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今回お話を伺ったのは、美容や芸能、子育てなど多方面で活躍しながら、保育士としても現場に立ち続ける MACOさん。
健康運動指導士、美乳研究家、ミセスモデル、そして保育士――。
いくつもの肩書きを持ちつつ、家庭と仕事を無理なく両立させている背景には「派遣・単発保育士」という柔軟な働き方がありました。
保育の世界からいったん離れたあと、11年ぶりに復帰。
生活の変化に合わせて契約や勤務日数を調整しながら、現場で子どもたちと向き合い続ける姿は、多忙な日々を送る方や「今の働き方で大丈夫かな?」と悩む方にとって、大きなヒントになるはずです。
今回のインタビューでは、派遣・単発保育士を選んだ理由から、復帰時の不安、仕事と家庭の両立の工夫まで―― MACOさんの“リアルな声”をたっぷりとお届けします。
まずはご経歴から
しごレト編集部:今日はありがとうございます!まずは MACOさんのご経歴を簡単に教えてください。
MACOさん:健康運動指導士としてスポーツクラブでレッスンや指導者育成、商品開発をしていました。30代で保育士資格を独学で取得し、派遣保育士としてフルタイム勤務しつつ、美乳研究家としてサロン運営やメディア出演、著書出版、下着のプロデュースなどをしてきました。現在47歳で、テレビ通販の生放送出演やミセスモデルの仕事をしながら、単発保育士としても活動しています。
しごレト編集部:いや〜活動の幅がすごいです!健康運動指導士、美乳研究家、ミセスモデル、そして保育士。まさに何足ものわらじを履いていますね。しかもどれも第一線で活躍しているところが驚きです。
1. 単発・派遣保育士を選んだ理由
しごレト編集部:幅広い分野で多忙な生活をされる中で、単発や派遣保育士という働き方を選んだ理由を教えてください。
MACOさん:保育士一本で活動する予定がなく、他の仕事の状況に合わせて対応できるようにしたかったからです。
しごレト編集部:なるほど。ブログでも「最初は4時間×週3勤務から、園との相性がよくて週5勤務に増やした」と書かれていましたね。柔軟な契約期間だからこそ、ライフステージに合わせて動けるんですね。
2. 11年ぶりの復帰、不安と準備
しごレト編集部:11年ぶりの保育士復帰。不安はありましたか?
MACOさん:人間関係が大丈夫かな、という不安はありました。でも二人の子育て経験があったので「もっと良い保育ができる」という自信のほうが大きかったです。「自分の子がされたら嬉しい保育をする」という気持ちで復帰しました。保育と子育ては違いますが、やはり母親の気持ちがわかるというのはかなり大きいと思っています。
しごレト編集部:すてきな言葉ですね。子育ての経験を“自信”に変えられたのが印象的です。ブログでも「0〜1歳クラスでは“かわいい”があふれている」と書かれていて、母としてのまなざしが保育の現場に生きているのを感じます。
3. 派遣・単発は生活や子育てとどうマッチ?
しごレト編集部:派遣や単発の働き方は、子育てや生活にどうフィットしましたか?
MACOさん:派遣は残業がほとんどなく、他の仕事が忙しくなれば契約満了で辞めることも可能で気持ちが楽でした。今は単発保育士ですが、下の子が小学校に入学してPTA役員も引き受けたので、「この日は空いている!」と決まった日にだけ保育士として働けるのはとても助かっています。
しごレト編集部:PTA役員の会議や突発的な学校行事とも両立しやすいのは大きなポイントですね。
また、大規模園や小規模園、療育園まで経験されているのも印象的です。いろんな現場を見ることで子どもへの向き合い方も広がりますよね。
4. 最大のメリットは?
しごレト編集部:単発・派遣保育士として一番のメリットは?
MACOさん:自分の都合に合わせて働ける点です。子育て中や他の仕事がある人には特にメリットが大きいと思います。人間関係のトラブルが少ないのも大きいですね。
しごレト編集部:まさに“自分のライフスタイル優先”ができる働き方。
ブログでも「人間関係の悩みが少ない」と繰り返し書かれていましたが、それが継続できる一番の理由なのかもしれませんね。
5. デメリットや注意点
しごレト編集部:逆にデメリットや注意が必要な点はありますか?
