
「先輩から『この患者さん、MMT測ってみて』って言われたけど、やり方これで合ってるかな…?😥」「患者さんの力が『ちょっと弱い』のは分かるけど、MMTの段階で言うとどれなんだろう?」「測定した結果を、どうやってアセスメントして看護記録に書けばいいの?💦」
分かります!MMTって学校で習ったきりだと、いざ臨床でやろうとすると不安になりますよね。
この記事では
- ✅ 一目でわかる!MMTの6段階評価と覚え方のコツ
- ✅ 【動画と写真で見てわかる】部位別の正しい測定方法
- ✅ 【例文つき】アセスメントと看護記録への具体的な活かし方
- ✅ 新人さんがつまずきがちな疑問を解決するQ&A
が分かりますよ♪
MMTは、正しい手順と評価のポイントさえ押さえれば、誰でも自信を持って実践できます!
さらに、その結果を日々の看護アセスメントに直結させることで、ケアの質がぐっと上がるんです💪✨
この記事では、MMTの基礎知識から、見て真似るだけで実践できる部位別の測定方法、そして測定結果を根拠のある看護計画に繋げるための具体的な方法まで、あなたの「分からない」が「分かった!」に変わるように、どこよりも丁寧に解説していきますね。
そもそもMMT(徒手筋力テスト)とは?看護師が知るべき「目的」❤
MMTはただの筋力測定じゃないんです。患者さんの状態を深く理解し、より良いケアを提供するための、私たち看護師にとってとっても大切なアセスメントツールなんですよ。
まずはその基本と目的から、一緒に確認していきましょう!
MMTは「患者さんの今と未来を知る」ための重要な指標✨
MMT(Manual Muscle Testing)は、その名の通り「手を使って筋力を評価するテスト」のことです。
特別な機械がなくても、患者さんの筋力がどのレベルにあるかを客観的な指標(数値)で評価できる、とっても便利なアセスメント方法なんですよ。
なぜ看護師に必要?明日からのケアが変わる3つの理由
MMTを正しく使えると、日々の看護がぐっとレベルアップします。
主な目的はこの3つです!
- ① 安全を守るため🛡️
- 足の筋力が弱いと転倒のリスクが高まりますよね。MMTで筋力を客観的に評価することで、どれくらいのリスクがあるのか、どんな対策が必要なのかを具体的に考えられるようになります。
- ② 自立を支援するため🤝
- 「ベッドから起き上がれるか」「トイレまで歩けるか」といったADL(日常生活動作)の自立度を予測するのに役立ちます。必要な介助と、患者さん自身でできることを見極める大事なヒントになるんです。
- ③ 回復を可視化するため📈
- 「先週より筋力が上がったね!」と数値で示すことで、リハビリの効果が目に見えて分かります。これは患者さんの「もっと頑張ろう!」というモチベーションにも繋がる、大切なコミュニケーションツールにもなりますよ。
【基準を完全マスター】MMTの6段階評価を視覚的に理解する💪
MMTで一番のキモになるのが、0から5までの「6段階評価」ですよね!
「Fairってどれくらいだっけ…?」なんて迷わないように、ここで評価の基準を完璧にマスターしちゃいましょう!
覚え方のコツも紹介しますね😉
一目でわかる!MMT6段階評価(Stage 0〜5)一覧表
この表さえ覚えておけば、もう評価に迷いません!スマホでいつでも見返せるように、ブックマークがおすすめです🔖
Stage | 名称 (英語) | 判定基準 | 看護師向けポイント💡 |
---|---|---|---|
5 | Normal | 強い抵抗に抗して、完全に運動できる | 検者が「負けそう!」と感じるくらい強い力 |
4 | Good | ある程度の抵抗に抗して、完全に運動できる | 抵抗をかけると、途中で負けてしまう感じ |
3 | Fair | 重力に抗して完全に運動できるが、抵抗には抗せない | 腕や脚を持ち上げることはできるが、押すとすぐ下がる |
2 | Poor | 重力を除いた状態なら、完全に運動できる | ベッドの上で腕や脚を滑らせるように動かせる |
1 | Trace | 筋の収縮は目で見て、または触って確認できるが、関節運動は起こらない | ピクッ!と筋肉が動くのが分かるだけ |
0 | Zero | 筋の収縮が全く認められない | 全く動かず、触っても筋肉の動きが分からない |
もう忘れない!看護師のためのMMT評価ゴロ合わせ🎵
どうしても覚えられない!という方は、呪文のようなゴロ合わせで覚えちゃいましょう!
