
「血液培養の手技、自己流になってないかな…?」「コンタミ(コンタミネーション)が怖くて、採血のたびに緊張しちゃう…」「後輩に『なんでこの順番なんですか?』って聞かれたとき、ちゃんと根拠まで説明できる自信がないな…」]
わかります…!毎日の業務で忙しい中、ふと不安になりますよね🥺
この記事では
- 動画と図解で見てわかる!血液培養の全手順
- コンタミ率を激減させるプロの技と根拠
- 「なんで?」がスッキリ解決する現場のQ&A
- 明日から使える!手順チェックリスト
が分かりますよ♪
[#結論 -> 実は、血液培養で最も大切なのは、手順を丸暗記することではなく、『なぜそうするのか?』という根拠を理解して、コンタミを防ぐポイントを確実に押さえることなんです✨]
この記事では、最新ガイドラインに基づいた血液培養の正しい手順を動画と図解でゼロから分かりやすく解説し、あなたの手技への不安を「根拠のある自信」に変えるための具体的なコツをたっぷりご紹介します!
【結論】時間がない方へ!まず動画と手順早見表で流れを掴む
忙しい業務の合間にサクッと確認したい!
そんなあなたのために、まず結論からお届けします。
動画と画像で、まずは全体の流れをイメージしちゃいましょう👀✨
【動画】準備から提出まで!血液培養の全手順(約5分)
百聞は一見に如かず!
まずは動画で一連の流れを見てみましょう。
手技のポイントもテロップで解説しているので、イメージトレーニングにぴったりですよ。
【手順早見表】画像でわかる!血液培養7つのステップ
動画を見る時間もない!
という時は、この画像一枚でOK!
スマホに保存しておけば、いつでもどこでも手順を確認できるお守りになりますよ📱❤
今さら聞けない【血液培養の基礎知識】💡 なぜ?を理解すれば手技は忘れない!
毎日当たり前のようにやっている血液培養だけど、「あれ、なんでだっけ?」って思うこと、ありますよね。
ここで基本の”なぜ?”をしっかりおさらいして、自信につなげちゃいましょう💪
そもそも血液培養とは?敗血症診断における「ゴールドスタンダード」
血液培養は、熱が出ている患者さんの血液の中に、細菌や真菌(カビ)などの「原因菌」がいないかを調べる、とっても重要な検査です。
特に、命に関わる重篤な感染症である「敗血症」を診断するための最も確実な方法とされています。
この検査結果が、どの抗菌薬を使うかを決める大きなヒントになるんです。
なぜ「2セット以上」採る必要があるの?【根拠:コンタミネーションとの鑑別と検出率向上のため】
「1回採れば十分じゃないの?」って思いますよね。これには大切な理由が2つあります。
- 検出率アップのため:
血液の中にいる菌の量はごくわずか。
採血する回数を増やすことで、菌を見つけられる確率がグンと上がります! - コンタミとの鑑別のため:
採血時に皮膚の常在菌が入ってしまうこと(コンタミ)があります。
もし1セットからだけ菌が出ても、それが本当に体内の菌かコンタミか判断が難しいんです💦
2セットとも同じ菌なら、その可能性が非常に高まります。
採血のベストなタイミングは?【根拠:原則、抗菌薬投与の直前】
ベストなタイミングは、「悪寒戦慄など、これから熱が上がりそうな時」で、かつ「抗菌薬を投与する直前」です!
菌が血液中に一番多くなるタイミングを狙い、抗菌薬で菌がやっつけられる前に採血するのが鉄則ですよ⏰
【動画+図解】見て覚える!血液培養の正しい全手順とワンポイントアドバイス
お待たせしました!ここからは、動画とたくさんの図解で、実際の正しい手順をステップごとに見ていきましょう。
ひとつひとつの動きの意味を理解すれば、もう迷いません!
Step1. 完璧な準備
「段取り八分」という言葉があるように、準備が成功の鍵を握ります。忘れ物がないか、下のリストで一緒にチェックしましょう✅
Step2. 最適な穿刺部位の選定
肘の内側にある肘正中皮静脈が第一選択ですが、患者さんによっては難しい場合も。
触って弾力のある、まっすぐな血管を選びましょう。
硬い血管や、点滴をしている腕、麻痺のある腕は避けてくださいね。
Step3. 皮膚消毒【★コンタミ対策の最重要ポイント1】
ここが一番の腕の見せ所!
