
こんにちは!看護師VTuberの白衣ゆいです。
私は「X」で2万人以上のフォロワー、「YouTube」で4,500人の登録者の看護師VTuberとして活動しています。
看護師として病棟やクリニック、高齢者施設で働いた経験を活かしながら、新しいキャリアの形を模索しています。
介護の有償ボランティア派遣サービス「スケッター」のCM出演や、福祉大学文化祭でのCM枠出演など、看護師という枠を超えて、VTuberとしてさまざまな挑戦を続けてきました。
今回、私が初めて高齢者施設に転職したお話しをしていきたいと思います。この高齢社会の日本では、看護師の転職サイトや求人を見ると、高齢者施設の募集がとても多くなっています。高齢者施設には、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、有料老人ホームなど、様々な施設がありますよね。私も転職する際に、施設の違いを改めて学び、自分の働き方にあう職場を探しました。高齢者施設は、(施設にもよりますが)病院とは違って治療目的の方は少なく、高齢者の生活の場で援助していくことが基本となります。なので、看護師の配置は介護職員よりも少ないことが多いです。病院やクリニックとはまた違った、高齢者施設での看護師の役割と、転職する際に知っておきたいポイントをお話ししていこうと思います!
初めての高齢者施設で…
まず私が最初に勤務した施設は、『特別養護老人ホーム』でした。特別養護老人ホームは、原則要介護3以上の方がほとんどなので、寝たきりの方や認知症で常時介護が必要な方が多く入居されています。もちろん病院でも介護度の高い高齢者の方も看護していたので、その点ではそこまで驚くことはありませんでした。私が勤務していた施設は入居者が100名弱で、看護師は日勤帯で2〜3名で対応していました。もちろん、介護職員の方がいらっしゃるので、メインのお世話は介護職員の方に対応してもらって、医療的な処置や緊急対応、医師の診察介助など、看護師しかできないようなことを主にやっていました。寝たきりの方も多いので、経管栄養や褥瘡の処置に時間を費やすことも多かったです。まず最初に大変だったのが、入居者さんの顔と名前を覚えること。病院ではないので、一人一人の手首に名前の入ったリストバンドはつけていません。また、お部屋にずっといるわけではなく、フロア(食堂やレクリエーション広場などみんなが集まる場所)にでてくれば、各々の位置にいらっしゃるのでしっかり顔を覚えていなければ、処置や与薬をすることは困難です。私は心配性なので、確実に覚えるまでは何回も介護職員の方や先輩に「この方は〇〇さんで合ってますよね!?」と確認していました(認知症がある方が多いのでご本人確認が難しい)。
あと、以前にも少しお話ししましたが、施設が広いと移動範囲も広いため、お風呂場で褥瘡などの処置に呼ばれると居室から結構な移動距離を行き来することになり、おかげで少し運動不足が解消されました(笑)
他にも、病院とは違った施設ならではの仕事内容や病院とのギャップを含めて、転職の際に知っておきたいポイントがあります。
医療設備が少ない
施設にもよりますが、高齢者施設なので基本は『生活の場』となります。なので、入居者の方が具合が悪くなったからといって病院のようにすぐ採血や点滴、レントゲン検査…とできる環境ではありません。もちろん、施設が提携している病院や入居者さんのかかりつけ医はありますが、そこまで連れて行く人(家族に連絡)だったり手段だったり、受診するまでの準備にも時間を要します。なので看護師が、今すぐ受診するべきなのか、少し経過をみてよいのかを判断しなければならない場面も多々あります。私も入職して割とすぐに、介護職員の方に「今日、少し様子が違うからみてほしい」と言われて入居者さんのバイタルを測りに行きましたが、大きく変化はなく、また入職したばかりであまり普段の様子との違いが私にはわからず、休日でもあったため様子をみることにしました。すると、午後から具合が悪くなって結局病院を受診することになりました。『やっぱり早めに受診しとけばよかったなぁ…。なんであの時気づかなかったんだろう…。』ととても後悔して落ち込んだことを覚えています。それと同時に、やはり普段からたくさん入居者の方と関わっている介護職員の方の意見はとても大切で、もっとしっかりコミュニケーションをとって連携していくことも必要だと感じました。
看護師が少ない
前のポイントと少し似ているところもありますが、基本的に介護職員が多く、看護師は数名で対応している施設がほとんどだと思います。そのため、急変や緊急対応があった時はとてつもなくバタバタしていました。私が最初に入職したところは、施設のすぐ隣に提携している病院があったので、医師に連絡して、家族に連絡して、検査に連れて行って、入院が必要となれば入院の準備をして…と、他の業務がほとんどできなくなるくらいドタバタしていました。もちろん、看護師同士協力して残っている業務の調整をしていきます。しかし、看護師が少ないということは、もし看護師の中で苦手な人やお局さんがいた場合、嫌でも関わる時間が多くなってしまいます。私も最初は『お局さんいる…。苦手かも…。』と思う人もいましたが、激務をこなしていく中で次第に打ち解けていくことができましたし、ある意味戦友みたいな気持ちで一緒に残業する時もありました。こればっかりは入職してみないとわかりませんが、忙しかったり、限られた人数で業務をこなしていかなければならない現場ゆえに、最初は苦手だった人と打ち解けていくこともあるかもしれませんね。
あくまでも生活の場
何回もお伝えしていますが、多くの高齢者施設はあくまでも『生活の場』なので、必ずしも医療行為や看護が優先される場合ばかりではありません。病院では患者さんの疾患の治療や緩和が目的であり、なおかつ安心・安全が第一なのである意味、行動を制限することも多くあり、治療を最優先に行います。しかし、高齢者施設では、ご本人や家族の意向を聞いて、どのような生活を送っていきたいのか、生活の中で少しでもできるようになりたいことなど、施設での生活を基盤にケアプランを作成します。そのため、病院ではできないような(援助が多く必要な)リハビリや食事の工夫なども行うこともあります。私も最初は、「えっ!そんなことしても大丈夫!?」というような戸惑いもありましたが、やはり施設では極力、ご本人の意思や家族の意向が重視されるので、その中で看護師としてどのように支援できるのかを探していくことが大切です。そのため、病院ではできなかった、より密な関わりを持てるのも施設のいいところかもしれません。
業務が分担されているか
私が勤務していたところは、身体介護(食事・入浴・排泄介護)は基本的に全て介護職員が行っていました。というのも、私は転職の際の条件として「身体介護は基本的になし」という項目もあげていました。病棟勤務で少し腰を痛めていたので、できれば看護業務のみに専念できる職場を探しました。施設によっては、看護師も介護職員と一緒に身体介護をするところもあります。もちろん、私がいた施設でも、看護師の業務が落ち着き、手が空いていれば身体介護を行うこともありました。ですが、経管栄養や褥瘡の処置、回診の準備など、ほぼほぼ看護師の業務で手一杯になり、その時点でへとへとになっていました(笑)その施設がどのような業務分担をしているのかも、高齢者施設で働く際に大事なポイントになるかもしれません。
私も最初は、病院と違うことがたくさんありギャップに驚いたり、正直戸惑うことがとても多かったです。また、看護師として私が判断しなければならないことも多く、そういう面で責任感がよりずしっと重くのしかかりました。しかし、病院勤務だけでは見えなかった、退院した後の高齢者の方の生活や環境も知ることができました。また、病院ではできなかった関わりや、高齢者施設ならではの取り組みやレクリエーションなど、一緒に楽しんだり、病院とは違った生活支援のアプローチの仕方など、学ぶこともたくさんありました。
みなさんも、自分にあった高齢者施設での働き方が見つかりますように。