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血ガス正常値から読み解く!血液ガス検査の異常値と病態、看護ケアの全知識

血ガス正常値って、結局どうやって見るの?」「異常値が出た時、患者さんの体で何が起きてるの…?」「学校で習ったけど、いざ臨床に出ると自信がない…」

そんな疑問やお悩みはありませんか?🥺

この記事では、

  • 血ガス正常値の基本的な見方と、それぞれの項目が示す意味
  • 異常値が出たときの、具体的な病態(アシドーシス・アルカローシスなど)
  • 臨床現場で役立つ、血ガスデータを使ったアセスメントと看護ケアのコツ

が分かりますよ♪

実は、血ガス正常値を正確に理解し、異常値を読み解く力は、患者さんの命を守る上で欠かせない看護師さんの必須スキルなんです!

この記事では、新人看護師さんからベテランさんまで、すべての看護師さんが自信を持って血液ガス分析に臨めるよう、基礎から実践までを分かりやすく解説していきます。
一緒に血ガスマスターを目指しましょう!💪

そもそも「血ガス」って何?看護師さんが知っておくべき基礎知識💡

患者さんの状態を把握するために、血液ガス分析はとっても大切な検査なんです。
まずはその目的と、動脈血と静脈血の違いから見ていきましょう!

血ガス分析って、どんな検査?その目的と重要性を知ろう!

血液ガス分析は、私たちの血液中に溶けている酸素や二酸化炭素の量、そして血液のpH(酸性・アルカリ性の度合い)などを測定する検査のことです。🏥

動脈血を採取して専用の機械で測定することで、以下の4つの重要なことがわかります:

  1. 酸素化状態 – 体に十分な酸素が届いているか
  2. 換気状態 – 肺での呼吸がうまくいっているか
  3. 代謝状態 – 腎臓の機能は正常か
  4. 酸塩基平衡 – 体のpHバランスは保たれているか

この検査の最大の特徴は、採血から結果が出るまでがとても早く、緊急時にも迅速に患者さんの状態を把握できることです。

なぜこの検査が重要なのでしょうか?それは、肺がどれくらい酸素を取り込み、二酸化炭素を排出できているか(呼吸機能)、そして体内の酸とアルカリのバランス(酸塩基平衡)がどうなっているかを知る手がかりになるからなんです。
このバランスが崩れると、体に様々な悪影響が出てしまうので、早期に異常を発見し、適切な治療に繋げることが患者さんの命を守る上で非常に大切なんですよ。

動脈血と静脈血、どう違うの?検査でわかることの差はココ!

血液ガス分析で使う血液は、主に動脈血静脈血の2種類があります。🩺

血液の種類 特徴 検査でわかること
動脈血 心臓から全身に送られる、酸素を豊富に含んだ血液。
主に橈骨動脈から採血されます。
肺のガス交換能力(酸素化・換気)や全身の酸塩基平衡の状態を正確に反映します。
静脈血 全身の細胞から心臓に戻ってくる、酸素が消費され二酸化炭素が多い血液。 全身の臓器や組織の酸素消費量、代謝の状態(例:乳酸値)を知るのに役立ちます。

血液ガス分析では、肺の機能を詳しく知りたい場合や、全身の酸塩基平衡を評価したい場合に動脈血を使います。静脈血は、緊急時や簡便に酸塩基平衡のスクリーニングをしたい場合などに用いられることがありますよ。

血ガス正常値の早見表!これでバッチリ基準値がわかる🩺

血液ガス分析の結果を見たとき、「この数値って正常なの?異常なの?」って迷うこと、ありますよね。
大丈夫!主要な項目の血ガス正常値をしっかり把握しておけば、パッと見て患者さんの状態を推測できるようになります。

ここでは、それぞれの項目の正常値と、それが何を表しているのかを具体的に見ていきましょう!

