腰痛・ヘルニアがひどくて、つらい思いをしていませんか？
「看護師の日々の業務で腰痛が悪化してしまった…」
「腰に負担がかからないような仕事がしたい…」
腰に負担がかかる業務が多い、看護師。痛みを抱えながらも懸命に働き、腰痛やヘルニアを悪化させてしまうことも…。仕事も大切ですが、何よりもあなたの身体が大切です。
無理をせずにゆっくり休む、もしくは腰に負担がかかりにくい職場に転職しましょう。健診センターや企業医療室など腰がつらくない職場もたくさんあります。本記事を通して、そういう職場があるか、見ていきましょう。
この記事では、以下のような内容を紹介します：
- 看護師の腰痛・ヘルニアが悪化する理由とシーン
- 腰痛・ヘルニアに優しい働き方
- 腰痛・ヘルニアを悪化させない対策
- Q&A
プロの現場を知る看護師目線で、「看護師の腰痛・ヘルニア」について解説しています。ぜひブックマークして、腰がつらいときに役立ててくださいね。
共感する？看護師の腰痛・ヘルニアが悪化する理由とシーン
業務中、「この腰痛、もう限界かも…」と悩む看護師が多いのではないのでしょうか。慢性的な腰痛や、ある日突然襲いかかったぎっくり腰、そして整形外科で告げられたヘルニアの可能性。好きな看護師の仕事を続けたいのに、身体が悲鳴を上げている現実に不安を感じてしまいますよね…。
ここでは、看護師が腰痛・ヘルニアになりやすい原因を解説します。まずは、ヘルニアになってしまった、もしくは悪化してしまった原因を知りましょう。
看護業務で腰痛が悪化する具体的な動作と原因
看護師が腰痛や椎間板ヘルニアを抱えやすいのには、さまざまな理由があります。日々の業務には、腰に大きな負担をかける動作が数多く含まれていることが関係しています。
- 持ち上げ動作（抱え上げ）：
ベッドから車椅子への移乗、体位変換、入浴介助など、患者さんの身体を抱え上げる動作は、腰への負担が最も大きい動作です。
特に、中腰のまま患者さんの体重を支えることは、腰椎に過度な圧力をかけ、椎間板ヘルニアの引き金になることがあります。 - 不自然な体勢での作業：
点滴台やモニターの配置を変えたり、ベッド周りの清掃をしたりする際に、無理な姿勢で身体をひねったり、前かがみになったりすることがあります。これらの動作は、腰の筋肉や靭帯に大きなストレスを与えます。 - 前傾姿勢での作業：
特に夜勤などで患者さんの様子を観察するために長時間前かがみになったり、カルテや記録をデスクで入力する際にも前傾姿勢を続けると、背骨のS字カーブが失われ、腰椎への負担が蓄積します。
これらの動作は、たとえ一人ひとりの患者さんの体重が軽くても、何度も繰り返すことで蓄積し、やがて慢性的な腰痛や椎間板ヘルニアといった症状として現れてくるのです。
日常動作で腰痛・ヘルニアが悪化しやすいシーン
看護業務中だけでなく、日常生活の中にも腰痛やヘルニアを悪化させる落とし穴が潜んでいます。仕事で疲労した腰にさらに追い打ちをかけるようなシーンに心当たりはありませんか？
| ・通勤や移動中 | 電車やバスでの通勤時、スマートフォンを長時間見続けていると、無意識のうちに猫背になり、腰に負担がかかる。 |
| ・重い荷物を持つとき | 買い物袋や重い鞄を片方の肩にかけるなど、左右非対称な持ち方をすると、身体のバランスが崩れ、腰に偏った負担がかかってしまう。 |
| ・睡眠時 | 柔らかすぎるベッドマットや、自分に合わない枕を使用していると、睡眠中に腰が沈み込み、腰椎に不自然なカーブが生じることがある。 |
| ・急な動作 | 床に落ちた物を拾う際、急激に体をひねったり、中腰で無理に持ち上げたりすることも、腰痛の再発や悪化につながる。 |
腰痛・ヘルニアが看護師のキャリア継続に与える影響
