
「浮腫があると、褥瘡になりやすいって聞くけど…実際どうしてなの?🤔」
「皮膚がやわらかくて傷つきやすい患者さんをどう観察したらいいんだろう?」
そんな悩みを感じたこと、ありませんか?🩺
浮腫(むくみ)は、皮膚の中に水分がたまることで起こります。
一見ただの“むくみ”に見えても、皮膚の下では圧がかかりやすく、
ちょっとした刺激でも傷つきやすい状態になっているんです。
この記事では、以下のことが分かりますよ✨
-
浮腫とは?どうして起こるのか
-
浮腫が褥瘡を起こしやすくする理由
-
浮腫皮膚で起きる変化と観察のコツ
-
予防に向けた基本的な考え方(圧抜き・保湿・清潔)
ポイント👉
浮腫があると、皮膚の中の血流が悪くなり、酸素や栄養が届きにくくなります。
その結果、ほんの少しの圧や摩擦でも皮膚が傷つきやすくなり、褥瘡のリスクが高くなる。
この記事では、浮腫と褥瘡の関係をわかりやすく整理しながら、
新人さんでも「観察や予防のポイント」がすぐ実践できるように解説していきます💗
🩺 褥瘡の発生メカニズムをおさらい|圧・ずれ・摩擦の関係
褥瘡(じょくそう)は、「皮膚に長い時間、圧がかかること」で起こるもの。
でも実際は“圧だけ”ではなく、「ずれ」や「摩擦」も深く関わっているんです。
患者さんの姿勢や体の状態、ベッドの角度など…
ほんの少しの条件の違いで、皮膚へのダメージが大きく変わってしまうこともあります。
圧迫による血流障害
長時間、同じ部位に圧がかかると、その下にある血管が押しつぶされます。
血流が止まると、細胞に酸素や栄養が届かなくなり、やがて壊死が始まります。
たとえば、仙骨部や踵は体重が集中しやすい場所。
ベッド上でじっとしていると、たった2時間程度でも皮膚の中ではダメージが始まっていることもあるんです。
だからこそ、「体位変換」や「圧抜き」は褥瘡予防の基本になりますね🛏️
ずれによる組織のねじれ
ずれとは、骨と皮膚が別々の方向に引っ張られる状態のこと。
ベッドのギャッチを上げたとき、患者さんの体が少しずり落ちるような場面を思い出してみてください。
皮膚の表面はシーツに固定されているのに、体の内部(骨や筋肉)は下方向に動こうとします。
この“ねじれ”が皮下組織を引き裂くような力になり、内部で損傷が起きてしまうのです。
表面はきれいでも、内側ではダメージが進んでいることもあります⚠️
だから、「ずれ」は見た目以上に怖いんです。
摩擦による皮膚表面の損傷
摩擦は、皮膚がシーツや衣類とこすれたときに起きます。
浮腫がある皮膚はとてもデリケートで、ちょっとしたこすれでも表皮がめくれやすいんです。
清拭のときにゴシゴシこすったり、体位変換で皮膚を引きずるように動かしたりすると、
ほんの一瞬でも表皮剥離(スキンテア)を起こしてしまうことがあります。
やさしく支えるように、滑らせるように動かすことがポイントです🫧
浮腫と褥瘡の“悪循環”に注意!
浮腫があると皮膚が弱くなり、圧やずれの影響を受けやすくなります。
そして一度皮膚が傷つくと、炎症が起きてさらに浮腫が悪化…。
この“悪循環”に入ると、褥瘡はあっという間に広がってしまうんです。
つまり、浮腫のケア=褥瘡予防の第一歩。
どちらか一方を切り離して考えるのではなく、「同時に観察・ケアする」ことが大切ですね🌼
このように、「圧・ずれ・摩擦」は褥瘡の三大要因。
浮腫のある皮膚では、それらがより強く作用してしまいます。
だからこそ、日々の小さな変化に気づく“観察力”が、何よりの予防になるんです🩵
「気になる病院があるんだけど、どんなスキルが求められるの?」
「近くの病院って働きやすいのかな…」などなど!!
