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病棟業務をスリム化!看護師の負担軽減とケア向上を両立する方法

「看護師の業務改善について知りたい」「業務効率化で職場環境を良くしたい」 そう思う方も多いのではないでしょうか。

わたしもそう思う一人の看護師でした。

新卒で入った病院にはマニュアルというものが存在せず、歳の近い先輩方(と言っても5つ以上上)もナースエイドとして働きながら看護師の免許を取った方か、もしくは違う病院での経験を積んで来た方ばかりでした。

まさに「先輩の背中を見て覚えろ!」状態の無法地帯。

凍った血液製剤はお湯につけて解凍!

院長のワンマン経営。看護部長は病棟に一切来ない!

しかし、入職してすぐ、病院の規模が大きくなったことで医師が増え、外部から呼ばれた看護部長と看護師長へと政権交代し、病院は一変しました。

その際、問題となっていた看護師の残業について改善が必要との師長の意見で、一番若くて、パソコンが使えるという理由だけで、業務改善委員会に配属され、マニュアル作成、記録の大改革のプロジェクトの一員として師長と2人で話し合い、作成をしました。

その結果、今まで残業が当たり前だったのが定時10分前には仕事が終わり、「帰る前にトイレ~」と言うほどになったのです。

ところで皆さん以下のことはご存じでしたか?

私は全く知りませんでした!

厚生労働省は補助金事業「看護業務効率化先進事例収集・周知事業」を2019年度より行っており、同アワードで表彰された事例を試行する施設を支援する事業等を行っています。

2022年のデータですが…

厚生労働省は補助金事業「看護業務効率化先進事例収集・周知事業」の知名度

認知度はかなり低く、役職のないスタッフの半数以上が名前すら聞いたことないというものになります。国を挙げて看護師さんの業務改善に力を入れていることがわかりますよね。

でも、電子カルテとかICTの導入ってすごくお金がかかるからなかなか導入してもらえないし…と思っているあなた!

実はアナログでもちょっとした工夫で看護師の業務負担を軽減し、チーム全体の効率を大きく向上させることができます。
今記事では、看護師の業務改善の具体例、導入すべき改善ポイント、そしてアナログ・デジタルの成功事例を詳しくご紹介していきたいと思います。

 

病棟業務効率化の一番の課題は「看護の多さと書くことに集中できない環境!」

忙しい看護師のイラスト

業務の効率化を図るといっても、何をもって業務が効率化されていると判断するかは人それぞれ。
この記事では

  • 患者さんへのケアの質を保つ
  • ミスを減らす
  • 残業をなくす

以上の3つを改善することを業務の効率化の成功とします。

 

独自でアンケートを行った結果

  1. 記録が終わらなくて残業になる
  2. 残業を気にしてケアや確認が手抜きになる
  3. 付き合い残業がある

といった不満の声が聞かれました。

 

病棟業務における大きな課題の一つは、看護記録にかかる時間や、それで集中できる環境が整っていない点です。

患者対応や突発的な業務が多発する中で、静かに記録に集中する時間が確保されていない現状が多くの看護師さんの負担となっているのがアンケートの結果からも分かります。

業務効率化ができていないことによって起こっている弊害

では実際に業務効率化ができていないとどのようなことが起こるのでしょうか?
改めて確認してみましょう。

やることが多くて大変な看護師のイラスト

 

残業が当たり前

残業を前提とした勤務。
前残業も含め、指定の時間以外にサービス残業をしている看護師さんが多くいます。
本来であれば、着替える時間からが勤務時間ですが、勤務の始まる30分前には病棟で情報収集や点滴の準備などを行っていませんか?

ミスの増加

人間は時間に追われると焦ってしまいちょっとしたミスを起こしやすくなります。
本当はダブルチェックが必要なのにチェックしてくれる人がいない。
チェックも形ばかりでしっかりと確認をしていないなど心当たりはありませんか?

