{大カテゴリ}3年以上の{中カテゴリ}の求人横断検索

その職場あなたにあってる? 運命の職場診断へ

血圧測定の注意点と正しい測り方|看護師が教える測定タイミングと記録の重要性6ステップ

「血圧測定って基本だけど、本当に正しくできているかな?」「患者さんの状態によって測定部位を変えるべき時ってどんな時?」「測定値に影響する要因って何だろう?」

そう思う方も多いのではないでしょうか。

この記事では

  • 血圧測定前に確認すべき患者さんの状態 ✓

  • 測定部位の正しい選択方法 ✓

  • マンシェットの適切な巻き方 ✓

  • 測定禁忌となるケース ✓

  • 正確な測定値を得るためのコツ ✓

  • 日内変動を考慮した測定タイミング ✓

  • 記録時の注意点 ✓
    が分かりますよ♪

血圧測定は基本的な看護技術ですが、正確な値を得るためには適切な準備と手順が不可欠です。
特にシャント側での測定禁忌や、測定前の5分間の安静確保など、見落としがちなポイントがいくつもあります。

この記事では、臨床現場ですぐに活かせる血圧測定の注意点と、患者さんの状態に合わせた測定方法について詳しく解説していきます。
明日からの業務にすぐ役立つ内容ですので、ぜひ最後までご覧ください!🩺📊

血圧測定の基本と看護師が知っておくべき重要ポイント 🩺

血圧測定は看護業務の基本中の基本ですが、正確な値を得るためには意外と多くの注意点があります。
患者さんの状態を正確に把握するためにも、改めて基礎知識から測定テクニックまでをおさらいしていきましょう✨

血圧とは?基礎知識の再確認 💡

血圧とは、血液が血管壁に及ぼす圧力のことです。
私たち看護師が日常的に測定している血圧値には、いくつかの重要な要素があります。

血圧は主に以下の2つの値で表されます:

  • 収縮期血圧(最高血圧):心臓が収縮して血液を送り出すときの圧力

  • 拡張期血圧(最低血圧):心臓が拡張して血液を受け入れるときの圧力

正常値の目安は以下の通りですが、年齢や基礎疾患によって個人差があることを忘れないでくださいね。

分類 収縮期血圧 拡張期血圧
至適血圧 <120mmHg <80mmHg
正常血圧 120-129mmHg 80-84mmHg
正常高値血圧 130-139mmHg 85-89mmHg
高血圧 ≥140mmHg ≥90mmHg

血圧は様々な要因で変動します。
日内変動があり、通常は朝方に高く、睡眠中に最も低くなります。
また、食事、運動、精神的ストレス、体位などによっても変化するため、測定条件を一定にすることが重要です🕒

看護師として押さえておきたい血圧測定の意義 🏥

血圧測定は単なる数値の確認ではなく、患者さんの全身状態を把握するための重要な手段です。
特に以下のような意義があります:

  1. 循環動態の評価 👉 血圧は心拍出量と末梢血管抵抗の積で決まるため、循環状態を反映します

  2. 治療効果の判定 👉 降圧剤などの薬物療法の効果を評価できます

  3. 疾患リスクの評価 👉 高血圧は様々な疾患のリスク因子となります

  4. 緊急事態の早期発見 👉 急激な血圧変動は生命の危機を示すことがあります

看護師として血圧測定を行う際は、単に「測定する」という作業ではなく、「患者さんの状態を評価する」という意識を持つことが大切です。
測定値の変化に気づき、適切に対応することで、患者さんの安全を守ることができます🛡️

また、血圧測定は患者さんとのコミュニケーションの機会でもあります。
測定時の会話から得られる情報も、アセスメントの重要な要素となりますよ💬

正確な測定のための3つの黄金ルール ✨

血圧測定の精度を高めるために、以下の3つの黄金ルールを必ず守りましょう:

1. 適切な準備と環境設定 🌿

  • 測定前に患者さんに5分以上の安静時間を確保しましょう

  • 静かで適温(20〜25℃)の環境を整えましょう

  • 患者さんがリラックスできるよう、不安や緊張を和らげる声かけを行いましょう

  • 会話をしながらの測定は避け、測定中は静かな環境を保ちましょう

2. 正確な測定姿勢と位置 📏

  • 患者さんは椅子に深く腰掛け、背もたれにもたれ、足は床につけた状態にしましょう

  • 測定する腕は心臓の高さ(第4肋間)に保ち、手のひらは上向きにしましょう

  • 腕を支えるようにして、患者さん自身が力を入れないようにしましょう

  • 衣服で腕を締め付けないよう、必要に応じて袖をまくるか脱いでもらいましょう

3. 適切な機器選択と測定手技 🔧

  • 患者さんの腕周囲に合ったサイズのマンシェットを選びましょう

  • マンシェットは上腕動脈の2〜3cm上に巻きましょう

  • 聴診法では、第1音(コロトコフ音)の出現を収縮期血圧、第5音(消失)を拡張期血圧として記録します

  • 自動血圧計を使用する場合も、定期的に聴診法との誤差を確認しましょう

これらのルールを守ることで、測定誤差を最小限に抑え、より正確な血圧値を得ることができます。
特に新人看護師の方は、ベテラン看護師の測定値と自分の測定値を比較してみると、技術向上に役立ちますよ🌟

看護師必見!血圧測定前の7つの確認事項 ✅

血圧測定は日常業務の中でも特に頻繁に行う看護技術ですが、正確な値を得るためには測定前の準備が非常に重要です。
患者さんの状態や環境によって血圧値は大きく変動するため、以下の確認事項をしっかりチェックして、信頼性の高い測定を心がけましょう。
それでは、具体的な確認ポイントを見ていきましょう!

