「急性期の脳血管疾患の患者さん、どこを優先的に観察すればいいんだろう…?」
「神経症状の変化が怖い…。新人でも判断しやすいポイントを知りたい…」
そんなお悩みはありませんか??😥
この記事では
- 急性期に最優先で確認すべき観察項目
- 新人がつまずきやすいケアの注意点
- 合併症予防と急変サインの見極め
が分かりますよ♪
結論👉
脳血管疾患の急性期看護では「意識・瞳孔・呼吸・循環」の変化を最優先で観察し、合併症を早期に防ぐことが最重要です。
この記事では、急性期で新人看護師が迷いやすい観察・ケア・安全管理をやさしく整理して解説します😊
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1. 脳血管疾患とは?種類と病態の基礎整理
脳血管疾患は「脳の血管が詰まる」「血管が破れる」ことで脳の働きが急激に障害される病気です。
新人看護師さんが急性期看護を理解するうえで、まず押さえておきたいのが種類による病態の違いです。
ここを理解しておくと、観察すべきポイントやリスクも自然とつながってきますよ😊
1-1 脳血管疾患の大きな分類(虚血性/出血性)

脳血管疾患は大きく虚血性(脳梗塞)と出血性(脳出血・くも膜下出血)の2つに分かれます。
それぞれの特徴をシンプルに整理すると以下の通りです。
| 種類 | 特徴 | 急性期での看護の注目点 |
|---|---|---|
| 虚血性(脳梗塞) | 血管が詰まり、脳に血液が届かない状態 | 血流再開後の再灌流障害、脳浮腫の進行に注意 |
| 出血性(脳出血・くも膜下出血) | 血管が破れて脳内に出血が広がる | ICP(頭蓋内圧)亢進と再出血リスクの早期発見が重要 |

観察すべき指標が変わることを意識するとよいですよ。
1-2 脳梗塞・脳出血が起こるしくみ
脳梗塞は血栓や動脈硬化が原因で血管が詰まり、脳が酸素不足(虚血)状態になります。
一方、脳出血は血管が破綻して血腫形成が起こり、脳を圧迫して機能障害が急速に進行します。
この違いを理解すると、急性期でよくみられる脳浮腫や意識レベルの変化が「なぜ起こるのか?」がつながります。
1-3 急性期看護に直結する病態生理のポイント
急性期で必ず押さえておきたい最重要ポイントは次の3つです。
- 脳浮腫の進行=意識レベルの悪化につながる
- 頭蓋内圧(ICP)は上昇しやすく、早期発見が急変予防になる
- 神経症状は「突然変化する」ため観察頻度が重要
特にICP亢進は呼吸・循環の変化にも波及しやすいので、新人看護師さんがまず理解したいポイントです。
このあと続く「急性期の観察」「合併症予防」の章とつながる基礎となりますよ🧠✨
2. 急性期の脳血管疾患看護(最重要パート)
急性期は「時間との勝負」であり、患者さんの状態が短時間で大きく変化する時期です。
新人看護師さんがまず身につけたいのは、優先順位をつけて観察・ケアすることと、合併症を早期に予測できる視点です。
ここでは、実際の臨床で迷わないために押さえたい観察ポイントとケアを詳しく整理しますね😊
2-1 急性期で最優先となるアセスメント(意識・瞳孔・呼吸・循環)
急性期では神経症状の変化をいち早く捉えることが最も重要です。
そのため、以下の4つは必ずセットで評価していきます。
- 意識レベル(JCS・GCS)
- 瞳孔の大きさ・左右差・対光反射
- 呼吸パターン(努力呼吸・不規則呼吸など)
- 血圧・脈拍・SpO₂など循環動態
特に、瞳孔の急変や意識レベルの低下は脳浮腫やICP上昇のサインであることが多く、重大な悪化につながる可能性があります。
観察は「ルーチン作業」ではなく、必ず前回評価と比較しながら行いましょう。