消毒薬は、1%クロルヘキシジンアルコール製剤が推奨されています。
ポビドンヨードを使う施設もありますね。
穿刺部をスタートとし、円を書くように外側に消毒をします。
消毒薬を塗布したら、必ず1分以上、自然乾燥させます。 手で扇いだり、息を吹きかけたりするのは絶対にNGですよ!
消毒薬が効果を発揮して、皮膚の菌を殺菌するのに時間が必要だからです!
濡れたままだと殺菌効果が不十分なうえ、アルコールが血管内に入って強い痛みを引き起こす原因にもなります💦
Step4. ボトルのゴム栓消毒と採血
皮膚を消毒したら、ボトルのゴム栓もアルコール綿でしっかり消毒!
乾燥したら、いよいよ穿刺です。
消毒した部位には、もう一度触らないように注意しましょうね。
Step5. 適切な分注
複数のボトルに分注する時の順番、完璧に言えますか?
正解は… ①好気性ボトル → ②嫌気性ボトル です!
俺(オレンジ)先!って私は覚えていました😊🩸
翼状針のチューブ内に残っている空気がボトルに入ってしまうのを防ぐためです!
先に嫌気性ボトル(酸素が苦手な菌用)に入れると、空気が邪魔をして菌が育ちにくくなってしまいます。
Step6. 提出までの注意点
採血が終わったら、ボトルをゆっくり5回以上、転倒混和させます。
血液とボトル内の液体(培地)をしっかり混ぜ合わせるためです。
シャカシャカ激しく振ると、血球が壊れてしまうので優しく、が基本です。
最後にラベルを貼ったら完了!お疲れ様でした✨
【ラベル記載の必須項目】
- 患者氏名、ID
- 採取日時
- 採取部位(例:右肘正中皮静脈)
- 採取セット数(例:1/2セット目)
お仕事探しはしごとレトリバーにおまかせ!!
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【プロはココが違う】コンタミネーション率を激減させる5つの鉄則
「手順は分かったけど、それでもコンタミが怖い…」そんなあなたへ。
コンタミ率が低い看護師さんが、無意識に実践している5つの鉄則をお伝えします。
これを意識するだけで、手技の質が格段にアップしますよ!
鉄則1:手指衛生 – すべてはここから始まる。
基本ですが、最も重要です。患者さんに触れる前、そして滅菌手袋をはめる直前に、必ず擦式アルコール製剤で手指衛生を行いましょう。
鉄則2:穿刺部位の皮膚 – 「消毒薬を塗る」のではなく「菌を殺す」意識
ただ消毒薬を塗るだけでは不十分。
「今、この皮膚表面の菌をゼロにする!」という強い意識を持って、十分な範囲を、推奨された時間通りに消毒・乾燥させることが大切です。
鉄則3:ボトルキャップ – 最も見落としがちな汚染源を制圧する
皮膚の消毒に集中するあまり、ボトルのゴム栓の消毒がおろそかになりがち。
ここも菌が付着している可能性があります。
アルコール綿でしっかり消毒し、乾燥させてから針を刺しましょう。
鉄則4:穿刺後の針 – 菌を運び込まないための絶対ルール
一度皮膚に刺した針の先端は、たとえ手技の途中でも、不潔なエリアです。
ボトルのゴム栓以外には絶対に触れないように!
もちろん、自分や他の人を傷つけないよう、リキャップは厳禁です。
鉄則5:清潔な環境 – 手技を行うエリア全体を管理する
準備した清潔なトレーの上や、消毒後の穿刺部位周辺は、あなただけの「クリーンエリア」。
そこに不潔なものが触れないよう、環境を整えてから手技を始めましょう。
針は変えるべき??