職場の雰囲気が悪くなる

皆さん時間に余裕がないのでピリピリします。
また相手は患者さんなので自分の思い通りにケアが進むわけでもありません。
心の余裕がなくなると、患者さんだけではなく、看護師間のコミュニティも希薄になりミスや無駄な動きの発生などのデメリットを生み出す可能性が多くなります。

人材不足

職場の雰囲気は悪く、定時で帰れないとなれば退職者も増え、ますます残された看護師さんたちに負担がかかります。
新入社員を迎えるにあたっても、教育に時間を取られたり、教育自体がされずに独り立ちなんてこともあり得ます。

 

業務効率化がもたらすメリット

では逆に業務が効率化されるとどのようなことが期待されるでしょうか。

喜ぶ看護師のイラスト

残業が減る

業務効率化を進めることで、業務時間内に作業を行うことが可能になり、残業をなくす、または減らすことができます。

 

無駄な動線が減る

作業線を見直すことで、効率的に動ける環境が整い、無駄な時間を大幅に削減できます。

気持ちに余裕ができる

業務がスムーズに進むと精神的な余裕が生まれ、患者さんやスタッフ間のコミュニケーションも増加しやすくなります。

ミスが減る

余裕のある環境は注意力を高め、医療ミスの減少につながります。

定着率のアップ

働きやすい職場環境が整えば、スタッフの満足度が向上し、退職率が下がります。
そのことにより人員削減や新人教育にも取り掛かりやすくなります。

 

個人でできる!効率化のための具体的な方法

困っている看護師のイラスト

 

では実際にどんなことをすれば効率化できるでしょうか?
病院全体で効率化をしてもらうのが一番の理想ですが個人でもできる効率化の方法が実はあるんです!

1日の行動計画を大きく立てる

看護学生の時、毎日行動計画票をかきましたよね?
まさにそれです!
でもあんなにしっかり書くのではなく、頭の中でも紙でもいいので大雑把にやることリストを上げていきましょう!

優先順位をつける

上記でやることをリストアップしたら優先順を付けていきましょう。
時間指定でやらなくてはならないこと
時間指定はないけど、今日中にやらなくてはならないこと
できれば今日やりたいこと
で、業務時間内にやることを組み立てます。
この時のポイントは時間に余裕をもつこと!
イレギュラーなことが多かったり思い通りに事が進まなかった時のために時間には余裕をもって大体の時間でやることを決めます。

同時にできることは同時進行で行う

例えば
体温を測りながら反対側の腕で血圧を測る
バイタルや看護記録はその場で記入
などがあげられます。

アプリなどのツールをつかう

業務に使えるアプリなどさまざまな看護師向けのアプリがリリースされています。
また褥瘡の測定などは定規を100%で印刷し、使い捨てにするのもおすすめです!(実際に私もやってました!)

仕事終わりに1日の行動を振り返る

また、行動計画みたいですが、1日の自分の行動を振り返ることはとても大切です。
「ここの部分はこうしておけばもっと要領よくできたな」
「ここは思ってたより時間がかかるから計画の時間を長く確保しよう」
「この時間は余裕があったからあの作業はこの時間にすればいいのか」
など、効率の良い行動計画を立てるのに役に立ちます。

 

病棟全体で考える!効率化アップのための具体的な方法

個人でいくら業務改善をしたところで病院(せめて病棟)が変わらないことには限界があります。
現に「付き合い残業」を行っている看護師さんがいるので、ぜひ病棟全体で業務改善に取り組みたいですよね。
では実際にどんなことができるでしょう。

マニュアルやクリティカルパスなど書類の形態を見直す

看護師さんの残業の原因になりやすい看護記録の簡易化を目指してみませんか?
導入には時間はかかりますが、型が完成すると記録の時間が激減します!

マニュアルの作成

マニュアルの作成はほとんどの病院がされていると思いますが、内容は定期的にアップデートされていますか?
古い情報のまま残っていたりしませんか?
細かいマニュアルがあることで、分からないことがあっても一人で解決できることもあります。

クリティカルパスの導入

短期入院で治療内容がパターン化されているものならクリティカルパスがおすすめ!