2-2 神経症状の観察ポイント(FAST/NIHSSにつながる評価視点)
急性期は神経症状が急激に変化するため、FASTの視点(Face・Arm・Speech・Time)を基本に観察します。
さらに詳細な評価としてNIHSSにつながる視点も理解しておくと、異常の早期気づきに役立ちます。

| 観察項目 | 見るポイント | 異常の例 |
|---|---|---|
| 顔(Face) | 左右差、口角の下垂 | 顔面麻痺が悪化している |
| 腕(Arm) | 挙上保持の可否、脱力の進行 | ドリフトが顕著、力が入らない |
| 発語(Speech) | 呂律、理解・表出の困難 | 失語が進行、反応が鈍くなる |
これらの変化はすべて脳のどの部位が障害されているかを示す大切な情報になります。
新人さんはまず「Before–Afterの変化」を正確に見ることを意識しましょう。
2-3 急性期に起こりやすい合併症と予防
急性期は、病態そのものに加えてさまざまな合併症が起こりやすい時期です。
特に以下の3つは頻度も高く、予防が非常に重要です。
- 誤嚥・誤嚥性肺炎
- 深部静脈血栓症(DVT)
- 再出血・脳浮腫の悪化
誤嚥については、嚥下機能が低下している患者さんが多いため、食事再開の判断や体位が特に重要です。
DVTは安静時間が長くなるほどリスクが増えるため、弾性ストッキングやフットポンプなどを早期に活用します。
2-4 看護師が行う急性期ケアの実際(体位管理・経口摂取・清潔ケア)
急性期ケアでは「どのタイミングで・どの程度行うか」の判断がとても重要です。
以下は新人看護師さんが迷いやすいケアのポイントです。
- 頭部挙上は基本30度前後:ICP(頭蓋内圧)上昇を防ぐ目的
- 口腔ケアは誤嚥予防に直結:1日2〜3回は実施
- 清潔ケアは安静度とICPを考慮し短時間で行う
これらのケアは一見基本的に見えますが、患者さんの状態変化を見ながら調整することがとても重要です。
2-5 治療(tPA、血栓回収、降圧管理)と看護の関連
急性期治療は、看護と密接に関わります。
tPA(血栓溶解療法)は発症から4.5時間以内が適応であり、投与後は出血リスクの増加に注意が必要です。
また、血圧管理は病態悪化や再出血を防ぐうえで非常に重要です。
治療を理解することで、看護師は「なぜ今この観察が必要なのか」の根拠を持てるようになります。
2-6 家族対応と説明サポート
急性期は患者さんだけでなく、家族の不安も大きい時期です。
新人看護師さんは以下のポイントを意識すると対応しやすくなります。
- 治療や病状の進行を「短く・わかりやすく」説明する
- 急変の可能性と経過の見通しを共有する
- 家族の不安に耳を傾ける姿勢を大切にする
急性期は不確定要素が多く、家族も精神的に揺れています。
「安心できる雰囲気づくり」も看護の一部ですよ😊
3. 回復期・慢性期に向けた看護のつなぎ
急性期を乗り越えたあとは、患者さんが「どのように回復し、どんな生活に戻るのか」を見据えた支援が大切になります。
新人看護師さんにとって、急性期から回復期・慢性期へ“橋渡し”する視点は、患者さんの全体像をつかむうえで欠かせません。
ここでは、急性期の看護とスムーズにつなげるために押さえておきたいポイントを整理しますね😊
3-1 早期リハビリの考え方と急性期からできる支援
回復期に向けて重要なのが早期リハビリです。
急性期の状態が安定してきたら、できる範囲で筋力維持や拘縮予防のための動作を取り入れていきます。
- ベッド上での関節可動域訓練(ROM)
- 体位変換による拘縮・褥瘡予防
- 離床時期の調整と安全確保
特に脳血管疾患では、「動かさないこと」が機能低下につながりやすく、回復を遅らせてしまいます。