腰痛やヘルニアは、看護師のキャリアに大きな影響を与えることも…。たとえば、痛みのせいで業務に集中できず、効率が落ちたり、身体をかばうことで他の部位に負担がかかったりします。
もし、痛みが悪化すれば、休職や離職を余儀なくされることもありますし、夜勤や身体的負担が大きい部署への異動も難しくなるでしょう。
好きな仕事を続けたいのに、身体がついてこない。この状態は精神的なストレスも大きく、キャリアを諦める理由になってしまうほど深刻な問題です。
【データで見る】腰痛を抱えながら働く看護師はどれくらい居る？
看護師の腰痛の悩みは、決して特別なものではありません。実は、多くの看護師が同じ悩みを抱えながら働いているのです。
厚生労働省や日本看護協会の資料によると、看護者の5割から7割が腰痛を抱えているとの調査結果があります。これは、腰痛が個人的な不調ではなく、業界全体が抱える深刻な課題であることを示しています。多くの看護師が痛みを我慢しながら働いており、潜在的に腰痛を抱えている人がさらに多くいると考えられます。
※参照：医療保健業の労働災害防止（看護従事者の腰痛予防対策）
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腰痛・ヘルニアに優しい看護師の働き方と転職先の選び方
腰痛やヘルニアを抱えながら、今後も看護師として長く働き続けるためには、身体に優しい働き方や転職先の見極め方を知ることが大切！
ここでは、腰への負担を減らしながらも、看護師としての経験やスキルを活かせる具体的な転職先を職場の特徴ごとに紹介します。
腰への負担が少ない看護師の仕事・職場
腰痛やヘルニアに悩む看護師におすすめなのは、身体介助の頻度が少ない職場やデスクワーク中心の働き方ができる職場です。あなたのスキルを活かせる場所を探してみましょう。
外来・クリニック：身体介助が少ない看護業務
外来やクリニックは、入院病棟と比較して、身体介助の機会が格段に少なくなります。業務の中心は、医師の診察補助や問診、検査の説明、点滴・採血、事務作業など。急変対応や夜勤も基本的にないため、腰への急激な負担も避けられます。
特に、整形外科やリハビリテーション科などの専門クリニックでは、介助動作がまったくないわけではありませんが、患者さんの多くは自力歩行が可能であったり、介助が必要な場合でも病棟ほど頻繁かつ重労働になることは少ないでしょう。
訪問看護：移動は多いが介助負担が限定的
訪問看護は、利用者のご自宅を訪問し、医療処置やケアを行う仕事。一見、身体介助が多いように思われがちですが、実際には、介護職の方と連携してケアにあたったり、ケアプランに沿った限定的な介助が中心となるケースが多いと考えられます。
移動手段は電動自転車や社用車が多く、移動時間は多いものの、腰に大きな負担をかける瞬間的な重労働が少ないという点で、腰痛持ちの看護師にとっては働きやすい環境と言えるのです。
健診センター・企業医務室：デスクワーク中心の働き方
健診センターや企業の医務室は、看護師の仕事の中でも身体的な負担が最も少ない職場のひとつです。健診センターでは、採血や視力・聴力検査の補助、問診などが主な業務で、企業医務室では従業員の健康相談や救急対応、事務作業が多くなります。
どちらもデスクワークの割合が高く、介助動作はほとんどありません。ただし、求人数が限られていることや、看護師としての専門性を深める機会が少ないといったデメリットも理解しておきましょう。
その他：看護師事務、コールセンター、治験関連の選択肢
他にも、これまでの看護知識を活かしつつ、身体的負担を大幅に減らせる働き方は多岐にわたります。
| ・看護師事務 | 病院やクリニックで、看護師としての知識を活かし、カルテ整理や請求業務といった事務作業に専念する。 |
| ・医療系コールセンター | 医療機器メーカーや医薬品会社のコールセンターで、製品に関する問い合わせ対応や相談業務を行う。 |
