
「看護師と同じ仕事をしているのに、なんで看護師の方が給料が高いの?」
「このままでは将来が不安…」
准看護師として働いている方の中には、このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、准看護師の平均年収や平均月給、賞与・ボーナス、初任給などを、厚生労働省のデータを使って解説します。
また、准看護師と看護師の給料の違いや年収アップの方法も紹介します。
この記事を読めば、年収アップやキャリアアップを目指すためのヒントが必ず見つかるはずです!
あなたの働き方の可能性を広げていきましょう!
准看護師の給料はいくら?
「准看護師の給料はどのくらい?」と気になっている方もいるでしょう。
准看護師の給料の平均額を知ることで、あなたの給料は相場よりも高いのか、あるいは低いのかが分かります。
ここからは、准看護師の平均年収や平均月給、平均時給、手取り、賞与・ボーナス、初任給について、詳しく見ていきましょう!
平均年収:約407.1万円
厚生労働省の「令和5年度賃金構造基本統計調査」によると、准看護師の平均年収は約407.1万円です。
この金額は、基本給や各種手当、賞与・ボーナスを含めた年間の総支給額です。
国税庁の調査によると、令和5年度の給与所得者の平均年収は460万円のため、一般的な平均年収と比較すると、准看護師の年収はやや低いといえるでしょう。
男女別でみると、男性准看護師の平均年収は約438.3万円、女性准看護師は約403.2万円となっており、男性の方が約35万円高いです。
平均月給:約28.6万円
准看護師の平均月給は約28.6万円です。
男女別にみると、男性准看護師の平均月給は約30.7万円、女性は約28.4万円となっています。
平均時給:1,543円
パート・アルバイトの准看護師として働く場合、平均時給は1,543円です。
ただし、平均時給は勤務する施設や地域によって違いがあります。
参照:令和5年度賃金構造基本統計調査 「短時間労働者 職種」
手取り:約21.5万円~約24.3万円
准看護師の手取り額は、約21.5万円~約24.3万円です。
ただし、実際の手取り額は扶養家族の有無や勤務先の条件によって変わります。
おおよその手取り額が知りたい場合は「月給×0.75~0.85」で求めましょう!
賞与・ボーナス:年間約62.9万円
准看護師の賞与・ボーナスの平均額は、年間約62.9万円です。
賞与・ボーナスは年2回の支給が一般的で、夏季と冬季に分けて支給される場合が多いです。
また、賞与・ボーナスの額は、勤務先の業績や個人の評価、経験年数によって変わります。
経験年数ごとの賞与・ボーナスの平均額は、以下をご覧ください。
経験年数 | 賞与・ボーナス平均額 |
1年未満 | 約14.5万円 |
1~4年 | 約48.8万円 |
5~9年 | 約56.4万円 |
10~14年 | 約60.5万円 |
15年以上 | 約67.9万円 |
経験年数15年以上の准看護師と1年未満の准看護師では、約53.4万円もの差があります。
経験を積めば積むほど、賞与・ボーナスの額も上がっていきますね!
参照:令和5年度賃金構造基本統計調査 「職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」
初任給:約20.9万円以上
准看護師の初任給は、約20.9万円です。
ただし、この金額はあくまでも基本給の額であり、残業手当や夜勤手当などを加えると、実際の金額はさらに増えるでしょう。
例えば、ある病院の准看護師の初任給は、以下のとおりです。
- 基本給:16.4万円
- 資格・調整手当:3.2万円
- 初任給(夜勤・残業手当含む):24.4万円以上
上記のとおり、実際の金額は20万円を超える場合もあります。
【働き方別】准看護師の給料
准看護師の給料は、年齢や経験年数、勤務先の施設や規模、地域によっても異なります。
それぞれ違いを見てみましょう!