患者さんの安静状態を確保するコツ 😌

血圧測定前の安静確保は正確な値を得るために最も重要なポイントです。
血圧は身体活動や精神状態によって大きく変動するため、適切な安静状態を作り出すことが必要です。

まず、測定前には少なくとも5分間の安静時間を確保しましょう。
特に安静が必要な場合は、横臥位で15分以上の安静が望ましいとされています。
患者さんが外来や病棟に急いで来られた場合は、すぐに測定せず、しばらく休んでもらってから測定するようにしましょう。

安静確保のコツとしては:

  • 測定前にリラックスできる声かけを行う 🗣️

  • 測定の目的や方法を簡潔に説明し、不安を軽減する

  • 測定中は会話を控えめにし、静かな環境を保つ

  • 尿意がある場合は先に排尿してもらい、その後5分間安静にしてから測定する

患者さんが緊張していると「白衣高血圧」と呼ばれる現象で血圧が高く出ることがあります。
リラックスした雰囲気づくりを心がけ、自然な状態での測定を目指しましょう。💆‍♀️

測定前に確認すべき患者情報チェックリスト 📋

血圧測定前には、測定値に影響を与える可能性のある患者さんの状態や行動を確認することが大切です。
以下のチェックリストを活用して、正確な測定のための情報収集を行いましょう。

確認項目 確認内容 影響
運動 直前の身体活動の有無 循環血液量増加で収縮期血圧上昇
食事 食後経過時間 食後30分〜1時間は代謝亢進で変動
排泄 尿意の有無 尿意があると血圧上昇
入浴 入浴後の経過時間 温度による血管収縮/拡張で変動
喫煙 喫煙の有無と時間 血管収縮により血圧上昇
服薬 降圧剤等の服用状況 薬効による血圧変動
精神状態 不安・緊張・興奮の有無 自律神経刺激で血圧上昇

これらの情報を事前に確認することで、異常値が出た場合の原因推測や、継続的な測定の際の条件統一に役立ちます。
特に降圧剤を服用している患者さんの場合は、服薬のタイミングと測定時間の関係を把握しておくことが重要です💊

測定環境の整備ポイント 🌡️

血圧測定の環境も測定値に大きな影響を与えます。
正確な測定のためには、以下のポイントに注意して環境を整えましょう。

室温管理
室温は20℃以上に保つことが理想的です。
寒い環境では皮膚血管が収縮して血圧が上昇し、暖かい環境では血管が拡張して血圧が低下します。
特に冬場は室温に注意が必要です。

騒音対策
騒がしい環境は患者さんの緊張や不安を高め、血圧上昇の原因となります。
また、聴診法での測定時には、コロトコフ音の聴取が困難になります。可能な限り静かな環境を確保しましょう🔇

プライバシーの確保
血圧測定時には上腕を露出する必要があるため、カーテンやスクリーンでプライバシーを守りましょう。
他者の視線を気にして緊張すると、血圧値に影響します。

照明
目盛りを正確に読み取るために適切な照明を確保しましょう。
暗すぎると読み取りミスの原因になります。

測定姿勢の確保
座位での測定が一般的ですが、体位によって血圧は変動します。
収縮期血圧は立位、座位、臥位の順で高くなり、拡張期血圧はその逆になります。
継続的な測定では同じ体位で測定することが大切です。

環境整備は患者さんの安全と測定精度の両方に関わる重要な要素です。
少しの工夫で測定の質が大きく向上しますよ✨

測定器具の準備と点検方法 🔧

正確な血圧測定のためには、適切な器具の選択と事前の点検が欠かせません
。以下のポイントを確認して、測定の準備を整えましょう。

血圧計の種類選択

  • 電子血圧計:操作が簡易で広く使用されています。振動を利用して測定します。

  • アネロイド式血圧計:水銀を使わず目盛りで表示。低血圧やショック時の触診法に適しています。

  • 自動電子血圧計:ベッドサイドモニターとして継続的な測定に使用します。

患者さんの状態や測定目的に合わせて適切な血圧計を選択しましょう。

マンシェットのサイズ確認
患者さんの上腕周囲に合ったサイズのマンシェットを選ぶことが重要です。
小さすぎると高めに、大きすぎると低めに測定されてしまいます。
一般的な成人用のほか、小児用や肥満の方用など、適切なサイズを準備しましょう。📏

器具の点検項目

  • マンシェットに破れや劣化がないか

  • チューブの接続部に緩みや亀裂がないか

  • 空気漏れがないか(加圧後に急激に圧が下がらないか)