| ・治験コーディネーター（CRC） | 治験を行う医療機関で、被験者のケアやスケジュール調整、医師との連携など、事務・調整業務を担う。 |
これらの仕事は、直接的な患者ケアよりも、看護師としての「知識」や「コミュニケーション能力」を活かす働き方です。
こんな職場は避けよう！腰痛・ヘルニア悪化リスクが高い職場・働き方の特徴
せっかく転職したのに、また腰痛が悪化しては元も子もありません。腰痛やヘルニア持ちのあなたが避けるべき、リスクの高い職場の特徴を知っておきましょう。
- 介護度が高い患者さんが多い病棟：
特に整形外科や脳神経外科、療養病棟など、介助が必要な患者さんが多い職場は、腰への負担が大きくなります。 - 人員配置が少ない職場：
看護師一人あたりの患者数が多く、介助を一人で行う場面が多い職場は、身体的負担が過剰になりがち。 - 夜勤が多い働き方：
夜勤は生活リズムを崩し、腰痛の悪化につながりやすいでしょう。 - リフトやスライディングボードなどの福祉用具が十分にない職場：
介助用具が整っていない職場では、どうしても人力での介助が多くなり、腰への負担が増大します。
転職を検討する際は、これらの点について事前にしっかり情報収集を行うことが鍵！
腰痛・ヘルニアを悪化させない！働きながらできる日常対策と予防法
腰痛やヘルニアを抱えながらも看護師として長く働くためには、痛みを悪化させないための日々の対策が欠かせません！
ここでは、業務中から日常生活まで、今すぐ実践できる具体的な予防法と、効果的な対策グッズの選び方を見ていきましょう。
看護業務中のボディメカニクス：正しい姿勢と介助技術の基本
看護業務における腰痛の原因の多くは、身体の不適切な使い方にあります。ボディメカニクスの原理を理解し、実践することで、介助時の腰への負担を大幅に減らすことができるのです！
重心を低く保つ
介助や持ち上げ動作を行う際は、腰を丸めず、膝を曲げて重心を低く保ちます。これにより、腰椎への負担が軽減されます。介助対象に身体をできるだけ近づけ、「最小の力で、最大の効果」 を目指しましょう。
身体全体を使う
腰の力だけで持ち上げようとせず、腕や脚、体幹の大きな筋肉を連動させて動かします。特に、脚の力を使うことで、腰への負担を分散させることができます。
身体をねじらない
介助中、身体をひねる動作は腰に大きなストレスをかけます。方向を変えるときは、足先から身体全体を介助対象の方向に向けて動かすように意識しましょう。
日常生活で実践！腰痛・ヘルニアに効くストレッチ＆予防体操
腰痛対策は、業務時間外の取り組みもとても重要！自宅で簡単にできるストレッチや体操で、凝り固まった筋肉をほぐし、腰痛を予防しましょう。
仰向けでおこなうストレッチ
| 膝抱えストレッチ | 1. 仰向けになり、両膝を両手で抱え、胸に引き寄せる。 2. 腰とお尻の筋肉をゆっくりと伸ばす。 |
| 膝倒しストレッチ | 1. 仰向けになり、両膝を立てる。 2. 両膝を揃えたまま、ゆっくりと左右に倒す。 腰回りの筋肉をほぐすのに◎。 |
立つ姿勢でおこなう体操
| 骨盤回し体操 | 1. 両足を肩幅に開き、両手を腰に当てる。 2. 骨盤をゆっくりと大きく回す。 前後、左右、円を描くように動かすことで、骨盤周辺の血行が促進される。 |
| 背伸び体操 | 1. まっすぐ立ち、両手を組んで頭上に伸ばす。 2. 手のひらを上に向けて大きく背伸びをする。 背骨を伸ばし、姿勢をリセットする効果がある。 |
腰痛対策グッズ：あなたに合うものを選ぼう
市販されている腰痛対策グッズは数多くあり、どれを選べばいいか迷いますよね…。自身の症状や用途に合ったものを選び、上手に活用しましょう。
| グッズの種類 | 特徴 |