【血ガス分析の正常値】

検査項目 正常値 単位 評価のポイント
pH 7.35~7.45 酸性・アルカリ性のバランス
PaCO2 35~48 mmHg mmHg 呼吸の状態(換気)
PaO2 80~108 mmHg mmHg 酸素化の状態
HCO3- 22~26 mmol/L mmol/L 代謝の状態
BE -2~+2 mmol/L mmol/L 塩基の過不足
SaO2 95~98% % 酸素飽和度

pHの正常値はこれ!酸性・アルカリ性のバランスをチェック

pHは、血液が酸性かアルカリ性かを示す指標です。
生命活動にとって、pHは非常に狭い範囲で厳密に保たれています。

  • pHの正常値:7.35~7.45 ⚖️

この数値が7.35より低いと「酸性(アシドーシス)」、7.45より高いと「アルカリ性(アルカローシス)」に傾いていることを意味します。
このバランスが崩れると、酵素の働きが悪くなったり、意識障害を引き起こしたりと、様々な問題が生じる可能性があるんですよ。

PCO2の正常値って?呼吸の状態がわかる重要指標!

PCO2は、血液中の二酸化炭素の分圧を示します。
二酸化炭素は主に肺で排出されるので、PCO2の値は呼吸機能を評価する上でとても重要な指標になります。

  • PCO2の正常値:35~45 mmHg 💨

PCO2が高い場合は、肺から二酸化炭素が十分に排出されていない(呼吸抑制や換気不足など)可能性があり、「呼吸性アシドーシス」の原因になります。
逆にPCO2が低い場合は、二酸化炭素を排出しすぎている(過換気など)可能性があり、「呼吸性アルカローシス」の原因となるんです。

PO2の正常値で酸素化を評価!SpO2との違いも解説

PO2は、血液中にどれくらいの酸素が溶け込んでいるか(酸素分圧)を示す数値です。
全身に酸素が十分に運ばれているかを評価するために、欠かせない項目です。

  • PO2の正常値:80~100 mmHg 🌬️(年齢によって変動あり)

PO2が低いと、肺での酸素の取り込みがうまくいっていない「低酸素血症」の状態です。SpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)も酸素化の指標ですが、SpO2が酸素飽和度を表すのに対し、PO2は実際に血液に溶けている酸素の量を直接的に示すため、より正確な酸素化の状態を把握できます。
SpO2が正常でもPO2が低い「隠れ低酸素血症」もあるので注意が必要ですよ!

HCO3とBEの正常値は?代謝性アシドーシス・アルカローシスのヒントに!

HCO3(重炭酸イオン)とBE(ベースエクセス)は、血液中の酸塩基平衡を保つための緩衝物質の量を表し、主に代謝性の異常を評価するのに役立ちます。

  • HCO3の正常値:22~26 mEq/L
  • BEの正常値:-2.0~+2.0 mEq/L

HCO3やBEが低い場合は、体内で酸が過剰に作られたり、アルカリが失われたりしている「代謝性アシドーシス」の可能性があります。
逆にこれらの値が高い場合は、「代謝性アルカローシス」が考えられます。
特にBEは、プラスに傾けばアルカリが過剰、マイナスに傾けば酸が過剰と、直感的に理解しやすい指標ですよ。

正常値じゃない?!血ガス異常値が示すサインを見逃すな🚨

血ガス正常値を覚えたら、次は異常値が出たときに「何が起きているのか?」を考えるステップです。異常値は、患者さんの体からのSOSサイン!いち早く気づいて、適切な対応に繋げられるように、異常値の見方とその緊急性を判断するポイントを学んでいきましょう。