  • 電子血圧計の場合はバッテリー残量は十分か

  • 目盛りやデジタル表示が明確に見えるか

測定前の簡単な点検で、測定中のトラブルを防ぎ、患者さんに余計な負担をかけずに済みます。
定期的なメンテナンスも忘れずに行いましょう🔍

血圧計の精度は定期的な校正によって維持されます。
施設のルールに従って定期点検を行い、常に正確な測定ができる状態を保ちましょう。

マンシェットの選び方と正しい装着方法 💪

血圧測定において、マンシェットの選択と装着方法は測定値の正確性に直接影響する重要なポイントです。
適切なサイズのマンシェットを選び、正しく装着することで、より信頼性の高い血圧値を得ることができます。

ここでは、マンシェット選びのコツから装着手順、よくあるミスまでを詳しく解説していきます。

患者さんの腕周りに合わせたマンシェット選択 📏

マンシェットのサイズ選択は血圧測定の精度に大きく影響します。
患者さんの腕の太さとマンシェットの幅や長さが合っていないと、正確な血圧値を得ることができません🔍

マンシェットサイズの基本原則

  • 適切なマンシェットの幅は、患者さんの上腕の長さの2/3程度が目安です

  • 測定部位の円周に0.4をかけて得られる数値が、適切なマンシェットの幅となります

JIS規格によるマンシェットサイズ基準

対象年齢・部位 マンシェット幅
3カ月未満 3cm
3カ月~3歳未満 5cm
3~6歳未満 7cm
6~9歳未満 9cm
9歳以上 12cm
成人(上腕用) 14cm
成人(下肢用) 18cm

基本的には年齢に応じたサイズを選びますが、患者さんの体型も考慮することが重要です。
特に注意が必要なのは以下のケースです:

特殊な体型の患者さんへの対応

  • 腕の太い患者さんの場合、通常の成人用マンシェットでは血圧が実際より高く測定される傾向があります

  • 極端に太っている患者さんには、下肢用または大腿用のマンシェットを使用しましょう

  • 極端にやせている患者さんには、小児用のマンシェットが適しています

マンシェットサイズの選択ミスは測定値に大きな影響を与えます。
幅が広すぎると実際より低い値に、狭すぎると高い値になる傾向があるため、患者さん一人ひとりに合ったサイズ選びを心がけましょう👍

マンシェットを正確に巻く5ステップ 👌

マンシェットの巻き方も血圧測定値に大きく影響します。

 telemedEASEより画像引用

正確な測定のために、以下の5ステップを守りましょう。

ステップ1:位置の確認 🔎

  • マンシェットの下縁と肘窩の間は2〜3cm間隔を空けます

  • マンシェットが腋窩にかからないように注意しましょう

ステップ2:マンシェット内のゴム嚢の位置合わせ 📍

  • マンシェット内のゴム嚢の中央が上腕動脈の真上に来るように配置します

  • 2本のチューブの間に上腕動脈が来るように巻くのは間違いです

ステップ3:適切な締め付け具合の調整 ✋

  • 指が1〜2本入る程度の強さで巻きます

  • 緩すぎると加圧時にゴム嚢が外方に膨れ上がり、正確な圧迫ができなくなります

  • 強すぎると測定前から加圧状態となり、値が低く出てしまいます

ステップ4:患者さんの姿勢の確認 💺

  • 測定時には肘関節を伸ばした状態にします

  • 手首の位置が心臓の高さになるよう調整します(手首式の場合)

ステップ5:空気の完全排出 🌬️

  • マンシェットの空気は測定前に完全に抜いておきましょう

  • これにより、初期状態からの正確な加圧が可能になります

これらのステップを丁寧に行うことで、より正確な血圧測定が可能になります。
特に新人看護師の方は、一つひとつの手順を意識して実践してみてください。🌟

よくあるマンシェット装着ミスとその影響 ⚡

マンシェット装着時によくあるミスを知っておくことで、測定精度の向上につながります。
以下に代表的なミスとその影響をまとめました。

1. マンシェットサイズの不適合 📊

  • 小さすぎるマンシェット:実際より高い血圧値が出ます

  • 大きすぎるマンシェット:実際より低い血圧値が出ます

  • 影響の大きさ:サイズ不適合により、10〜40mmHgの誤差が生じることもあります

2. マンシェットの巻き方の問題 🔄

  • 緩すぎる巻き方:加圧時にゴム嚢が外方に膨れ、上腕動脈の圧迫が不十分になり、実際より高い値が出ます

  • きつすぎる巻き方:測定前から加圧状態となり、実際より低い値が出ます

  • 斜めに巻いた場合:上腕動脈の圧迫が不均等になり、測定値が不安定になります

3. マンシェットの位置ミス 📍

  • 肘に近すぎる位置:上腕動脈の圧を正確に測定できず、誤った値が出ます

  • 腋窩にかかる位置:圧迫が不均等になり、測定精度が低下します

  • ゴム嚢の中央が上腕動脈の上にない:正確な圧迫ができず、測定値に誤差が生じます

4. 測定禁忌部位での測定 ⚠️

  • 脳梗塞などで麻痺が残っている患側:正確な値が得られないだけでなく、患者さんへの負担になります

  • 乳がんでリンパ節郭清を行った側の腕:リンパ浮腫のリスクが高まります

  • シャント造設を行っている腕:シャント機能に影響を与える可能性があります

これらのミスは、単に測定値の誤差だけでなく、患者さんの治療方針にも影響を与える可能性があります。
特に高血圧治療中の患者さんでは、わずかな測定誤差が投薬量の調整に影響することもあるため、正確な装着を心がけましょう。

マンシェットの選択と装着は、一見単純な作業に見えますが、血圧測定の精度を左右する重要なポイントです。
患者さん一人ひとりの状態に合わせた適切な対応を心がけ、より質の高い看護ケアを提供しましょう✨

血圧測定値に影響を与える要因と対処法 📊

血圧は様々な要因によって変動する非常に敏感な指標です。
正確な測定値を得るためには、患者さん側の要因、環境要因、そして測定者側の要因をしっかり理解し、適切に対処することが重要です。

ここでは、血圧測定値に影響を与える主な要因とその対処法について詳しく解説していきます。
それぞれの要因を把握することで、より信頼性の高い測定結果を得られるようになりましょう!

