「筋肉注射って痛そうだし、失敗したら怖いですよね…。正しい手順やコツをしっかり覚えて、安全に実施したいけど、どこから学べばいいのか分からない！」そう思う方もいるかもしれません。
看護師として患者さんに安心感を与えながら、正確に筋肉注射を行うことはとても大切です✨

この記事では

• 筋肉注射の基本的な方法
• 安全に実施するための5つのステップ
• 痛みを軽減するコツ
• 注意すべきポイント

が分かりますよ♪

実は、筋肉注射を安全に行うためには、正しい手順を理解し、注意点を押さえることが重要です。
この記事では、初心者でも分かりやすい解説を通じて、筋肉注射の方法をしっかり学べる内容をお届けします！

筋肉注射とは？その基本を知ろう✨

筋肉注射は、薬液を筋肉層に直接注入する方法で、皮下注射よりも吸収が早く、効果が早く現れるのが特徴です。
看護師として、患者さんに安心感を与えながら正確に実施するためには、基本的な知識をしっかりと理解しておくことが重要です。

ここでは、筋肉注射の目的や適応、皮下注射との違いについて詳しく解説します💉✨

筋肉注射の目的と適応

筋肉注射は、以下の目的や適応に基づいて行われます：

筋肉注射は、血流が豊富な筋肉組織に薬液を注入することで、皮下注射よりも約2倍の速度で吸収されます。
そのため、薬剤の効果を早く発現させたい場合や、皮下注射では対応できない薬剤の投与に適しています。

筋肉注射が選ばれる理由：皮下注射との違い

筋肉注射と皮下注射には、以下のような違いがあります：

MSDより画像引用

筋肉注射は、皮下注射よりも薬剤の吸収が早く、免疫効果が高いことから、ワクチン接種や特定の薬剤投与に広く使用されています。
一方で、皮下注射は薬剤がゆっくり吸収されるため、長期間効果を持続させたい場合に適しています。

筋肉注射は、患者さんの状態や薬剤の特性に応じて選択される重要な手技です。
看護師として、これらの違いを理解し、適切な方法を選ぶことが求められます。

筋肉注射の手順を徹底解説！初心者でも安心のガイド📋

筋肉注射は、看護師にとって重要な技術のひとつです。
患者さんに安心感を与えながら、正確かつ安全に実施するためには、適切な準備と手順を理解しておくことが欠かせません。
ここでは、必要な物品の準備から具体的な手順、痛みを軽減するための工夫までを詳しく解説します💉✨

必要な物品の準備

筋肉注射を安全に行うためには、以下の物品を準備する必要があります：

準備段階では、薬剤の有効期限や破損の有無を確認し、誤薬防止のため「6R」（正しい患者、薬剤、量、方法、時間、目的）を声に出して指差し確認を行いましょう。

刺入から抜針までの具体的な手順

筋肉注射の手順は以下の通りです：

ステップ1．患者確認
患者さんの氏名や注射指示書を照合し、注射の目的や方法を説明して承諾を得ます。

ステップ2．刺入部位の露出と消毒
三角筋中央部など適切な部位を選び、アルコール綿で円を描くように消毒します。

ステップ3．針の刺入
注射針を垂直に約20mm刺入します。皮膚をつまみ上げないよう注意してください。

ステップ４．薬液の注入
薬液をゆっくりと注入します。骨に当たった場合は針を2～3mm引き戻してから再度注入します。

ステップ５．抜針と止血
針を抜いた後、アルコール綿で軽く圧迫します。揉む必要はありません。

ステップ６．患者の観察
注射後は患者さんの状態を観察し、異常がないか確認します。

痛みを軽減するための工夫

筋肉注射の痛みを軽減するためには、以下の工夫が役立ちます：

これらの方法を組み合わせることで、患者さんの負担を軽減し、より快適な注射体験を提供できます。

筋肉注射は、適切な準備と手技を行うことで、安全かつ効果的に実施できます。
看護師として、患者さんの安心感を第一に考えながら、技術を磨いていきましょう。

勘違いしてませんか？間違えがちな筋肉注射

筋肉注射と言えば、肩峰から3横指下の三角筋中央部または前半部に筋肉を大きくつまんで針を刺す！方法がとられていましたよね。

じつはこれは古いやり方！！

新しいガイドラインでは、針の刺入部は

腕を自然に下ろした状態で

1. 肩峰中央から垂直におろした線
2. 前腋窩線の頂点と後腋窩線の頂点を結ぶ線

この2つの線が交わる点（三角筋中央部）が刺入部位として推奨されています。

また皮膚はつままず、皮膚を伸ばすようにして針を刺すように推奨されています。

今は皮膚を外側に伸ばして針を刺すのが推奨されています！

筋肉注射の合併症にはどのようなものがある？

筋肉注射は適切に行われれば安全な手技ですが、不適切な方法や部位で実施されると、以下のような合併症が発生する可能性があります：

主な合併症

1. 神経障害

• 腋窩神経障害
  肩峰に近い部位での注射により、腋窩神経が損傷するリスクがあります。これにより、肩の運動機能や感覚に影響が出ることがあります。

• 橈骨神経障害
  上腕部での不適切な刺入により、橈骨神経が損傷することがあります。これにより、手首や指の動きが制限される「下垂手」や感覚障害が発生する可能性があります。

2. SIRVA（Shoulder Injury Related to Vaccine Administration）

• 概要
  ワクチン接種後に発生する肩関節障害で、肩の急性炎症、持続的な疼痛、可動域制限（腕が上がらない、後ろに回らない）などが特徴です。

• 原因
  三角筋下滑液包（肩関節近くの液体で満たされた袋）内に薬剤が不適切に注入されることで発生します。

• 症状の持続
  通常は数日から2週間で軽快しますが、稀に3か月以上続き、慢性疼痛に移行することもあります。

3. 局所的な合併症

• 血管損傷
  注射針が血管を貫通またはかすめることで、少量の出血や血腫が発生することがあります。

• 皮膚膿瘍や蜂窩織炎
  不衛生な手技や感染により、注射部位に膿瘍や炎症が生じることがあります。

• 硬結や腫脹
  同じ部位への繰り返しの注射や薬剤の影響で、硬結（しこり）や腫れが発生することがあります。

4. 筋肉の拘縮

• 概要
  特に小児や高齢者では、筋肉注射が原因で筋拘縮（筋肉の硬直）が発生することがあります。
  これにより、筋肉の柔軟性が低下し、運動機能に影響を及ぼす可能性があります。

予防策

• 適切な刺入部位の選定
  神経や血管が少ない部位（例：三角筋中央部）を選ぶことが重要です。

• 正確な手技
  解剖学的構造を理解し、適切な角度と深さで刺入することで、合併症のリスクを軽減できます.

• 衛生管理
  手技の前後に適切な消毒を行い、感染リスクを最小限に抑えることが必要です。

筋肉注射は正しい手技と知識を持って行うことで、合併症のリスクを大幅に減らすことができます。
看護師として、患者さんの安全を最優先に考え、最新の推奨事項を取り入れて実施してください❤