あなたの気になる職場の調査をしてきます🌟😉
くんくん求人調査とはline登録であなたが気になる病院などの、職場環境や評判を徹底調査するサービスです。
🔍 浮腫患者の皮膚にみられる特徴と注意サイン
浮腫がある患者さんの皮膚って、見た目はなんとなく「ふっくらしているだけ」に見えることがありますよね。
でも、実はその“やわらかそうに見える皮膚”こそが、とてもデリケートで傷つきやすい状態なんです💦
浮腫皮膚は、表面のバリア機能が弱まり、血流も滞りがち。
ちょっとした摩擦や圧力でも、簡単にびらんや水疱ができてしまうことがあります。
だからこそ、日々の観察で小さな変化を見逃さないことがとても大切なんです🩺
👀 観察の基本|「見る+触る」で確認する
浮腫皮膚を観察するときは、見た目だけでなく、手で触れて確かめるのがポイントです。
新人さんの中には「見た目が変わっていないから大丈夫」と思ってしまう方もいますが、
実は触ってみると、「弾力がなく、押すと戻りが遅い」なんてこともよくあります。
-
軽く指で押して跡が残る(pitting)
-
皮膚がピンと張っていて、光沢がある
-
触れると少し冷たい感じがする
こうしたサインが見られたら、皮膚の中に水分がたまりすぎているサインです💧
💦 水疱・びらん・浸出液に要注意
浮腫が強いと、皮膚の中の圧が上がって水疱(水ぶくれ)ができることがあります。
その水疱が破れると、皮膚の表面がむき出しになり、びらん(ただれ)へと進行します。
そこに圧や摩擦が加わると、あっという間に褥瘡に進んでしまうことも…。
そんなときは、早めに皮膚保護剤や被覆材でカバーしてあげましょう。
“悪化させないケア”が大事です。
また、清拭のときにタオルでゴシゴシこすらず、やさしく押さえるように拭くのも大切なコツです🫧
🦵 注意すべき部位|圧と浮腫が重なりやすい場所
特に注意したいのは、「圧がかかりやすい+浮腫が出やすい」部位です👇
注意部位 | 理由 | チェックポイント |
---|---|---|
下腿・足背 | 重力で水分がたまりやすい | くるぶし周囲や足の甲の張り具合を確認 |
仙骨部 | 長時間の仰臥位で圧迫されやすい | 赤み・テカリ・硬さがないか触れて確認 |
踵(かかと) | 皮膚が薄く血流が少ない | 少しでも赤みがあれば圧抜きの工夫を |
手背・前腕 | 点滴固定・テープの刺激 | テープ下の皮膚変化をこまめに観察 |
観察のときに、シーツや装具のしわ、テープの貼り方も一緒に見直すと◎です。
皮膚を守るのは「ちょっとした気づき」の積み重ねなんですよ🌸
💬 現場のひとことメモ
「毎日見ているのに、昨日まではなかった赤みが…!」
そんな経験はありませんか?
浮腫皮膚は一晩でも状態が変わることがあります。
だから、その日の観察を“前日と比べて”みることがとても大切です👀
浮腫の変化は、写真で残してチームで共有するのもおすすめです📷✨
🌼 まとめ:触れて感じる観察が、予防の第一歩
浮腫皮膚は「見るだけ」では分からないことがたくさんあります。
日々のケアの中で、
-
やわらかさ
-
温かさ
-
張り
-
色
こうした感覚的なサインを意識して観察していくことが、褥瘡の早期発見につながります。
“なんとなく違うかも?”という小さな違和感を大切にできるのが、看護師さんの強みです💗
🧾 アセスメントに役立つ!浮腫と褥瘡リスクの評価方法
浮腫のある患者さんを受け持ったとき、
「どのくらい危険なのか」「どの部位を重点的に見ればいいのか」って迷うこと、ありませんか?