医師からの実行OKの印鑑をもらえば「痛みが出たときはカロナール可」などの指示ももらわずに事前に頓服として処方しておけるので便利です。

観察項目も問題なければチェックを入れるだけ!

ただし、パス通りに行かなかった場合には途中で通常の看護記録に移行する必要があります。

患者指導パンフレットの作成

パンフレットを作成と自己評価、他己評価をつけておけばどこまで指導しているのか、理解できているのかを明確化できます。

さらに、患者さんも「看護師さんごとに言うことが違う!」と混乱してしまうことを避けることができます。

 

役割を決める

リーダー業務、受け持ち、フリー業務、ナースエイドは何をするかを明確にすることで効率化を図ります。

特別な観察やケアがない患者さんの清拭やオムツ交換、検査の付き添いなどナースエイドに任せられることはナースエイドに。

急変時のバトンタッチや急な入院、処置、食事介助などはフリー業務にするなど分担を明確にします。

そのことにより受け持ち看護師の業務量を減らせる可能性があります。

物品の配置と変更

使用頻度の高いものはナースステーション近くに、また使用用途別に分けておくと補充や準備がスムーズになります。

患者対応の効率化

大体の一人にかける時間を事前に決めておきます。

なかには話好きの患者さんから動けなくて困っている方いませんか?

病気に関係することだったら聞く必要もありますが中には全然関係のない話を永遠にする方も…

私はなかなか患者さんの話を切れずにずっと聞いているタイプでした。酷いと1時間弱くらい。

その対処法として考えたのは「タイマーを使用する」ことでした。

話が長くなりそうと思ったら事前に10分タイマーをかけておくのです。

そうすると、話の途中でも「ごめんさい!わたし、いかないと!」お互い嫌な思いをせずに話を終わらすことができます。

1回別の部屋の患者さんの所へ行き、また元の部屋の違う患者さんのバイタルを取ったり等、工夫をしてました。

 

成功事例から学ぶ効率化の実践

具体的な方法を説明してきましたが、実際どのような対策をして、成功したのかの事例を紹介します。

ホワイトボードなどで情報共有をする

誰がどこで何をしているのか、どこまで業務が進んでいるのか、ヘルプなどをホワイトボードなどに書き出す。
⇒フリー業務看護師が終わっていない処置などを介助することで受け持ちの負担を軽減。

白衣2色制度

日勤者と夜勤者の白衣の色を分ける
⇒日勤者が一目で分かり、帰りやすい雰囲気を作った。

プリセプター制度の廃止

1人の新人に対して担当の教育者を付けるのをやめ、病棟全体で教育する体制をとった
⇒教育担当になる中堅看護師の負担が減った。課題とチェックシートを使用し、共通した指導を病棟全体で行えるようにした。

 

私が実際にやって成功した!マニュアル化(アナログ編)

私が新卒で入職した病院は、新卒を採用するのが初めてだったようです。

なぜ、そんな病院に私が就職することになったかというと、看護学校卒業後、総合病院の内定を取り消しフリーターになったからです。

「人生で1度はフリーターになってみたい!」と思い、フリーターをしてみたのの、思ったより楽しくなかったのと友人たちに置いて行かれる感じに耐えられず卒業した年の8月に求人サイトを通しておすすめされた病院に見学という形で見に行ったらそのまま採用になり、入職となりました。

40床という小さな循環器に特化した病院でした。この小ささから新卒者には見向きもされない病院だったようです。(初めは大きな病院を希望する人が多い時代でしたから…)