高い・低い?異常値が示す体のSOSを見つけよう

血液ガス分析の各項目で、血ガス正常値から外れた場合、それは患者さんの体に何らかの異変が起きているサインです。

項目 異常値 示唆される状態 主な原因
pH <7.35 アシドーシス 呼吸不全、腎不全、糖尿病
pH >7.45 アルカローシス 過換気、嘔吐、利尿薬使用
PaCO2 >48 mmHg 呼吸性アシドーシス COPD、呼吸抑制
PaCO2 <35 mmHg 呼吸性アルカローシス 過換気症候群
PaO2 <80 mmHg 低酸素血症 肺炎、肺水腫
HCO3- <22 mmol/L 代謝性アシドーシス 腎不全、糖尿病性ケトアシドーシス
BE <-2 mmol/L 塩基欠乏 代謝性アシドーシス
  • pHの異常:
    低い場合はアシドーシス(酸性に傾いている)、高い場合はアルカローシス(アルカリ性に傾いている)。
    どちらも重症化すると、意識障害や心臓への負担など、命に関わる状態になることがあります。
  • PCO2の異常:
    高い場合は換気不全(呼吸が十分にできていない)、低い場合は過換気(呼吸しすぎている)。呼吸器系の問題が疑われます。
  • PO2の異常:
    低い場合は低酸素血症。
    酸素が足りていない状態で、呼吸困難や意識レベルの低下に繋がります。
  • HCO3やBEの異常:
    低い場合は代謝性アシドーシス、高い場合は代謝性アルカローシス。
    腎臓の機能や、糖尿病などの代謝性疾患が関わっている可能性があります。

これらの異常値は、単独で現れることもあれば、複数が組み合わさって現れることもあります。
それぞれの数値が何を意味するのかをしっかり理解することが、アセスメントの第一歩です。

異常値が出たらどうする?緊急性の判断ポイントと対応策

異常値が出たとき、「これは急いで対応が必要なのか?」「どのくらい緊急性が高いのか?」を判断することは、看護師さんにとって非常に重要です🚀

判断ポイント 緊急性の高いケース 考えるべき対応策
pHの変動 7.20以下や7.60以上など、正常値から大きく逸脱している場合。 医師への緊急報告、呼吸状態・意識レベルの観察強化、酸素投与や換気補助の準備。
PO2の低下 60mmHg以下など、酸素化が著しく悪い場合。SpO2との乖離にも注意。 酸素投与量の増量、呼吸状態の再評価、体位変換、必要に応じて気道確保や人工呼吸器の検討。
PCO2の急激な上昇 呼吸抑制や意識障害を伴う場合。 呼吸補助(バッグバルブマスクなど)、気道確保、意識レベルの頻回な観察、医師への緊急報告。
電解質異常の合併 カリウムなどの電解質異常を伴うアシドーシス・アルカローシス。 心電図モニターの装着、医師への報告、輸液や薬剤による補正の準備。
患者さんの全身状態の変化 意識レベルの低下、呼吸困難感の増強、頻脈・不整脈、血圧変動など、症状が悪化している場合。 すぐに医師に報告し、指示を仰ぐ。バイタルサインの頻回測定、適切な体位の調整、安楽の提供。

異常値を発見したら、まずは落ち着いて患者さんの全身状態をアセスメントし、バイタルサインや意識レベル、呼吸状態の変化に注意を払いましょう。
そして、緊急性の高い異常値であれば、迅速に医師に報告し、指示のもと適切な対応を行うことが患者さんの安全に繋がります。

病態別にみる血ガス異常!アシドーシス・アルカローシスの深い関係性🧬

血液ガス分析の最も重要な役割の一つが、体内の酸塩基平衡の異常、つまりアシドーシスとアルカローシスを見つけることです。
これらは呼吸器系や代謝系の問題と深く関わっています。
それぞれの病態がどのように発生し、どんな特徴があるのか、一緒に見ていきましょう!

呼吸性アシドーシス・アルカローシスって?肺との関係性

呼吸性アシドーシスやアルカローシスは、ズバリ「肺の働き」が原因で起こる酸塩基平衡の異常です。

  • 呼吸性アシドーシス: 肺からの二酸化炭素(CO2)の排出が不十分な状態です。

    • 原因:
      肺炎、COPDの急性増悪、喘息発作、鎮静剤の過量投与、脳障害(呼吸中枢の抑制)など、呼吸機能が低下する病態で起こりやすいです。
    • 血ガス所見:
      pHの低下(酸性化)、PCO2の上昇(CO2が体内に溜まる)が見られます。
    • 関連する症状:
      呼吸困難、頻脈、意識障害、頭痛など。
    • こんなケアが大切:
      呼吸状態の観察、酸素投与、体位ドレナージ、必要に応じて人工呼吸器管理の準備など。
  • 呼吸性アルカローシス: 肺から二酸化炭素(CO2)を過剰に排出しすぎている状態です。