MACOさん:デメリットは、派遣や単発だとあまり深入りできないということです。
もっとこうしてあげたい!とかこの子にはこういう保育が良いのでは?と思っても立場上、提案しづらいと感じました。業務負担が軽いというメリットの半面、という感じですね。
また、単発の場合は園児一人ひとりの特性を把握するのに時間がかかり、ようやくわかった頃には退勤時間になることもあります。
しごレト編集部:確かに「もっと関わりたい!」という気持ちがあっても、短期契約の限界はありますよね。
6. 初めての職場で心がけること
しごレト編集部:初めての園で雰囲気をつかんだり距離を作るときの工夫は?
MACOさん:先生方は忙しいので、空気を感じ取ることを意識します。療育(発達支援)園では事前に発達特性をしっかり聞くようにしています。
しごレト編集部:まさに“察する力”ですね。初日から空気を読む力が試されるのは、単発保育士ならではの腕の見せ所かもしれません。
7. 短期間で信頼関係を築くには
しごレト編集部:園児や保護者、職員との信頼関係を短期間で築くためにしていることは?
MACOさん:まずは基本的なことから。挨拶は自分からしたり、教えてもらったら返事もしっかり。あまり出しゃばらないようにしつつ、正規職員の先生のサポートをさりげなくできるよう、気を配ります。仕事を早く覚えることも大切ですね。
保護者の方には、「知らない先生だ」と不安を抱く方もいるので特に笑顔で対応することを心がけます。単発の場合はもう二度と来ない可能性もあるため、極力保護者とは関わらない業務をするようにしています。
園児たちとは、私の得意な運動指導や絵本の読み聞かせなどをどんどんやっていきます。
しごレト編集部:ブログでも「朝体操を提案して園全体で取り組んだ」とありましたね。得意を活かして信頼を築くというのは、とても参考になります。
8. それでも保育士を続ける理由
しごレト編集部:これだけ多忙なのに、なぜ保育士を続けるのですか?
MACOさん:やりたい仕事を全部やったら、こうなったというか…笑
なんで保育士なのか、と言うと、とにかく子どもが好きで、保育が好きだからですね。
我が子が小6・小1と大きくなり、赤ちゃんや未就学児と接する時間を少しでも確保したかったからです。
子どもって本当にすごいパワーを持っている存在だと思います。保育士として勤務する際は、そのパワーを分けてもらっています。
実は最近、ご縁があり、もう一つ新しい分野のお仕事が増えました!スポーツの世界大会や大企業関連のお仕事ですが、それもすごく刺激的で楽しくて。
二足の草鞋どころか、四足くらい履いていますね~笑
欲張りですがこれからも好きなことは全部続けたいと思っています。
しごレト編集部:好きなことは全部続ける、というシンプルで強い言葉。
「やりたいことを全部やったらこうなった」という姿勢が、読者にも勇気をくれますね。
9. 多忙さを支える時間管理
しごレト編集部:多方面の仕事を両立する時間管理のコツは?
MACOさん:あまり時間管理は意識していないのですが、強いて言えば…今年の3月末まで派遣で月~金まで保育士をやりながら他の仕事もしていました。最初は「週5は無理かな?家事する時間、あるかな?」と思っていたのですが、いざやってみたらどうにかなりました(笑)。
洗濯は仕事から帰ってきてからやることもありましたし、分単位で行動する必要はありましたが、子どもたちの習い事の送迎もほとんど自分でこなせました。長男は受験生で塾のお弁当も必要でしたが、ほぼ自分で作ることができました。
テレビの仕事などで長時間家にいられない時は夫や実家の父母を頼ったり、長男にお弁当を買って塾へ行ってもらったこともありましたが、数回程度です。
派遣だったので「急にテレビの仕事が入ってしまって…」と園に事情を話して早退やお休みをいただけたのもありがたかったです。
しごレト編集部:すごい!「まずはやってみる」ことで時間の感覚が磨かれたんですね。
わたしは「できるかな…」って不安が先にきてしまってやらなくて後悔することがたくさんです… MACOさんを見習ってまずは「やってみる」ことをやってみようと思います。
家族や園の理解があるというのも大切なポイントですよね。でも MACOさんが本気で取り組んでいるからこそ、多くの協力を得られたんですね!
10. 体力面・スケジュール面のリカバリー
しごレト編集部:体力面やスケジュールがきついときの回復法は?