もちろんマニュアルもありませんでしたし、私は病棟に配置されたのにプリセプターはCCUの看護師さんでした。

新人用マニュアル作成

私が初めに頼まれた仕事は新人用のマニュアルの作成でした。

小さな病院なのに毎日、入院は最低でも3人。その他緊急の入院や緊急のカテーテル治療、手術などやっていることは総合病院並みの治療。

しかも救急外来がなく、救急車は直接病棟にある処置室で診ていました。私と同じ日に入職したという3年目の看護師さんは1か月で退職。

新しい看護師さんが入職してもすぐにやめてしまうのが、病院の悩みだったようです。

そんな私のプリセプターとのやり取りは「交換ノート」だけ。

直接指導されることもなければ聞くこともない。主に私の指導をしてくださるのは病棟の皆さんでした。

課題の設定

新卒の私は看護技術も分からなければ循環器に勤めるとも思っていなかったのですべてが分かりませんでした。

どこから勉強すればいいのか分からないレベルです。申し送りを聞いていても略語と専門用語で分からないことばかり。

そこでまず課題を設定してもらいたいと先輩たちに相談し、課題と優先順位を出してもらうことにしました。

以下は私が出された課題です。病院によって優先順位は違うと思うので一例として考えてください。

 

  1. 心臓の構造と血管の名前、及び略語を覚える
  2. 緊急性のある心電図を覚える(VT.VF)
  3. 心電図モニターの貼り方を覚える(はがれていたらすぐに貼り直しにいく)
  4. 病気について少しづつ理解する(心筋梗塞→心不全→狭心症)

 

このように段階的に勉強する内容を提示してもらい、勤務中や家で勉強したことをノートにまとめ提出してさらにアドバイスをもらいつけ足す。

というシステムを作りました。

長く勤めていて気づいたことは、もともと循環器にいた方は定着し、循環器未経験だと直ぐにやめていくということ。

そして循環器の経験がない人は心電図が読めない人が多いということ。

転職した際に「え!?これ見逃す!?」と思うことが多々…。

どの科にもあると思いますが、これは分かってて当たり前と思っていることが他科から来た看護師には理解ができない…。

このギャップが定着率の低い理由だったんだなと知りました。

できること・できないことのチェック表の作成

基本的な手技はもちろんのこと、男性のバルーン挿入は医師しかやってはならないというルールの病院もあり、看護師歴が長くても未経験の人もいます。

 

もちろんわたしは新卒だったので正しいバイタルの測り方からチェックをしてもらいました。

手技のほか、病気の知識、対症療法、術前・術後管理、患者指導など細かくチェック項目を作ってもらいました。

そのチェック表を見て、リーダーが今日はこれをやってみよう!と任せてもらえる仕事が増えました。

 

のちにこのチェック表は全員に適用され(元々働いていた先輩方も含め)「エキスパート・プロ・ビギナー」の三段階評価の個人面談ファイルに進化を遂げました。

部屋ごとに看護記録をファイルに分ける。

病棟でおなじみのこちらの商品。

看護記録をはさむパタパタファイル

 

アナムネ、看護計画、バイタル、看護記録がそれぞれ全員分入っているやつです。
20人分くらいはいるやつだったので記録の時間はみんなでごそごそ。
看護計画は何枚も挟まってるし、入れたり出したりが面倒…
ということで、私が勤めていた病院は部屋もち制だったので部屋ごとに患者さんの記録を1冊のファイルにまとめました。
こうすることによって書類の紛失や看護計画の見落としの防止、各々持ち歩きができてリアルタイムでの看護記録の記入が可能になりました。
またイベント表も追加することでサマリーなど書くときに要点が分かりやすいようにしました。

 

バイタル表の進化

紙カルテだったので、A4サイズの両面の市販のバイタル表を使用していました。
そして、医師からの指示書は医師が使用していると全く見れない状況。
検査の説明漏れや、看護計画の評価忘れ、点滴の差し替えを忘れる、体重測定忘れ、ルート交換を忘れる、決まった時間以外の点滴を忘れる等…様々なミスが起こっていました。
また看護記録にも時間がかかっており、看護記録は代わりに書くことができないため看護記録の時間短縮のため、大がかりなバイタル表の変更をしました。
目標は「バイタル表を見ればすべてが分かる!」です。
何をわかるようにしたかというと