「ぜ(0)ったいに、ピク(1)っと横(2)から縦(3)に!グッ(4)とノーマル(5)!」
- ぜ(0)ったいに → Stage 0:全く動かない
- ピク(1)っと → Stage 1:筋収縮のみ
- 横(2)から → Stage 2:重力を除けば動く(横方向の動き)
- 縦(3)に! → Stage 3:重力に抗して動く(縦方向の動き)
- グッ(4)と → Stage 4:Good
- ノーマル(5)! → Stage 5:Normal
声に出して何度か唱えると、自然と頭に入ってきますよ!ぜひ試してみてくださいね😊
【動画と写真で見てわかる】全身の部位別 MMT測定の正しいやり方📸
理論は分かったけど、いざ患者さんの前でやるとなると「えっと、どこを持てばいいんだっけ?」「抵抗ってどっちにかけるの?」って焦っちゃいますよね。
大丈夫です!
ここでは、特に看護の現場で評価することが多い5つの部位にしぼって、「見て真似るだけ」でできるようにポイントを解説していきます。
自信を持って測定できるようになりましょう!✨
測定前に必ずチェック!準備と3つの注意点☝️
スムーズで安全なMMTのために、測定を始める前に必ずこの3つを確認してくださいね。
- 患者さんへの声かけと同意❤
- 「これからお力を拝見しますね」「少しおさえますよ」など、何をするか具体的に説明し、必ず同意を得ましょう。信頼関係にも繋がります。
- プライバシーへの配慮
- 特に下肢を測定するときは、カーテンを閉めたり、バスタオルをかけたりして、患者さんが恥ずかしい思いをしないように配慮するのが大切です。
- 禁忌と注意すべき状態
- 骨折や脱臼の直後、手術の創部、炎症や痛みが強い部位はMMTの禁忌です。無理に行うと悪化させてしまうので、絶対にやめましょう。
肩関節(三角筋)- 腕を上げる力
更衣動作や食事、髪をとかす整容動作など、腕を上げる動きに欠かせない筋肉です!
項目 | ポイント |
---|---|
基本の姿勢 | 椅子やベッドの端に座ってもらいます(端座位)。 |
テストの動き | 「手のひらを下に向けて、腕を真横に肩の高さまで上げてください」と伝えます。 |
抵抗のかけ方 | 肩の高さまで上がった腕の、肘の少し上あたりを、真下に押します。 |
代償動作チェック! | 測定中に肩をすくめたり、体を反対側に傾けて腕を上げようとしていないか見ましょう。 |
肘関節(上腕二頭筋)- 肘を曲げる力
食事で口に食べ物を運んだり、顔を洗ったりするときに使う、力こぶの筋肉です💪
項目 | ポイント |
---|---|
基本の姿勢 | 椅子やベッドの端に座ってもらいます。 |
テストの動き | 「手のひらを上に向けて、力こぶを作るように肘を曲げてください」と伝えます。 |
抵抗のかけ方 | 患者さんの手首の少し上あたりを持ち、肘を伸ばす方向にゆっくり引っぱります。 |
代償動作チェック! | 肘を曲げるときに、肩を前に突き出して勢いをつけていないか確認しましょう。 |
股関節(大腿四頭筋)- 膝を伸ばす力
立ち上がり、歩行、移乗の要!転倒予防のアセスメントで最も重要な筋肉の一つです🦵
項目 | ポイント |