| コルセット・骨盤ベルト | 重い介助業務や長時間の立ち仕事の際に、腰椎をサポートし、姿勢を安定させる。 ただし、長時間の着用は筋力低下につながることがあるため、必要な時のみ使用するのが良い。 |
| 湿布薬・塗り薬 | 急な痛みや、筋肉の張りが強い時にベスト。 消炎鎮痛効果のあるものを選ぶと、炎症を抑え痛みを和らげることができる。 |
| クッション・枕 | 運転中やデスクワーク中に腰に当てることで、腰椎の自然なカーブを保ち、負担を軽減する。 そのほか、寝具用の腰痛対策クッションやマットレスも、睡眠中の腰への負担を減らすのに役立つ。 |
【Q&A】腰痛・ヘルニア持ち看護師のよくある疑問
腰痛やヘルニアの診断は、今後のキャリアについて多くの不安を生むもの。「このまま看護師を続けられるのだろうか？」「転職できるのか？」「面接で正直に話すべき？」など、疑問が尽きないはず。
ここでは、そんなあなたの不安を少しでも和らげられるよう、腰痛・ヘルニアを抱える看護師の皆さんが転職や今後の働き方について抱きやすい疑問にお答えします。
Q：ヘルニアと診断されても看護師の仕事は続けられる？
A：ヘルニアと診断されても、看護師の仕事を続けることは可能です。ただし、腰に負担のかかる業務が中心の病棟勤務は、症状を悪化させるリスクがあるため、避けるのが賢明！
身体介助が少ない外来、訪問看護、健診センターなど、身体に優しい働き方ができる職場へ転することで、看護師としてのキャリアを継続できるでしょう。
Q：腰痛がひどい場合、転職活動はどのように進めれば良い？
A：まずは、現在の職場での業務内容を見直し、どのような動作が腰痛の原因になっているかを具体的に把握することが重要です。その上で、身体介助が少ない職場や、人員配置が手厚い職場、またはデスクワーク中心の仕事など、自身の希望条件を明確にしましょう。
また、転職エージェントに相談するのも手！あなたの症状や希望を伝えれば、条件に合った求人情報を探してもらえますし、職場環境について事前に確認してもらうこともできます。
Q：面接で腰痛・ヘルニアについて伝えるべき？
A：基本的には、伝える必要はありません。ただ、業務に支障をきたす可能性がある場合や、配慮を求める場合は、正直に伝えた方が良いでしょう。
その際は、「腰痛持ちですが、今後は無理のない範囲で勤務したいと考えています」といったように、ポジティブな姿勢で伝えることが大切！
Q：腰痛持ちでも雇ってくれる病院や施設はある？
A：はい、あります。腰痛に配慮した職場は増えていますし、特に訪問看護やクリニック、健診センター、企業医務室など、身体介助が少ない職場では、腰痛が採用の妨げになることは少ないと考えられます。
重要なのは、自身の症状を適切に管理できること、そして、その職場で求められる役割を十分に果たせることをアピールすること。その点を意識しましょう。
Q：転職後も腰痛が再発しないか不安です。どうすれば良い？
A：転職後も腰痛が再発しないよう、日々のセルフケアを継続することを忘れずに！業務中のボディメカニクスを意識し、こまめにストレッチを行い、自分に合った腰痛対策グッズを活用しましょう。
また、新しい職場の人間関係や業務に慣れるまでは、心身ともに無理をしないようにすることを心掛けることも大切です。
まとめ：腰痛・ヘルニアを労わりながら、看護師として輝こう
看護師は、患者さんの命と健康を守る、とても尊い仕事です。しかし、無理な働き方で自分の身体を壊してしまうのはとてもつらいこと。
腰痛や椎間板ヘルニアは、多くの看護師が直面する課題です。看護師として長く活躍するために、身体に優しい働き方を見つけること、そして日々のセルフケアを欠かさずに！腰痛がつらいときは、無理をせずに心身を労わりましょう。
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