そのため、急性期のうちからリハビリスタッフと連携し、無理のない範囲で離床や運動を進めていくことが重要です。

看護師が患者さんのバイタルや神経症状の変化を共有すると、よりスムーズに進みますよ。
3-2 ADL評価と生活支援に向けたアセスメント
回復期ケアは「どこまで自立できるか」を見極める段階でもあります。
そのため、以下のようなADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)を丁寧に評価します。
- 食事動作(誤嚥リスク・食事形態の適正)
- 更衣・整容・トイレ動作の能力
- 移乗・歩行のレベル(転倒リスク含む)
脳血管疾患の患者さんは、身体機能だけでなく認知機能・注意力も影響を受けやすいため、
「できる動作」と「実際の動作の安全性」を分けて見ることが大切です。
3-3 退院支援・再発予防につながる教育(服薬・生活習慣・危険サイン)
回復期〜慢性期で重要なのが、退院後の安全な生活と再発予防をサポートすることです。
脳血管疾患は再発率が高いため、教育を欠かすことはできません。
- 降圧薬・抗血小板薬などの内服管理
- 生活習慣(減塩・禁煙・運動)の調整
- 再発の危険サイン(突然の脱力・しびれ・呂律)
教育は患者さん本人だけでなく家族にも共有することで、退院後も継続して予防が行いやすくなります。
また、急性期の頃から「どのような説明が必要か」を見据えて関わっておくと、退院時の指導がスムーズになりますよ😊
4. コミュニケーション障害のある患者の関わり方
脳血管疾患では、失語症・失認・注意障害などにより、患者さんとのコミュニケーションが難しくなることがあります。
急性期は特に、患者さんが自分の症状を言葉で伝えられない状態も多く、看護師の観察力と関わり方がとても重要です。
ここでは、新人看護師さんが迷いやすいポイントを分かりやすく整理していきますね😊
4-1 失語症の種類と関わり方
失語症は単なる「話せない」ではなく、言語の理解・表出・読解・書字などさまざまな側面が障害される状態です。
種類によって関わり方も少しずつ異なります。
| 種類 | 特徴 | 関わり方のポイント |
|---|---|---|
| 運動性失語(ブローカ失語) | 理解は比較的保たれるが、言葉が出にくい | ゆっくり待つ、Yes/Noで答えられる質問にする |
| 感覚性失語(ウェルニッケ失語) | 流暢に話すが内容にまとまりがなく理解が困難 | 短く具体的に伝える、ジェスチャーを併用する |
失語症の患者さんは「伝わらないことに frustration(もどかしさ)」を感じやすいため、
焦らせず、落ち着いた環境で関わることがとても大切です。
4-2 半側空間無視・失認への安全ケア
脳血管疾患では、特に右半球の障害で半側空間無視が起こりやすいと言われています。
これは、視覚の異常ではなく、「存在に気づけない」という認知の問題で、転倒や自己抜去などのリスクにつながります。
- 無視側からの声かけだけでは気づけない
- 食事では無視側に食べ残しが出やすい
- 移動・歩行時の接触・転倒リスクが上がる
そのため、ベッド配置や声かけの位置、食事の置き方など、環境調整でリスクを減らすケアが重要になります。

「できていない」のではなく「気づけない」状態であることを理解するとケアが変わりますよ。
4-3 認知・情緒面へのサポート
脳血管疾患の急性期では、混乱・不穏・抑うつなど、精神心理面の変化がみられることがあります。
これらは病気による脳の変化だけでなく、環境の急激な変化や身体機能の低下がストレスとなって現れることもあります。
- 見通しを短い言葉で伝えて安心感を与える