患者側の要因:食事・服薬・姿勢の影響 🍽️

患者さん自身の状態や行動が血圧値に大きく影響します。
特に以下の要因は測定値を左右する重要なポイントです。

食事の影響 🍚
食後は消化や吸収などの代謝が亢進し、心拍出量と循環血流量が増加します。
これにより一般的に収縮期血圧が上昇し、拡張期血圧は低下する傾向があります。
安定した値を得るためには、食後30分〜1時間ほど経ってから測定するのが望ましいでしょう。
特に高カロリーや塩分の多い食事後は血圧上昇が顕著になることがあります。

服薬の影響 💊
降圧剤などの薬剤は血圧に直接影響します。
服薬のタイミングと血圧測定の時間関係を把握することが重要です。
例えば:

  • 降圧剤服用直後は効果が現れていない可能性がある

  • 服用から数時間後は薬効が最大になる時間帯である

  • 服用から時間が経ちすぎると効果が減弱している可能性がある

患者さんの服薬状況を確認し、可能であれば毎回同じタイミングで測定することで、値の変動を適切に評価できます。

姿勢の影響 💺
体位によって血圧は大きく変動します。
一般的に収縮期血圧は立位、座位、臥位の順で高くなり、拡張期血圧はその逆で立位、座位、臥位の順で低くなる傾向があります。
また、体位変換直後も血圧は変動し、臥位から座位あるいは立位にした直後は一時的に血圧が低下します。

測定時の姿勢に関する注意点:

  • 米国心臓協会(AHA)の推奨では、肘を心臓の高さで屈曲させた状態で測定する

  • 腕は体幹に対して直角にするポジションを保つことが重要

  • 腕を体幹と平行にすると、直角にした場合より収縮期・拡張期ともに高い測定値になる

  • 測定前に少なくとも5分間は同じ姿勢で安静にしてもらう

継続的な血圧管理では、毎回同じ体位で測定することで比較可能なデータを得ることができます。

環境要因:室温・騒音・時間帯の影響 🌡️

測定環境も血圧値に大きな影響を与えます。環境要因を適切に管理することで、より正確な測定が可能になります。

室温の影響 🌡️

皮膚の血管は気温によって収縮や拡張を起こします。
暖かい環境では血管が拡張して血圧が低下し、寒い環境では血管が収縮して血圧が上昇します。
正確な測定のためには、室温を少なくとも20℃以上に保つことが推奨されています。
特に冬場の寒い時期や冷房の効いた夏場は、室温管理に注意が必要です。

騒音の影響 🔇

騒がしい環境は患者さんの緊張や不安を高め、交感神経を刺激して血圧上昇を引き起こす可能性があります。
また、聴診法での測定時には、コロトコフ音の聴取が困難になり、測定精度が低下します。
可能な限り静かな環境を確保し、患者さんがリラックスできる状態で測定することが大切です。

時間帯の影響

血圧には日内変動があり、通常は夜間睡眠中に低下し、朝方に上昇します。
この自然な変動を理解した上で測定時間を選ぶことが重要です。
特に高血圧の管理では、朝と夕方の定期的な測定が推奨されています。

時間帯による血圧変動の特徴:

  • 朝方:起床後1時間以内は血圧が急上昇する「モーニングサージ」が見られることがある

  • 日中:活動に伴い変動するが、比較的安定している

  • 夕方〜夜:徐々に低下していく傾向がある

  • 深夜:最も低値になることが多い

継続的な血圧管理では、毎日同じ時間帯に測定することで、より意味のあるデータを得ることができます。

測定者側の要因:白衣高血圧と聴診間隔 👩‍⚕️

測定者の技術や患者さんとの関係性も、血圧測定値に影響を与える重要な要因です。

白衣高血圧の影響 👔

白衣高血圧(診察室血圧高値)は、医療機関での緊張や不安により血圧が一時的に上昇する現象です。
日本高血圧学会の調査によると、高血圧と診断された患者の約15-30%がこの状態に該当するとされています。

白衣高血圧への対応方法:

評価方法 測定回数 判定基準 観察期間
家庭血圧 朝晩2回ずつ 135/85mmHg未満 14日間
24時間測定 30分間隔 130/80mmHg未満 24-48時間
診察室多数回 3回以上 140/90mmHg未満 同日中

白衣高血圧が疑われる場合は、患者さんをリラックスさせる声かけや、複数回の測定、あるいは自動血圧計による測定など、状況に応じた対応が必要です。

聴診間隔の影響 👂

聴診法での測定時には、加圧後の減圧速度が測定値に影響します。
減圧が速すぎると正確な値が得られず、遅すぎると患者さんの負担が増加します。

適切な減圧速度:

  • 1拍につき約2mmHgずつ下がるように送気球のねじを緩める

  • コロトコフ音を確実に聴取できるペースを維持する

  • コロトコフ音が消えたら、ただちに送気球のねじを緩めて圧を0まで下げる

また、測定者の聴力や集中力、経験なども測定精度に影響します。
定期的な技術確認や、必要に応じて自動血圧計の活用も検討しましょう。

血圧測定は様々な要因の影響を受ける繊細な技術です。
患者さん側の要因、環境要因、測定者側の要因をしっかり理解し、適切に対処することで、より信頼性の高い測定結果を得ることができます。
日々の測定技術の向上を目指して、これらの知識を臨床現場で活かしていきましょう!✨

特殊な状況での血圧測定テクニック 👩‍⚕️

日常の看護業務では、標準的な血圧測定だけでなく、様々な特殊な状況に対応する必要があります。
高齢者、小児、肥満の方、不整脈のある患者さんなど、それぞれの特性に合わせた測定テクニックを身につけることで、より正確な血圧値を得ることができます。

ここでは、特殊な状況別の測定テクニックについて詳しく解説していきます。

高齢者の血圧測定で注意すべき5つのポイント 👵

高齢者の血圧測定では、加齢に伴う生理的変化や疾患の影響を考慮する必要があります。
特に以下の5つのポイントに注意しましょう。

1. 起立性低血圧の確認 🪑
高齢者は自律神経機能の低下により起立性低血圧を起こしやすくなります。
特に降圧剤を服用している方や糖尿病の方は注意が必要です。
初診時や薬の変更時には、座位、臥位、立位の順で血圧を測定し、起立性低血圧を見逃さないようにしましょう。
起立後3分以内に収縮期血圧が20mmHg以上、または拡張期血圧が10mmHg以上低下する場合は起立性低血圧の可能性があります。

2. 血管の硬化による影響への対応 🩸
高齢者は動脈硬化により血管が硬くなっていることが多く、これが測定値に影響します。
特に「仮性高血圧」と呼ばれる状態では、マンシェットで圧迫しても硬い血管が潰れにくいため、実際より高い値が出ることがあります。
このような場合は、自動血圧計と聴診法の両方で測定し、値を比較することが有効です。

3. 聴診困難への対応 👂
高齢者ではコロトコフ音が弱く、聴取しづらいことがあります。
特に「聴診間隙(auscultatory gap)」と呼ばれる現象では、一度消失したコロトコフ音が再び聞こえるようになるため、拡張期血圧を誤って高く判定してしまう可能性があります。
このような場合は、触診法と聴診法を併用したり、自動血圧計を活用したりすることが有効です。

4. 白衣高血圧への配慮 👔
高齢者は特に医療環境での緊張や不安から白衣高血圧を起こしやすいです。
測定前に十分なリラックス時間を設け、可能であれば複数回測定して平均値を取るようにしましょう。
また、家庭での測定値と比較することも重要です。

5. 服薬タイミングの確認 ⏰
高齢者は複数の薬剤を服用していることが多く、特に降圧剤は血圧値に直接影響します。
測定前に服薬状況(最後に服用した時間、薬の種類など)を確認し、記録に残しておくことが大切です。
可能であれば、毎回同じタイミング(例:服薬前、服薬後2時間など)で測定することで、より意味のあるデータが得られます。

小児の血圧測定テクニック 👶

小児の血圧測定は成人と比べて難しい面がありますが、適切な技術を用いることで正確な測定が可能です。

適切なマンシェットサイズの選択 📏
小児の血圧測定では、適切なサイズのマンシェット選択が特に重要です。
正確に測定するためには、上腕の2/3を覆うサイズのマンシェットを選択しましょう。
マンシェットの幅が上腕の2/3を越えると血圧が低く、2/3未満では血圧が高く測定されてしまいます。
年齢別の適切なマンシェットサイズは以下の通りです:

対象年齢 マンシェット幅
3カ月未満 3cm
3カ月~3歳未満 5cm
3~6歳未満 7cm
6~9歳未満 9cm
9歳以上 12cm

リラックスした環境づくり 🧸
小児は緊張や不安から血圧が上昇しやすいため、リラックスできる環境を整えることが重要です。
測定前に十分な説明を行い、可能であれば遊びの要素を取り入れたり、保護者に協力してもらったりすることも効果的です。

測定テクニック 🔍
小児の血圧測定では以下のポイントに注意しましょう:

  • 測定する上肢を心臓の高さにする

  • マンシェットのゴム嚢を上腕動脈の真上に当て、下縁が肘窩の2~3cm上になるように巻く

  • マンシェットは、指が1~2本入る程度の強さで巻く

  • マノメーターの目盛りが0点に合っていることを確認する

  • 点滴している場合は、点滴していない方の上腕で測定する

聴診法を用いる場合は、小児の血管音は聞き取りにくいので、脈拍ごとに約2mmHgの速さでゆっくり排気弁を開くことが重要です。
小児の正常値は年齢によって異なるため、年齢別の基準値を参考にして評価しましょう。