そんなときに役立つのが、客観的なアセスメントです。
感覚だけで判断せず、共通の言葉でチームに伝えることができるようになると、
ケアの方針もスムーズに決まります🩺✨
👣 まずは浮腫の“深さ”と“戻り方”をチェック
浮腫を観察するときは、「見た目」よりも「触った感触」を重視しましょう。
指で軽く3秒ほど押して、跡がどのくらい残るかを見ます。
-
すぐに戻る:軽度の浮腫
-
数秒〜10秒残る:中等度
-
30秒以上戻らない:重度
左右差や、朝・夕の変化も観察できるとより正確です。
写真やメモで経時的に残しておくと、変化に気づきやすくなります📷
🩹 皮膚の色・温度・硬さも見逃さない
浮腫が進むと、皮膚は冷たく・硬く・光沢があるように感じることがあります。
これは血流が滞っているサインです。
反対に、炎症が起きているときは温かくなったり、少し赤みを帯びたりします。
その微妙な違いを感じ取れるようになると、観察の精度がぐっと上がりますよ🌿
💬 現場メモ:
「光沢が強くてピンと張っている皮膚」は要注意。
その下ではすでに組織の循環が悪くなっていることもあります。
🧮 Bradenスケールでリスクを“見える化”しよう
褥瘡のリスクをチームで共有するには、Bradenスケールの活用が便利です。
6項目(感覚認知・湿潤・活動・移動・栄養・摩擦ずれ)をそれぞれ点数化して、
合計点が低いほど褥瘡リスクが高いと判断します。
特に、浮腫患者では「湿潤」「摩擦ずれ」の項目が悪化しやすい傾向があります。
スコアを定期的に見直して、変化を早めにキャッチすることが大切です🧾
📊 DESIGN-Rで皮膚変化を記録する
もしすでに皮膚にびらんや赤みがある場合は、DESIGN-Rを使って記録しておくと便利です。
部位・大きさ・深さ・滲出液などを細かく評価できるので、
経過観察や情報共有がしやすくなります。
💡ポイント:
文章だけで記録するより、「写真+スケール表+短いコメント」を組み合わせると、
チーム内で状態が共有しやすくなります。
🧠 アセスメントは“判断”ではなく“観察の積み重ね”
新人のうちは、「これは危ない」「これは大丈夫」と判断することに迷うかもしれません。
でも大切なのは、毎日の小さな変化を積み重ねて記録すること。
そのデータが、次に活かせる判断材料になります。
観察したことを「気づきメモ」として残しておくのもおすすめですよ🩵
🌸 まとめ:評価はチームケアの共通言語
アセスメントは、看護師一人のためだけでなく、
チームみんなが同じ方向で患者さんを支えるための“共通言語”です。
浮腫や皮膚の状態を正しく評価できると、
次のケア(体位変換・スキンケア・圧分散)にもつながります。
「なんとなく」ではなく、「根拠をもって観察・伝える」──
それが褥瘡予防の第一歩になります🌼
🩹 看護の基本戦略|浮腫のある患者に褥瘡をつくらないために
浮腫のある患者さんを受け持つとき、
「どこまで気をつければいいんだろう?」と悩むこと、ありませんか?