- 静かな環境で刺激を減らす
- 感情表出を否定せず受け止める姿勢を持つ
情緒面は身体症状に比べて見落とされやすい部分ですが、急性期の QOL や安全確保に大きく関わります。
新人看護師さんは「患者さんの表情・声のトーン・行動の変化」などを丁寧に観察してみてくださいね😊
5. 急性期看護の重要ポイントを図で整理
ここでは、これまで学んだ急性期の観察・ケア・合併症予防を「図で理解する」イメージでまとめます。
新人看護師さんが臨床で迷ったときに思い出しやすいよう、流れと優先順位を整理しておきましょう😊
5-1 急性期観察のフローチャート
急性期では一つひとつの観察が“つながって”判断につながります。
以下は図でまとめると理解しやすい観察フローの例です。
- ① 意識レベルの変化を最優先で確認
- ② 瞳孔・対光反射で脳幹の状態を確認
- ③ 呼吸パターン(チェーンストークス等)の異常をみる
- ④ 血圧・脈拍・SpO₂で循環動態を把握
- ⑤ 神経症状(FASTの視点)を評価し、前回との差を比較
これらを“ひとつずつバラバラに見る”のではなく、
「意識の変化 → 呼吸・瞳孔 → 血圧 → 神経症状」の関連性として理解することが急性期看護では非常に大切です。
5-2 合併症予防ケアの一覧(表で整理)
急性期に起こりやすい合併症と、それぞれに必要な看護ケアを表でまとめます。
図表化すると、リスクと対応が頭の中で整理しやすくなりますよ😊
| 合併症 | リスク要因 | 看護ケアのポイント |
|---|---|---|
| 誤嚥・誤嚥性肺炎 | 嚥下障害・意識低下 | 食事前の覚醒確認、体位調整、口腔ケアの徹底 |
| 深部静脈血栓症(DVT) | 長期臥床・脱水 | 弾性ストッキング、フットポンプ、早期離床 |
| 脳浮腫・ICP上昇 | 病態進行、再灌流障害 | 頭部挙上・刺激最小化・急な体位変換を避ける |
特に誤嚥・DVT・ICP上昇の3つは急性期ケアで必ず押さえておくべきポイントです。
5-3 急変時の対応フロー(図で理解)
急性期は急変が起こりやすく、看護師がいち早く変化に気づくことが命に直結します。
図でまとめると以下のような流れになります。
- ① 意識・瞳孔の変化を発見 → すぐに報告
- ② バイタルサインを再測定し、悪化の有無を確認
- ③ 呼吸状態の評価(低酸素・不規則呼吸の有無)
- ④ 必要時は酸素投与・体位調整など一次対応
- ⑤ 医師到着までの情報整理(いつ・どのように変化したか)
「いつ」「どのように」変化したかを明確に伝えることが、急変対応の質を上げる重要ポイントです。
新人さんはまず、変化を“見逃さない”観察力を大切にしてくださいね😊
👉 ✅まとめ|この記事で学べる脳血管疾患看護
この記事のまとめポイント
この記事での再重要部位👉
- 急性期は「意識・瞳孔・呼吸・循環」の変化を最優先で観察する
- 神経症状(FAST)の変化は突然。前回との比較が重要
- 誤嚥・DVT・ICP上昇などの合併症は看護で予防できる部分が大きい
記事のまとめ🌸
脳血管疾患の急性期は、患者さんの状態が大きく揺れやすく、看護師の観察力と判断がとても重要になります。
今回の記事では、病態の基礎から急性期の観察・ケア・合併症予防、さらにコミュニケーション障害や回復期へのつなぎまで幅広く整理しました。
新人看護師さんは「すべてを完璧にしよう」と思う必要はありません😊
まずは患者さんの変化に気づくことから始めていけば、必ず急性期看護の力がついていきます。
これからの臨床でも、迷ったときはぜひこの記事を振り返ってみてくださいね。
あなたの看護をしっかり支えてくれますよ🩺✨
<参考・引用>
横浜新都市脳神経外科病院
LIFULL介護