---|---|
基本の姿勢 | ベッドに少し浅めに腰掛けてもらい、足の裏が床につかないようにします。 |
テストの動き | 「膝をまっすぐ伸ばして、床と平行になるように上げてください」と伝えます。 |
抵抗のかけ方 | まっすぐ伸びた足の、足首の少し上あたりを、真下に押します。 |
代償動作チェック! | 手でベッドを押してお尻を浮かせたり、体をのけぞらせていないかチェック! |
膝関節(ハムストリングス)- 膝を曲げる力
歩行時のバランスをとったり、椅子に座る動作を安定させたりする、太ももの裏側の筋肉です。
項目 | ポイント |
---|---|
基本の姿勢 | ベッドにうつ伏せになってもらいます(腹臥位)。 |
テストの動き | 「かかとをお尻に近づけるように、膝を曲げてください」と伝えます。 |
抵抗のかけ方 | 曲げた足のかかとの少し上(アキレス腱の上あたり)を、膝が伸びる方向に押します。 |
代償動作チェック! | 膝を曲げるときに、お尻がベッドから浮いていないか確認しましょう。 |
足関節(前脛骨筋)- つま先を上げる力
これが弱いと歩くときにつま先が引っかかり、”すり足”になって転倒しやすくなります。とっても大事!
項目 | ポイント |
---|---|
基本の姿勢 | 椅子やベッドに腰掛けてもらい、かかとを床につけた状態にします。 |
テストの動き | 「かかとは床につけたまま、つま先を天井に向けて上げてください」と伝えます。 |
抵抗のかけ方 | 上がった足の甲の部分を、つま先が下がる方向(床の方向)に押します。 |
代償動作チェック! | 足首ではなく、足の指だけを必死に反らせていないかよく見てあげてくださいね。 |
【この記事のハイライト】MMTの結果をアセスメントと看護計画に活かす方法✍️
MMTは測定して終わりじゃありません!むしろ、ここからが私たち看護師の腕の見せ所です💪✨
測定した結果をどうやって日々のケアに活かしていくのか、具体的な3つのステップで見ていきましょう。
これができれば、あなたのアセスメント力は格段にアップしますよ!
ステップ1:結果を「生活のしづらさ」に翻訳する🗣️
「大腿四頭筋MMT 3」という結果だけ見ても、ピンとこない時もありますよね。
その評価が、患者さんの実際の生活にどう影響するのか、イメージを翻訳してみましょう。
MMTステージ | 生活レベルのイメージ |
---|---|
5 (Normal) | 心配なし!問題なく日常生活を送れるレベル✨ |
4 (Good) | 日常生活はほぼOKだけど、重い物を持つなど強い力が必要な場面で少し苦労するかも? |
3 (Fair) | 手すりがあれば何とか立ち上がれるレベル。日常生活の多くの場面で介助が必要になります。 |
2 (Poor) | ベッドの上で手足を動かせるけど、起き上がったり立ち上がったりは難しいレベル。 |
1 / 0 | ほぼ寝たきりに近く、全面的な介助が必要なレベル。 |
ステップ2:【例文つき】先輩も納得する看護記録(SOAP)の書き方📝
アセスメントの根拠として、MMTの結果を看護記録にしっかり残すのがとっても大事!