    • 原因:
      過換気症候群(ストレスや不安)、痛み、発熱、敗血症、脳炎など、呼吸が速く深くなる病態で起こりやすいです。
    • 血ガス所見:
      pHの上昇(アルカリ性化)、PCO2の低下(CO2が体外に出すぎる)が見られます。
    • 関連する症状:
      手足のしびれ、めまい、テタニー(筋肉のけいれん)、意識レベルの変化など。
    • こんなケアが大切:
      患者さんの安心を促す声かけ、呼吸法の指導(例:ペーパーバッグ法、ただし注意が必要)、原因疾患への治療など。

代謝性アシドーシス・アルカローシスって?腎臓との関係性

代謝性アシドーシスやアルカローシスは、主に「腎臓の働き」や「体内の代謝プロセス」に問題があって起こる酸塩基平衡の異常です。

  • 代謝性アシドーシス: 体内で酸が過剰に産生されるか、アルカリが過剰に失われる状態です。

    • 原因:
      糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)、腎不全、乳酸アシドーシス(ショックなど)、下痢(HCO3の喪失)など。
    • 血ガス所見:
      pHの低下、HCO3とBEの低下が見られます。
    • 関連する症状:
      クスマウル呼吸(深く速い呼吸)、意識障害、腹痛、悪心嘔吐など。
    • こんなケアが大切:
      原因疾患の治療(例:インスリン投与、透析)、輸液療法(重炭酸ナトリウムの投与など)、電解質バランスのモニタリングなど。
  • 代謝性アルカローシス: 体内で酸が過剰に失われるか、アルカリが過剰に産生される状態です。

    • 原因:
      嘔吐(胃酸の喪失)、利尿薬の過剰使用、胃管ドレナージ、過剰な重炭酸ナトリウム投与など。
    • 血ガス所見:
      pHの上昇、HCO3とBEの上昇が見られます。
    • 関連する症状:
      意識レベルの変化、不整脈、筋肉のけいれん、筋力低下など。
    • こんなケアが大切:
      原因疾患の治療、輸液による電解質補正、カリウム補給など。

代償機転として、肺がPaCO2を調整してpHの変化を緩和しようとします。
代謝性アシドーシスでは過換気により、代謝性アルカローシスでは呼吸抑制により代償されます💚

混合性アシドーシス・アルカローシスは複雑?!見分け方を徹底解説

時には、呼吸性の問題と代謝性の問題が同時に起こる「混合性アシドーシス」や「混合性アルカローシス」も見られます。
これは少し複雑に感じるかもしれませんが、落ち着いて各項目を段階的に見ていけば大丈夫です!

混合性の場合は、それぞれの項目が示す傾向が互いに打ち消しあったり、増強しあったりするため、pHが正常範囲内にあっても実は隠れた異常がある、なんてことも! 🤔

見分け方のポイント:

  1. まずpHを見て、アシドーシスかアルカローシスか、あるいは正常かを判断します。
  2. 次にPCO2を見て、呼吸性の変動があるかを確認します。
  3. 最後にHCO3BEを見て、代謝性の変動があるかを確認します。

例えば、pHが正常なのにPCO2が上昇していて、HCO3も上昇している場合(代償が起きている状態)、それは呼吸性アシドーシスに対する代謝性アルカローシスの代償、あるいは混合性アシドーシス+アルカローシスかもしれません。
このように、各項目を総合的に判断することで、より正確な病態の把握に繋がりますよ!


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血ガスデータ、どう活かす?看護ケアへの応用とアセスメントのコツ🌟

血液ガス分析の血ガス正常値や異常値を理解するだけでなく、そのデータを日々の看護ケアにどう活かすかが看護師さんの腕の見せ所です。
患者さんの状態変化をいち早く察知し、的確なアセスメントを行い、ドクターとの情報共有に繋げるためのコツを学びましょう!