肥満患者さんの血圧を正確に測るコツ 🧠

肥満の患者さんでは、上腕の太さや形状が通常と異なるため、標準的な方法では正確な血圧測定が難しいことがあります。
以下のポイントに注意して測定しましょう。

適切なマンシェットサイズの選択 📐
肥満患者さんでは、標準的な成人用マンシェットでは小さすぎることが多く、これが測定誤差の主な原因となります。
上腕周囲が33cm以上の場合は、大型成人用(ラージアダルト)または大腿用のマンシェットを使用しましょう。
適切なサイズのマンシェットを使用しないと、実際より高い血圧値が出てしまいます。

測定部位の選択 🦵
上腕が極端に太い場合や円錐形になっている場合は、前腕や手首での測定を検討することもあります。
ただし、これらの部位での測定値は上腕とは異なる可能性があるため、初回は可能であれば上腕と前腕の両方で測定し、その差を記録しておくと良いでしょう。

姿勢の工夫 💺
肥満患者さんでは、適切な姿勢を保つことが難しい場合があります。
特に上腕を心臓の高さに保つことが重要です。必要に応じてクッションなどで腕を支え、正しい位置で測定できるよう工夫しましょう。

複数回の測定 🔄
肥満患者さんでは測定値のばらつきが大きくなることがあるため、複数回測定して平均値を取ることが推奨されます。
また、可能であれば両腕で測定し、値を比較することも有用です。

不整脈がある患者さんの血圧測定方法 💓

不整脈がある患者さんでは、心拍のリズムや強さが不規則なため、通常の方法では正確な血圧測定が難しいことがあります。
以下の方法で対応しましょう。

聴診法の活用 🔊
不整脈がある場合、特に心房細動などでは、自動血圧計よりも聴診法の方が正確な測定が可能なことが多いです。
聴診法では、不規則な心拍に対応して個々のコロトコフ音を聴取できるため、より信頼性の高い値が得られます。

複数回の測定と平均値の採用 📊
不整脈による血圧変動を考慮して、少なくとも3回以上測定し、その平均値を採用することが推奨されます。
測定値に大きなばらつきがある場合は、さらに回数を増やすことも検討しましょう。

測定間隔の調整 ⏱️
不整脈の種類によっては、通常の1~2分間隔ではなく、より長い間隔(例:3~5分)を空けて測定することで、より安定した値が得られることがあります。

記録の工夫 📝
不整脈がある患者さんの血圧記録では、単に数値だけでなく、測定時の脈の状態(不整の程度、脈拍数など)も併せて記録することが重要です。
例えば「AF(心房細動)あり、脈拍80-100/分、不整」などと記載しておくと、後から値を評価する際に役立ちます。

自動血圧計の選択 🔧
不整脈対応モードを搭載した自動血圧計もあります。施設で利用可能であれば、そのような機器を選択することも一つの方法です。
ただし、重度の不整脈では自動血圧計の信頼性が低下するため、聴診法との併用が望ましいでしょう。

特殊な状況での血圧測定は、標準的な方法だけでは対応しきれない難しさがありますが、患者さんの特性を理解し、適切な技術を用いることで、より正確な測定が可能になります。
日々の臨床現場で、これらのテクニックを活かしていきましょう!✨

血圧測定の禁忌と代替測定法 ⚠️

血圧測定は基本的な看護技術ですが、患者さんの状態によっては測定を避けるべき部位や状況があります。
適切な代替測定法を知っておくことで、患者さんの安全を守りながら必要なバイタルサインを得ることができます。