SOAP形式での書き方のコツを紹介しますね。
ポイント:
O情報にMMTの結果を具体的に書くこと!そしてA(アセスメント)で「だから、どんなリスクがあるのか」を明確に結びつけるのがコツです。
【事例:トイレへの移動に不安がある患者さん】
- S(主観的情報):
「最近、トイレに立つのに足に力が入らなくて不安だわ…」 - O(客観的情報):
左下肢MMT:大腿四頭筋 3、前脛骨筋 3。ポータブルトイレへの移乗時、強いふらつきあり。訪室時以外はベッド上で臥床していることが多い。 - A(アセスメント):
左下肢の筋力低下(MMT3レベル)により、自力での立ち上がりや歩行が不安定。移乗やトイレ動作時に転倒するリスクが非常に高い状態にある。 - P(計画):
#転倒転落リスク状態
ステップ3:【事例で学ぶ】看護問題への展開とケアプラン立案🧑⚕️
ステップ2で挙げた看護問題「#転倒転落リスク状態」に対して、具体的なケアプランを立ててみましょう。
- 看護目標(長期):
入院期間中、転倒・転落による外傷がない。 - 看護目標(短期):
1週間以内に、安全な移乗方法を理解し、実践できる。 - ケアプラン(TP)
- ベッドサイドにポータブルトイレを設置する。
- 移乗時は必ずナースコールを押してもらうよう、繰り返し説明する。
- 訪室ごとに、ベッド周囲の環境整備を行う(床の濡れ、障害物の確認)。
- 理学療法士と連携し、リハビリの進捗に合わせて介助方法を見直す。
- 教育プラン(EP)
- 本人と家族に、現在の筋力の状態(MMTの結果)と転倒のリスクについて、分かりやすく説明する。
- 安全な履物(かかとのある滑りにくい靴)の必要性を説明し、協力を得る。
MMTの「困った!」を解決するQ&Aコーナー🙋♀️
実際にやってみると「こういう時どうするの?」っていう疑問、出てきますよね。
ここでは、新人さんがつまずきがちなポイントをQ&A形式でスッキリ解決しちゃいます!
Q. Stage 1とStage 2の判断に迷います…
A. 関節が「動くか、動かないか」が最大のポイントです!
Stage 1は筋肉がピクッと収縮するだけで、関節の動きは見られません。
Stage 2は、重力のかからない状態(ベッドの上で腕を滑らせるなど)であれば、関節が動きます。
まずは関節が動くかどうかをじっくり観察してみてくださいね。
Q. 抵抗はどのくらいの強さでかければいいですか?
A. 患者さんの表情を見ながら「ゆっくり、5秒くらい」が基本です!
いきなり強い力をかけるのはNGです🙅♀️
患者さんを驚かせないように「少し押さえますね」と声をかけ、ゆっくりと力を加えていきましょう。
患者さんの年齢や体格、表情を見ながら、無理のない範囲で調整してあげてください。
Q. 患者さんが痛みを訴えた場合はどうすればいい?
A. 即中止!が鉄則です!
痛みがあるのに無理に続けると、症状を悪化させるだけでなく、患者さんの不信感にも繋がってしまいます。
「痛い」という訴えがあったら、すぐに中止しましょう。
そして、なぜ痛いのか(関節が固いのか、炎症があるのかなど)をアセスメントするきっかけにしてくださいね。
Q. ROM(関節可動域)測定との違いは何ですか?
A. 簡単に言うと、ROMは「関節の動く範囲」、MMTは「動かすパワー」です!
ROM(Range of Motion)は、関節がどこまで曲がるか・伸びるかという「柔軟性」を測ります。
一方、MMTはその範囲を動かすための「筋力」を測ります。
両方見ることで、「関節は柔らかいけど、動かすパワーが足りないんだな」といった、より深いアセスメントができますよ。
まとめ:自信を持ってMMTを実践し、患者さんのためのケアに繋げよう💐
お疲れ様でした!
この記事では、MMTの基本から実践的なケアへの活かし方までを解説してきました。
- MMTは患者さんの「安全・自立・回復」を支える重要な評価
- 6段階評価は「筋収縮・重力・抵抗」の3点で理解する
- 測定時は正しいフォームを確認し、代償動作を見抜く
- 結果は必ず「記録」と「計画」に繋げて、日々のケアに活かす
MMTは単なる筋力測定ではありません。
患者さんの状態を深く理解し、根拠のある看護を提供するための、あなたの強力な武器になります。
最初は少し戸惑うかもしれませんが、この記事を何度も見返して実践すれば、必ず自信を持ってできるようになりますよ。