患者さんの状態変化をいち早くキャッチ!血ガスからのアセスメント術

血ガスデータは、患者さんの「今」の体の状態を映し出す鏡です。
これを活用して、患者さんの微妙な変化を捉えましょう。🔍

  1. pHの評価:アシドーシスかアルカローシスかを判断
  2. 酸素化の評価:PaO2、SaO2から呼吸機能を評価
  3. 換気の評価:PaCO2から肺胞換気の状態を評価
  4. 代謝の評価:HCO3-、BEから腎機能や代謝状態を評価
  5. 代償機転の確認:一次性変化と代償反応を区別

血ガスデータは、看護師さんの「気づく力」をさらに強化してくれる強力なツールなんです!

異常値への看護介入!具体的なケアのポイントと注意点

血ガスデータに異常があった場合、看護師としてどのような介入ができるでしょうか?
原因となる病態に対する治療はもちろんですが、看護独自の視点からのケアも大切です。💊

異常値の傾向 考えられる看護介入の例 注意点
アシドーシス傾向 呼吸状態の観察強化、気道確保・吸引、適切な体位(例:セミファーラー位)、酸素投与、必要に応じた呼吸介助。 代償性の呼吸(クスマウル呼吸など)を抑制しないよう注意。
アルカローシス傾向 過換気の場合は、患者さんの不安軽減、ゆっくりとした呼吸を促す声かけ。原因となる利尿薬の確認。 過度な鎮静は呼吸抑制を招く可能性があるので慎重に。
低酸素血症(PO2↓) 酸素流量の調整、マスクの種類変更(リザーバー付きマスクなど)、呼吸苦の緩和、体位変換、患者さんの安楽の確保。 長時間の高濃度酸素投与はCOPD患者さんに注意が必要。
高CO2血症(PCO2↑) 気道確保・痰の吸引、呼吸理学療法、呼吸パターンの観察、意識レベルの変化に注意、必要に応じ医師と相談し呼吸補助の検討。 呼吸抑制を招く薬剤の使用状況を確認。
電解質異常を伴う場合 心電図モニター装着、カリウムなどの補給、輸液管理の徹底。 電解質は心臓の働きに直結するため、厳重な観察が必要。

これらの介入は、医師の指示に基づき、または医師と相談しながら実施します。
看護師の観察力と判断力が、患者さんの回復に大きく貢献しますよ!

ドクターへの報告はココを押さえる!血ガスデータを活かした情報共有術

血ガスデータに異常が見つかったら、速やかにドクターへ報告し、治療方針の決定に役立ててもらうことが大切です。
その際、ただ数値を伝えるだけでなく、的確な情報共有を心がけましょう🗣️

報告のポイント:

  1. 結論から伝える:
    「〇〇さんの血液ガスで、pHが〇〇、PCO2が〇〇で、呼吸性アシドーシス傾向です。」のように、まず異常の全体像を伝えます。
  2. 具体的な数値を正確に:
    pH、PCO2、PO2、HCO3、BEなどの主要な数値を明確に伝えます。
    血ガス正常値」を意識しながら、どの値が基準から外れているかを伝えましょう。
  3. 患者さんの全身状態と症状:
    血ガスデータと合わせて、患者さんの意識レベル、呼吸状態(回数、深さ、努力呼吸の有無など)、SpO2、脈拍、血圧、皮膚色など、全身の状態や自覚症状を具体的に伝えます。
  4. 直前の状況と比較:
    「〇時間前の採血と比べて、PCO2が〇〇から〇〇に上昇しています」など、時系列での変化を伝えることで、病態の進行度合いを把握してもらいやすくなります。
  5. 既往歴や背景情報:
    患者さんの基礎疾患(COPD、腎不全、糖尿病など)や現在の治療内容(人工呼吸器、輸液など)で血ガス異常に影響しそうなものがあれば伝えます。

ドクターはこれらの情報をもとに、より迅速かつ的確な診断や治療方針を立てることができます。正確な情報共有は、チーム医療の質を高める上で非常に重要ですよ!