MACOさん:全て楽しんでやっているので、意外と体力的にはきつくないですね。最低限の筋トレを続けているのと、貧血予防の鉄サプリや毎朝のプロテインなど、栄養面には気を遣っています。
モデルの仕事は急に入ることもあるのでスケジュール面では無理することもありますが家族の協力を得て、どうにか乗り切っています。
しごレト編集部:さすが健康運動指導士。楽しむこと自体が最高の体力源ですね。
11. 健康運動指導士の知識が活きる場面
しごレト編集部:健康運動指導士としての知識が保育で役立ったことは?
MACOさん:それはかなりありますね。今の子たちは残念ながら運動能力が低下しています。保育園でも運動を取り入れた遊びをしてほしい、と言われることがあります。
子ども達が音楽に合わせて踊る際にも、健康運動指導士として、より運動効果を上げるためのアドバイスや指導ができました。
派遣保育士だとあまり提案はできないのですが…勇気を振り絞って「子ども達に運動習慣をつけませんか?」と提案したこともあります。
以前勤めた園では私の提案で毎朝決まった時間に体操をすることになり、園児の前で見本を見せながら指導していました。
見本次第で、園児たちの運動効果は変わるので、そこは自信をもってやってよかったと思います。
しごレト編集部:「朝体操の導入」のエピソード、まさにそれですね。専門性が保育に直結している好例だと思います。見本をプロが見せてくれるのも贅沢な体験ですよね!
12. 芸能・モデルの経験が保育に生きる
しごレト編集部:芸能やモデルの経験が保育士の仕事に役立つことは?
MACOさん:それもあります!保育士って、女優みたいなスキルが必要な場面が結構あります。
例えば、給食の野菜をなかなか食べない園児に「ニンジンさんが〇〇ちゃんのお口を探してるみたい!どこだろう~」と言いながらスプーンに乗せたニンジンを食べさせるとか、なかなかお着替えが進まず遊んでいる園児たちに「あれ?誰がお着替え早いんだっけ?」と問いかけてみたり。
顔の表情・声のトーンなど表現力が豊かな方が保育もうまくいきます。
しごレト編集部:なるほど!保育って舞台のような表現力が求められるんですね。芸能で培った表情や声の演出力が保育を楽しくするというのは新鮮な発見です。
たしかに、おおげさに先生が喜んでくれるとうれしかった記憶があります!
最後に
保育士・健康運動指導士・美乳研究家・モデル。
どれも本気で取り組まないと続けられない仕事ばかりなのに、どこか楽しそうで、肩の力が抜けている。
忙しさを楽しさに変えてしまう、そのしなやかさに驚かされました。
単発・派遣保育士という働き方も、ただの“時短勤務”ではなく、自分と家族のペースを大切にするための賢い選択。
保育の現場で子どもたちと向き合うときの真剣さと、自分の人生を思い切り楽しむ姿勢が、きちんと両立しているのを感じました。
そして、芸能やモデルの経験を子どもへの声かけや遊びに活かす話には「なるほど」と何度もうなずいてしまいました。
子どもに“伝わる”表現をする力って、まさに保育そのものですよね。
MACOさんの生き方は、「保育士の資格をどう活かすか」だけでなく、自分のやりたいことをどう積み重ねていくかというこれからのキャリアのヒントをたくさんくれます。
取材を終えて、子育ても仕事も、好きなこともあきらめない選択はもっと自由でいいんだと、あらためて感じました。
MACOさん、たくさんの気づきをありがとうございました。
プロフィール

MACO
健康運動指導士としてスポーツクラブでのレッスンや指導者の育成、商品開発などを長年おこなう。30代になり、諦めきれなかった保育士資格を独学で取得。派遣保育士としてフルタイムで勤務しつつ、スポーツクラブでのレッスンや美乳研究家としてのサロン運営・メディア出演などを続ける。第一子出産後、NHK「あさイチ」出演をきっかけに本を出版。国内外で12冊出版し、下着のプロデュースなども行う。
47歳現在、健康運動指導士として生放送のテレビ通販番組に出演、ミセスモデルとしてCMドラマに出演、単発保育士として活動している。
ameba blog MACO オフィシャルブログ
Instagram 健康運動指導士/ミセスモデル MACO(@ MACO._official)