  • バイタル
  • 検査予定
  • 処置(及び内容)
  • 保清(清拭・入浴など)
  • メインの点滴(速数も)
  • メイン以外の点滴(速数も)
  • 抗生剤など
  • 酸素量
  • 食事摂取量
  • 排尿・排便
  • 点滴刺しかえ日
  • IVH消毒日・ルート交換日
  • 体重測定欄
  • 吸引回数(正の字で記入)
  • 空白欄➡主に症状の有無(各項目ごとにレベル表記)や飲水量、インアウトバランスなど自由に書けるフリースペース
  • 日勤者・夜勤者のサイン

と、盛りだくさんです。

もちろんA4サイズにおさまらないのでA3へと大きくなりました。

バイタル表は医師も使うため看護記録用のファイルには挟まず、A3サイズの特大ホルダーを用意してもらいました。

1枚で1週間分です。翌週分も後に挟まっているので週に1回の処置などは処置が終わった段階で赤でチェックを入れ、翌週の同じ曜日にやることを記入しておきます。

バイタルサイン表

 

このバイタル表で便利だったことは
症状のレベルがチェックリスト方式になっているので変化が分かりやすい

症状について特別な変化がない場合、それについて看護記録に書く必要がない➡記録時間の短縮

看護計画の評価を忘れない

やらなきゃならない処置を忘れない

点滴や酸素の量が増えたり減ったりがすぐわかるので看護記録でその日に何があったのか検索しやすい

医師がバイタル表で症状の変化を確認できるので質問されることが少なくなった。

酸素の量が変更になった場合、〇時〇分まで記入するので医事課からの問い合わせが少なくなった。

デメリットは重たい…ですが、看護師全員分くらいのカートが用意されていたため、カートに乗せるのが大変だったくらいでメリットの方がものすごく多かったです。

ちなみに検査の記入や次の週のバイタル表を作成するのはリーダー業務でした。

担当の先生には決まった色が割り当てられていたのでバイタル表の上に先生の色のテープを貼っておくと、先生が勝手に探してくれるのも便利でした。

クリティカルパスの導入

カテーテル治療目的の入院など1泊から2泊の入院が多かったためクリティカルパスの導入をしました。
術前術後の管理もパターン化していたので、A3の用紙1枚で1前日、当日術前・術後、翌日で大きく項目分けにし、医師からの指示もチェック方式にしました。
止血のための圧迫を緩めるのも2回連続出血までは正常範囲内、3回連続出血からはイレギュラーとして通常の看護記録に移行するというルールも設定しました。
このクリティカルパスにより、今までは行ったこと、すべてを看護記録として残していましたがチェックするだけなのでかなりの時間短縮になりました。

患者さん用指導パンフレットの作成

指導する看護師によって指導内容の相違が起きないように疾患別に指導用パンフレットを作成しました。
パンフレットの内容も定期的に更新し、多かった質問などは「こんな時はどうする?」という形で値かしていきました。
そのことにより、患者指導の時間短縮にもつながり、また患者さんの混乱を招くことは少なくなりました。
糖尿病の自己注射に限っては看護師の評価のページも作成し、患者さんも看護師もどこができていて、どこができていなかったのか分かるようにしました。

 

業務改善の失敗例

悩む看護師のイラスト

さて、ここまで成功した業務改善を紹介してきましたが、逆に失敗した業務改善はあるのでしょうか?
他院の事例を紹介しますね。

ノー残業デーの設定

この日は残業しないで定時で帰る日を設定したものです。
交換制で設定していたようですが、「残業があることが前提」な制度なので根本的な問題解決にはなっていないです。

業務改善委員会だけでルールを変える

病院には様々な委員会がありますよね。まさに私は業務改善委員会だったため、残業などをなくすためにルールを変えてきたのですが、かなり調査を行いました。
残業や、指示漏れ、やり忘れなどの原因はいったい何なのかを考えないと適正な改善はできません。
私の病院の場合は小さな病院でしたので病棟とCCUだけでしたが、システムも使用している記録用紙も違いました。
行っている看護が違うのであまり前です。
現場の声を拾わず他病棟の一部の人たちでルールを変更すると「この病棟にはあってるけど、あの病棟にはあわない」という問題が発生します。
必ず現場の声を聞いてください。師長ではなく、実際に受け持ちなどをしている人たちにです!

