理解しているため始めから転職エージェントに、依頼することを決めていました。
転職エージェントに依頼して良かったと思う点は、匿名で交渉してもらえるところ、失敗したとしても自身の経歴に傷が付かないことは大きなメリットです!
無事に希望の給料や勤務時間に合致した病院を紹介して貰い内定を獲得。
働きだしてからも転職エージェントの人に、病院の詳しい情報を教えて貰いながら、転職活動に励んでいたため、満足度が高く自身にピッタリの職場に巡り合えたようです。
転職で後悔しないためにやっておくべきこと
転職で大きなキャリアアップを目指していましたが「こんなはずじゃなかった…」と後悔してしまう人も少なくありません。
失敗しない転職をするためにも「施設見学をして実際の職場を見る」「転職する理由を明確にしておく」「希望する条件の優先順位を付けておく」と言った3つの事柄は意識しておきましょう!
施設見学をして実際の職場を見る
施設見学が可能な職場であれば足を運んで実際に見ておきましょう。
実際に働くところをみることで、書類やデータからは感じ取ることができない、職場の雰囲気や施設の便利な点や不便な点が分かります。
百聞は一見に如かずと言いますが、施設の見学をすることで雰囲気を感じ取り、失敗する可能性をグッと減らせることも可能です。
転職する理由を明確にしておく
転職する理由を明確にしておくことはとても大切です。
転職する理由
- 給料アップを目指す
- 今の職場の人間関係に疲れた
- 通勤時間が長いので家の近くで見つける
- 今の職場が忙しすぎて大変
- 他の仕事に興味がある
など転職の理由は人それぞれですが、自身がどのような理由で転職したくなったのか明確にしておかないと、また同じような職場を選んでしまい転職に失敗してしまいます。
「今の職場は給料が安いから給料アップを目指す」「今の職場は忙しいのでもう少し仕事が落ち着いているところを選ぶ」といったように、目的は明確にしておき常に意識しておいてください!
希望する条件の優先順位を付けておく
上の転職する理由を明確にしておくと少し似ているかも知れませんが、希望する条件の優先順位を見失わないようにしましょう。
始めはハッキリとしている人が多いですが、転職活動を続けている間に「良い職場になかなか巡り合えない焦り」や「色々な職場の条件を見て諦める」など、変わってしまう人もいます。
もちろん妥協点を探すことは悪い事ではありませんが、最低限の希望する条件だけは忘れないようにしましょう。
曖昧に転職先を決めてしまえば、後悔する結果となってしまう可能性が高いのですので、希望する条件の優先順位は見失わないでください!
まとめ
今回は看護師の転職時の交渉方法について詳しく解説してきました。
「お金のことを切り出すと印象が悪くなるかも…」「ガツガツ喋ることで面倒な人間だと思われそう…」このようなことを考え、転職をする際の交渉はしない方が良いと思う人も多いです。
しかし実際は不満を持って働き始めるより、お互いが納得して仕事に取り組む方が建設的ですので、ぜひチャレンジしてみてください!
交渉を成功させるコツは
- コツ①:給与の相場を把握して適切な金額を提示する
- コツ②:給与を上げる根拠を明確に伝える
- コツ③:苦手な人はエージェントに依頼する
今まで「交渉したことがない」「交渉は苦手」という人は、プロの力を借りることを検討してみてはいかがでしょうか!