採血から読み取りまで!血液ガス分析でつまずかないためのQ&A集💡

血液ガス分析は、採血から結果の読み取りまで、いくつかのポイントがありますよね。
特に新人看護師さんは「これで合ってるのかな?」と不安になることもあるかもしれません。

ここでは、よくある疑問にお答えしながら、つまずきやすい点をクリアにしていきましょう!🌟血液 検査

血液ガス採血、痛みは?手技のコツと患者さんへの声かけ

血液ガス採血は、動脈から採血するため、通常の静脈採血とは少し違った痛みを感じることがあります。
患者さんの不安を和らげるためにも、看護師さんの配慮が大切です🩹

  • 患者さんへの声かけのコツ

    • 「少しチクッとしますが、すぐに終わりますよ」

    • 「深呼吸をして、リラックスしてくださいね」

    • 「検査の結果で、より良い治療ができますから」

    手技のサポートポイント

    • 採血部位に応じた適切な体位の確保

    • 必要に応じて局所麻酔薬の貼付

    • 採血後の確実な圧迫止血(3~5分間)

    • 皮下血腫の予防と早期発見

採血検体の取り扱い注意点!正しい結果を得るために

血液ガス分析の検体は非常にデリケートです。
採取後の取り扱いを間違えると、正確な結果が得られないことがあるので、細心の注意を払いましょう!⚠️

  • 空気の混入:
    シリンジ内に空気が混入すると、PO2やPCO2の値が変化してしまいます。
    採血後はすぐに空気を抜き、キャップをしっかりと閉めましょう。
  • 凝固の防止:
    ヘパリンなどの抗凝固剤が塗布された専用のシリンジを使用します。
    採血後は、シリンジを軽く転倒混和させ、血液が抗凝固剤としっかり混ざるようにします。
    強く振ると溶血の原因になるので注意してください。
  • 温度管理:
    血液ガスは温度によってガス分圧が変化するため、速やかに検査室へ提出することが重要です。
    すぐに提出できない場合は、氷水に浸して運搬するなど、適切な温度管理を行いましょう。
  • 泡の有無:
    血液中に泡が入っていると、不正確な結果につながります。
    泡が入らないように注意し、もし入ってしまった場合は、泡をしっかり抜いてから検査室に出しましょう。

これらの注意点を守ることで、より信頼性の高い血ガス正常値や異常値を得ることができ、正確な診断・治療に繋がります。

「こんな時どうする?」よくある疑問と対処法Q&A

血液ガス分析にまつわる「これってどうしたらいいの?」という、看護師さんがよく抱える疑問に答えていきましょう!🤔

Q:SpO2は100%なのに、なぜ血ガスが必要なの?
A:SpO2が100%でも、PaO2が異常に高い場合があります。
また、一酸化炭素中毒では、SpO2は正常でもSaO2は低下します。
酸塩基平衡の評価にはpHやHCO3-の測定が必要です。

Q:血液透析患者の血ガス異常値への対応は?
A:透析患者では電解質や酸塩基平衡が特殊なため、K値やBE値の異常があっても、必ず医師に確認してから薬剤投与を行います。

Q:小児や高齢者で特別な注意点はありますか?
A:小児では安静保持が困難なため、静脈血ガスでの代用も検討されます。
高齢者では血管の状態や出血傾向に注意し、より長時間の圧迫止血が必要な場合があります。

Q:血ガス分析の機種によって正常値の範囲が少し違うことはありますか?
A: 機種や施設によって参照する血ガス正常値の基準範囲がわずかに異なる場合があります。
必ず、ご自身が勤務する施設の基準範囲を確認し、それに従って評価するようにしましょう。

ここまで、血ガス正常値の基本から、異常値の読み解き方、そして実際の看護ケアへの活かし方まで、一緒に学んできました。
血液ガス分析は、一見難しそうに見えるかもしれませんが、患者さんの状態を正確に把握し、命を守るために欠かせない大切なスキルです。

この記事が、皆さんの日々の看護実践に役立ち、自信を持って血液ガスデータと向き合える一助となれば嬉しいです😊

<参考・引用>
日本臨床学会
かるける
日本急性期ケア協会

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