 

最新ツールとテクノロジーの活用

なかなかすぐに導入とはいきませんが、現在はこんなツールも使われてるんだよという事例を紹介します。

 

効率化を支えるツール

  • インカム導入
    実際に大学病院で導入されており、PHSのように番号選択をすることなくボタン一つで病棟内での会話ができるというものです。
    7人以上での同時通話も可能で、リーダーから一斉に指示を送りたいとき、またはヘルプを頼みたいときに病棟内で「誰か~よっこいしょ手伝ってくださ~い」と、病棟をうろうろする必要もありません。
    なにか確認したいときもわざわざナースステーションへ確認に行く必要なくインカムだけで確認をお願いできるのもいいところです。
  • 音声認識ソフトの導入
    こちらは電子カルテのみになりますが、スマートフォンの音声認識ソフトで看護記録を記入するという方法です。
    一人でエレベーターに乗ったときなど誰もいない場所で話すことで電子カルテに看護記録として残されるシステムで多くの病院が導入をしています。
    ただし、患者さんの情報が漏れるリスクなど導入に慎重な病院も多いのが現状です。

AIとデジタル技術の導入事例

  • AIで転倒リスクの予測
    いつも通りに看護記録を記入するだけでAIが判断をし、転倒リスクのレベルと対処法を提案してくれるという優れモノです。
    また転倒リスクだけでなく、ADLの状態も把握するので、効果的なリハビリ方法を解析してくれたり、排尿時間を記録するとトイレ誘導時刻を教えてくれるものです。
    実際に転倒転落リスク評価にかかる時間を0分にし、転倒のインシデントも40%減の報告もされています。
  • リモートで患者教育
    わざわざ病院に来て患者教育を行うのが数年前まで普通でしたが、コロナ禍をきっかけにWebを使用した患者教育が盛んになりました。
    特に産科などのデジタルに抵抗のない世代にはWebを使ってのマタニティヨガ教室や母親学級、父親学級が行われているようです。
    テキストも紙からデジタル化することでコスト削減やSDGsにも貢献できるとしています。

 

個人でもアナログな病院でも業務効率化は可能!

まずは自分の業務に追われている人は、自分の行動を分析してみましょう。

「あれ持ってくるの忘れた!」など、意外と無駄な動きをしてないですか?

午前中はゆったりしていたのに夕方位から急に忙しくなったりしませんか?

心当たりがある方はぜひ行動計画を立ててみてください!

そして、付き合い残業で悩んでいらっしゃる方。

病棟自体に何か問題があるかもしれません!

師長さんや、主任などの上司に、どうしたらもっと効率よく仕事ができて患者さんひとりひとりと向き合う時間を確保できるかを相談してみてください。

実際に、私が導入するにあたって作成時は大変でした。

しかし、残業が当たり前だったのが、導入したらほぼ定時で帰れるようになったんです。(その分残業代は減りましたが…)

これは余談になりますが、なんと医師も指示をマニュアル化してきたんです!

痛いとき➡ロキソニン・カロナール

眠れないとき➡ハルシオン半錠

38.5℃以上➡ロキソニン・カロナール

SpO2 94%以下でO21ℓアップ(上限5ℓ)など…。

これは夜勤中寝ている医師の機嫌を損ねずに対処できたので助かりました。

 

これからも看護師の需要はますます増えていきます。

自分の働きやすさのためにも、看護師の卵ちゃんのためにも、そして医療をこれから必要とするかもしれない大切な人のためにも、看護師さんが働きやすい環境になりますように★

 

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