ここでは、血圧測定の禁忌となる状況と、そのような場合の適切な対応方法について解説します。

シャント側での測定禁忌と対応策 💉

シャントが造設されている上肢での血圧測定は絶対に避けなければなりません。
シャントは透析患者さんの生命線であり、その機能を保護することが非常に重要です。

シャント側で測定を避ける理由 🚫

  • シャントの血流が阻害され、「閉塞・狭窄」を引き起こす可能性があります

  • マンシェットによる加圧で「出血」のリスクが高まります

  • 繰り返しの測定により「感染」のリスクも上昇します

対応策 ✅

  • 基本的には健側(シャントのない側)の上肢で測定します

  • 両側にシャントがある場合や、健側に点滴などがある場合は、下肢での測定を検討します

  • どうしても上肢での測定が必要な場合は、医師に相談し、一時的にシャント側での測定が許容されるか確認しましょう

  • 電子カルテやベッドサイドに「シャント側での血圧測定禁止」の表示を行い、チーム内で情報共有することも大切です

シャント側での測定は、患者さんの透析治療に直接影響を与える可能性があるため、特に注意が必要です。
新人看護師や応援スタッフにも必ず申し送りましょう。🔄

乳房切除後の患者さんへの配慮ポイント 🎗️

乳がん手術後、特にリンパ節郭清を受けた患者さんの患側上肢での血圧測定については、従来は禁忌とされてきましたが、最近の研究ではエビデンスが変わってきています。

従来の考え方 📚

  • リンパ節郭清を受けた患側でのマンシェット装着は、リンパ液の還流を妨げ、リンパ浮腫を引き起こす可能性があるとされていました

  • 上腕神経の圧迫によるしびれや麻痺、循環障害のリスクも懸念されていました

最新のエビデンス 🔍

  • 最近の研究では、患側の血圧測定とリンパ浮腫の発生に明確な関連性は示されていないという報告もあります

  • ただし、すでにリンパ浮腫が発生している場合は、患側での測定は避けるべきでしょう

配慮ポイント 💭

  • 患者さんの不安や懸念を尊重し、測定部位について事前に説明と相談を行いましょう

  • 可能であれば健側での測定を優先しますが、健側に点滴などがある場合は、患者さんに説明した上で患側での測定を検討します

  • すでにリンパ浮腫がある場合は、患側での測定は避け、代替部位を検討しましょう

  • 患側で測定する場合は、必要最小限の回数にとどめ、マンシェットの締め付けも必要最小限にします

患者さんの中には、「患側での測定はダメ」と医療者から言われている方もいます。
エビデンスが変わってきているとはいえ、患者さんの不安を軽減するためにも丁寧な説明と配慮が大切です❤️

熱傷・創傷部位がある場合の代替測定部位 🤕

熱傷や創傷がある部位でのマンシェット装着は、患者さんに強い痛みを与えるだけでなく、創傷治癒を妨げたり、感染リスクを高めたりする可能性があります。

熱傷部位での測定を避ける理由 🔥

  • 熱傷部位は非常に痛みを伴うため、患者さんに不必要な苦痛を与えます

  • 特に深達性熱傷では、マンシェットの圧迫により組織損傷が悪化する可能性があります

  • 熱傷範囲が広い場合、コンパートメント症候群のリスクが高まります(コンパートメント内圧が30mmHgを超えると筋膜切開が必要になることも)

創傷部位での測定を避ける理由 🩹

  • 創部の治癒過程を妨げる可能性があります

  • 感染リスクが高まります

  • 患者さんに不必要な痛みを与えます

代替測定部位の選択肢 🔄

  1. 健側の上肢:最も一般的な代替部位です

  2. 前腕:上腕に熱傷や創傷がある場合、橈骨動脈部位での測定を検討します(自動血圧計で可能な場合)

  3. 大腿部:両上肢に熱傷や創傷がある場合の選択肢です

  4. 下腿部:大腿部も測定困難な場合に検討します

測定時の注意点 ⚠️

  • 代替部位での測定値は、通常の上腕での測定値と異なる可能性があることを認識しておきましょう

  • 初回測定時には、可能であれば通常部位と代替部位の両方で測定し、その差を記録しておくと良いでしょう

  • 継続的なモニタリングでは、同じ部位で測定することが重要です

熱傷や創傷のある患者さんでは、バイタルサインの測定方法について、カンファレンスなどでチーム内で共有し、統一した対応を心がけましょう📝

両上肢測定困難時の下肢血圧測定法 🦵

両上肢での血圧測定が困難な場合(両側にシャントがある、両側に熱傷や創傷がある、四肢麻痺がある場合など)、下肢での測定が代替法となります。

下肢血圧測定の特徴 📊

  • 下肢の血圧は通常、上肢より10〜20mmHg高くなります

  • これは、下肢の血管が上肢より太く、末梢血管抵抗が高いためです

  • 継続的な測定では、この差を考慮して評価する必要があります

下肢血圧測定の手順 📋

1.準備

    • 大腿用または下腿用の適切なサイズのマンシェットを準備します(成人の下肢用は幅18cmが目安)

    • 患者さんにリラックスした仰臥位をとってもらいます

2.大腿部での測定

    • 大腿動脈(鼠径部の拍動部位)の5〜10cm下にマンシェットを巻きます

    • マンシェットの下端が膝窩にかからないように注意します

    • 膝窩動脈または足背動脈に聴診器を当て、コロトコフ音を聴取します

3.下腿部での測定

  • 膝下の下腿にマンシェットを巻きます
  • 足背動脈または後脛骨動脈に聴診器を当て、コロトコフ音を聴取します

中堅ナースの日常より画像引用

測定時の注意点 🔍

  • 下肢での測定は上肢に比べてコロトコフ音が聴取しにくいため、静かな環境で集中して行いましょう

  • 初回測定時に上肢と下肢の血圧差を記録しておくと、その後の評価に役立ちます

  • 下肢での測定値は、上肢での測定値に比べて高いことを考慮して評価します

  • 電子カルテなどに「下肢での測定値」であることを明記しましょう

下肢での血圧測定は、上肢での測定が困難な場合の重要な代替法です。
正確な測定のためには、適切なマンシェットサイズの選択と正しい測定手技の習得が不可欠です。
チームで情報共有し、継続的な測定では同じ部位・同じ条件で行うことを心がけましょう✨

血圧測定の禁忌と代替測定法を理解することで、患者さんの安全を守りながら、必要なバイタルサインを適切に測定することができます。
状況に応じた柔軟な対応を心がけ、質の高い看護ケアを提供しましょう。

よくある血圧測定のミスと改善策 🔍

血圧測定は日常的に行う看護技術ですが、ちょっとした不注意や知識不足から測定ミスが生じることがあります。
正確な血圧値を得るためには、よくあるミスを理解し、適切な改善策を知っておくことが大切です。