浮腫皮膚はとてもデリケートで、
ほんの少しの圧や摩擦でも、あっという間にびらんや褥瘡へと進行してしまうことがあります。
でも大丈夫です😊
基本の考え方と日々の小さな工夫を押さえれば、しっかり予防できます。
🧴 皮膚を守る3原則|清潔・保湿・圧抜き
褥瘡予防の基本は、まず皮膚を健康な状態に保つことです。
1️⃣ 清潔
汚れや汗、浸出液が残ると皮膚がふやけて傷つきやすくなります。
清拭や入浴では、こすらず「押さえるようにやさしく拭く」がポイントです🫧
2️⃣ 保湿
浮腫皮膚は乾燥して見えなくても、水分バランスが崩れています。
入浴後や清拭後は、保湿剤で皮膚を“守る膜”を作ってあげましょう。
塗るときは、手のひら全体でやさしく包み込むように。
3️⃣ 圧抜き
浮腫のある部分は、圧が加わると血流がすぐに悪くなります。
体位変換やクッションの位置調整で、こまめに圧を逃がす工夫をしましょう。
💡ポイント:
「皮膚を守る=触れる回数を減らす」ではなく、
“やさしく観察する”ことを増やすという意識が大切です。
🛏️ 体位変換・クッションの使い方を工夫する
体位変換は褥瘡予防の基本中の基本ですが、
浮腫がある場合は、角度や支え方にひと工夫が必要です。
-
下肢浮腫では、軽く足を挙上して循環を助ける
-
仰臥位が続くときは、仙骨部・踵部の圧抜きを意識する
-
シーツのしわやゴミ、湿り気は「小さな敵」です⚠️
特に、ギャッチアップ時は“ずれ”が起こりやすいので、
膝下にクッションを入れるなどして体の滑りを防ぐと安心です🦵
👩⚕️ チームで早期介入を
褥瘡は、看護師一人の努力だけでは防ぎきれないこともあります。
だからこそ、チーム全体で早めに関わることが大切です。
-
医師と連携して、浮腫の原因(心不全・低栄養など)を改善
-
リハビリスタッフと協力して、体動やポジショニングを調整
-
栄養士と連携し、たんぱく質やビタミン補給の提案
「浮腫がある=リスクが高い」と共有できていれば、
チームで先回りしたケアができます🤝
🚫 日常生活ケアにも潜む“褥瘡の落とし穴”
意外と見落としがちなのが、日常の小さな刺激です。
-
シーツやパジャマのしわ
-
医療用テープの貼りっぱなし
-
おむつの折り返しや吸収体の硬さ
-
ずれた体位のままの放置
これらが積み重なると、浮腫皮膚には大きなダメージになります。
「なんとなく大丈夫そう」をなくすことが、褥瘡予防のコツなんです🌼
🌷 看護師の“気づき”がいちばんの予防薬
浮腫と褥瘡のケアは、特別な道具や複雑な技術よりも、
日々の小さな気づきと声かけがいちばんの力になります。
「今日は少し張ってるな」
「昨日より赤みが強いかも」
その一言が、患者さんを守る第一歩です。
🌸 まとめ:やさしく観て、守る看護を
浮腫がある皮膚は、“そっと守ってあげたい皮膚”。
清潔・保湿・圧抜きの3原則を意識して、
変化に早く気づける「観察力」を磨いていきましょう🩵
褥瘡を「できてから対応する」ではなく、
「できる前に気づく」──それが、看護師さんにしかできないケアです🌈
🌸 まとめ|浮腫を理解することが、褥瘡を防ぐ第一歩
浮腫がある皮膚は、一見なめらかに見えても、
その内側では血流が滞り、圧や摩擦にとても敏感な状態になっています。
だからこそ、「浮腫=褥瘡の予兆」として早めに気づくことが、
患者さんを守るいちばんの近道なんです🌷
清潔・保湿・圧抜きの3原則を意識して、
日々の観察の中で“いつもと違う”小さな変化を見逃さないようにする。
それが、浮腫を持つ患者さんに寄り添う基本の看護です。
まとめポイント👉
浮腫は皮膚のバリア機能を弱め、褥瘡リスクを高める
「見る+触る+比べる」で観察の精度を上げる
チームで共有し、早めの介入を意識する
新人さんにとっても、ベテランさんにとっても、
「浮腫を理解すること」は褥瘡ケアの第一歩。
今日から少しずつ、観察の“目と手”を育てていきましょう🩺✨
🌿 次回予告|第2回はケア実践編!
次の記事では、
🪶 「浮腫患者の褥瘡予防ケア|スキンケア・体位変換・圧分散の実践ポイント」
をテーマに、実際のケア手順や工夫をわかりやすく紹介します💡
浮腫皮膚にやさしい清拭方法、
体位変換の角度のコツ、
圧抜きクッションの使い方など──
明日から使えるヒントをたくさんお届けします🧡
👉 続きはこちら:【第2回】浮腫患者の褥瘡予防ケア実践編へ
<参考・引用>
日本産婦人科学会
maruho
日本褥瘡学会
メディケアリンパセンター
創傷治癒センター