昔は「皮膚を通過した針は汚染されているから、ボトルに入れる前に清潔な針に交換すべき」という考え方もありましたが、現在の主要なガイドラインでは、採血した針とスピッツ(真空採血管)や血液培養ボトルに血液を注入するときの針は「変えない」ことが強く推奨されています。
【理由1:針刺し損傷のリスクが非常に高まるため(最重要)】
これが針を交換しない最大の理由です。
針を交換するためには、一度採血した針にキャップをかぶせる「リキャップ」という行為が必要になることが多く、このリキャップ時に誤って自分の指を刺してしまう「針刺し事故」の発生率が極めて高いことが知られています。
CDC(米国疾病予防管理センター)や日本の主要な感染対策ガイドラインでは、原則としてリキャップは禁止されています。
自分や同僚を危険な血液媒介感染症(B型肝炎、C型肝炎、HIVなど)から守るために、針を交換するというリスクの高い行為は避けるべき、とされています。
【理由2:コンタミネーション(汚染)のリスクは上がらないため】
「針を変えないと、皮膚の菌がボトルに入って汚染されちゃうんじゃないの?」と心配になりますよね。
しかし、複数の研究やガイドラインで、「事前の皮膚消毒が適切に行われていれば、針を交換しなくてもコンタミネーション率は有意に上昇しない」ということが示されています。
むしろ、針を交換するという複雑な操作を行うこと自体が、空中に浮遊している菌などに触れてしまう新たなコンタミネーションの機会を生む可能性がある、とも指摘されています。
適切な手順(十分な量の消毒薬で、推奨された時間通りに消毒し、しっかり乾燥させる)で皮膚消毒を行うことの方が、コンタミネーション防止にははるかに重要です。
推奨される方法
「真空採血管システム(ホルダー方式)」が最も安全で正しい方法とされています。
しかし、真空管システムがない場合には、上記の手順で安全に、清潔に行いましょう!
【現場の疑問をすべて解決】血液培養Q&A
「こんな時どうするの?」という、現場でよくあるギモンをQ&A形式でまとめました!
Q. 採血量はなぜ8~10mLが推奨されるの?足りないとどうなる?
A. ボトル内の液体(培地)と血液の比率が、菌の発育に最も適したバランスになるように設計されているからです!
血液量が少ないと、菌がいても検出できない「偽陰性」の原因になります。
逆に多すぎても、培地の成分が薄まってしまい、正しく検出できないことがあります。
Q. CVルートなど、すでにあるカテーテルから採血していい?
A. 原則として、末梢血管からの採血が推奨されます。
なぜなら、カテーテルは菌が付着・繁殖しやすい場所なので、コンタミネーションの原因になる可能性があるからです。
ただし、カテーテル関連血流感染症(CRBSI)を強く疑う時など、医師の指示でカテーテル血と末梢血の両方を採ることがあります。
Q. どうしても血管が見つからない。そんな時はどうすればいい?
A. 無理に何度も穿刺するのは、患者さんの苦痛が大きく、コンタミのリスクも上がります。
温めたり、体位を変えたりしても難しい場合は、一人で抱え込まず、先輩や他のスタッフに応援を頼みましょう!
それが患者さんのためにもなりますよ。
Q. 血液培養と他の血液検査を同時に行う場合、スピッツの順番は?
A. 前述の通り、無菌性が最も重要な「①血液培養ボトル」が絶対一番です!
そのあとは、②凝固スピッツ → ③血清スピッツ → ④ヘパリンスピッツ → ⑤EDTAスピッツ の順番が基本です。
Q. 患者さんが動いてしまった時の対処法は?
A. まずは安全第一!針で患者さんや自分を傷つけないように、落ち着いて対処します。可能であれば、他のスタッフに応援を頼んで体を支えてもらいましょう。穿刺前に「ちょっとチクッとしますよ」「動くと危ないので、頑張ってじっとしていてくださいね」としっかり声をかけることも大切です。
まとめ:根拠のある自信を持って、患者さんのための最善の手技を
本当にお疲れ様でした!血液培養の方法について、たくさんのことを学んできましたね。最後に、大切なポイントをおさらいしましょう。
本記事で学んだ重要ポイント
- 血液培養は、敗血症診断のための最も重要な検査である。
- 2セット以上採血するのは「検出率UP」と「コンタミとの鑑別」のため。
- 手順の「なぜ?」という根拠を理解することが、質の高い手技につながる。
- コンタミを防ぐには「手指衛生」「皮膚消毒・乾燥」「ボトル栓消毒」が特に重要。
- 採血時と、血液培養ボトルに血液を注入するときの針は変えない!(今も古いガイドラインのまま行っている人いるかも!?)
コンタミは本当に注意しないといけないポイントです!
一人で採血も培養ボトルに入れるのもやるのは大変なので真空管システムではない場合は2人で行う方が良いでしょう。
安全で正しい血液培養検査を行ってくださいね🌟
<参考・引用>
JAID/JSC 感染症治療ガイドライン 2022
日本臨床微生物学会 血液培養ガイドライン改訂版
日本ベクトン・ディッキンソン株式会社
花子のまとめノート
看護roo