ここでは、測定精度に影響する主なポイントと、より正確な測定のためのテクニックについて解説します。

「聴診間隙」の落とし穴と対処法 👂

聴診間隙(auscultatory gap)は、特に高血圧患者さんや動脈硬化症のある患者さんでよく見られる現象です。
これは血圧測定中にコロトコフ音が一時的に消失し、再び聴取できるようになる現象を指します。

聴診間隙の特徴 🔊

  • 収縮期血圧の直下から発生することが多い

  • 幅は数十mmHgに及ぶこともある(例:176mmHgから138mmHgまでの間)

  • 高血圧や動脈硬化のリスク評価の指標にもなる

聴診間隙による測定ミス

聴診間隙を認識せずに測定すると、収縮期血圧を実際より低く判定してしまう危険性があります。
例えば、収縮期血圧が180mmHgで聴診間隙が176mmHgから138mmHgの場合、聴診間隙以下の138mmHgから音が聞こえ始めると、それを収縮期血圧と誤認してしまいます。

対処法 ✅

  1. 触診法の併用:測定前に触診で脈拍が触れなくなる圧を確認しておく

  2. 十分な加圧:予想される収縮期血圧より30mmHg程度高く加圧する

  3. 適切な減圧速度:2〜3mmHg/脈拍のペースでゆっくり減圧する

  4. 集中した聴診:静かな環境で集中して聴診する

聴診間隙の存在を認識し、触診法を併用することで、測定ミスを防ぐことができます。
特に高齢者や高血圧患者さんの測定時には、この現象を念頭に置いて測定することが重要です。💭

再測定が必要なケースとタイミング ⏱️

血圧測定値に疑問を感じたり、特定の状況下では再測定が必要になります。
適切なタイミングでの再測定は、より正確な血圧評価につながります。

再測定が必要なケース 🔄

1.測定値が普段と大きく異なる場合

    • 収縮期血圧が20mmHg以上、拡張期血圧が10mmHg以上の変動がある

    • 急激な血圧低下が疑われる場合は、患者さんをフラットなベッドに臥床させて安静を促し、全身状態を観察しましょう1

2.測定環境や条件に問題があった場合

    • 測定中に患者さんが会話や動作をした

    • 室温が適切でなかった(12〜13度以下の寒い環境では血圧が高めに出ます)5

    • マンシェットの巻き方に問題があった

3.患者さんの状態が安定していない場合

    • 運動直後や食事直後

    • 排尿直後(測定前には10分以上安静にしてから測定しましょう)3

    • 精神的興奮状態

適切な再測定のタイミング ⏰

状況 再測定までの待機時間 注意点
通常の再確認 1〜2分 同じ腕で測定
運動後 10分以上 完全に安静状態になってから
食事後 30分〜1時間 消化による血流変化を考慮
喫煙後 30分以上 タバコは血圧を上昇させる
体位変換後 5分以上 同じ体位を維持する

再測定時には、最初の測定と同じ条件(同じ腕、同じ体位など)で行うことが重要です。
また、複数回測定した場合は、その平均値を採用することで、より信頼性の高い値が得られます🌟

ベテラン看護師が教える測定精度向上テクニック 💯

長年の臨床経験から得られた、より正確な血圧測定のためのテクニックをご紹介します。
これらのポイントを押さえることで、測定精度が向上し、より質の高いケアにつながりますよ。

測定前の準備テクニック 📝

  • リラックス環境の作り方:測定前に5分間(最低でも1〜2分)、背もたれのある椅子に座ってリラックスしてもらいましょう

  • 姿勢の調整:両足を床につけ、足を組まないようにします(足を組むと血圧がやや上昇します)

  • 腕の位置調整:肘を真っすぐにして、心臓と同じ高さに保ちます(肘を曲げると数値が高く出てしまいます)

マンシェット装着の極意 🎯

  • 適切な締め付け:指が2本分くらい入るように調整します

  • 位置の確認:マンシェットの下縁と肘窩の間は2〜3cm間隔を空けます

  • 素材の選択:薄手の服の上からでも測定可能ですが、厚手の服は避けましょう

測定中のテクニック 🔧

  • 加圧の速さ:加圧は速やかに行います。血圧が安定していれば普段の血圧+20mmHg、不安定なら200mmHgまで加圧します

  • 減圧の速度調整:排気バルブを静かに操作し、適切な速度(2〜3mmHg/脈拍)で減圧します

  • 聴診の集中力:静かな環境で集中して聴診し、最初の音(コロトコフ第1音)と消失(第5音)を正確に捉えます

記録の工夫 📊

  • 時間の記録:測定時間も併せて記録することで、日内変動の評価に役立ちます

  • 条件の記載:特殊な状況(食後、服薬後など)があれば併記します

  • 継続的な記録:同じ条件(時間帯、体位など)で継続的に測定することで、より意味のある比較ができます

測定禁忌の確認

以下の場合は測定を避け、別の腕や部位で測定しましょう:

  • 脳梗塞などで麻痺が残っている患側

  • 乳がんでリンパ節郭清を行った側の腕

  • シャント造設を行っている腕

これらのテクニックを日々の測定に取り入れることで、より正確な血圧値を得ることができます。
正確な測定は適切な治療方針の決定につながり、患者さんのQOL向上に貢献します。

測定技術の向上を目指して、日々の実践に活かしていきましょう!✨

記事一覧に戻る

関連記事