【年齢別】准看護師の年収:約229.3万円~約437.5万円
准看護師の年齢別の平均年収は、以下のとおりです。
年齢 | 平均年収 |
~19歳 | 約229.3万円 |
20代前半 | 約280.1万円 |
20代後半 | 約375.0万円 |
30代前半 | 約367.3万円 |
30代後半 | 約388.1万円 |
40代前半 | 約408.9万円 |
40代後半 | 約423.0万円 |
50代前半 | 約437.5万円 |
50代後半 | 約437.0万円 |
60代前半 | 約406.4万円 |
60代後半 | 約339.3万円 |
70歳~ | 約328.4万円 |
准看護師の年収は20代~50代にかけて上がり、60代以降は緩やかに下がっていきます。
60代以降は、定年後に再雇用で働く方も多く、勤務時間が短くなることから、年収も下がる傾向にあります。
参照:令和5年賃金構造基本統計調査 「職種(小分類)、年齢階級、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」
【経験年数別】准看護師の年収:約266.0万円~約396.7万円
経験年数別で見た准看護師の平均年収は、以下のとおりです。
経験年数 | 平均年収 |
1年未満 | 266.0万円 |
1~4年 | 338.3万円 |
5~9年 | 362.2万円 |
10~14年 | 380.6万円 |
15年以上 | 396.7万円 |
准看護師は経験年数を積むにつれて年収がアップします。
経験15年以上の准看護師と、1年未満の准看護師の年収を比べてみると、約130万円もの差がありますね!
参照:令和5年賃金構造基本統計調査 「職種(小分類)、性、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」
【施設・職場別】准看護師の年収:治験関連企業や病院が高い
准看護師の年収は、勤務先の施設や職場によっても違います。
看護師求人サイト「マイナビ看護師」の調査による、施設・職場別の准看護師の平均年収は、以下のとおりです。
施設・職場 | 平均年収 |
治験関連企業 | 410~500万円 |
病院 | 420~480万円 |
美容クリニック | 400~470万円 |
介護・福祉施設 | 370~430万円 |
クリニック | 330~380万円 |
訪問看護ステーション | 310~350万円 |
保育施設 | 300~340万円 |
治験関連企業や病院、美容クリニックの年収は、他の施設・職場よりも高いです。
参照:マイナビ看護師「【2024年版】准看護師の平均年収は? 看護師との差や年収アップをめざす方法を解説」
【規模別】准看護師の年収:職場規模1,000人以上の年収は約500.7万円
准看護師の年収は、職場の規模によっても差があります。
職場規模別の平均年収は、以下のとおりです。
職場規模 | 平均年収 |
10~99人 | 387.6万円 |
100~999人 | 446.7万円 |
1,000人以上 | 500.7万円 |
准看護師の年収は、職場の規模が大きくなるほど年収が高くなります。
規模が大きな施設ほど夜勤や残業が多く、専門的な医療に携わるからです。
特に1,000人以上の規模の施設では、准看護師の平均よりも約100万円高い年収が得られる可能性があります!
参照:令和5年賃金構造基本統計調査 「職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」
【都道府県別】准看護師の年収:東京都の約480.8万円が最も高い
准看護師の年収は、勤務する地域によっても異なります。
平均年収が高い都道府県は、以下のとおりです。
准看護師の平均年収が高い都道府県 | |
都道府県 | 平均年収 |
東京都 | 480.8万円 |
神奈川県 | 478.9万円 |
千葉県 | 473.4万円 |
岐阜県 | 466.9万円 |
岡山県 | 465.8万円 |
反対に、准看護師の平均年収が低い都道府県は、以下をご覧ください。
准看護師の平均年収が低い都道府県 | |
都道府県 | 平均年収 |
青森県 | 322.3万円 |
長崎県 | 339.7万円 |
広島県 | 341.1万円 |
福島県 | 348万円 |
熊本県 | 352.6万円 |
東京都や神奈川県、千葉県といった首都圏では、地方に比べて年収が高くなっています。
ただし、首都圏は給料が高い分、生活費も高くなるでしょう。
同じ1Kのアパートに住む場合でも、地方だと家賃が約3~4万円で済みますが、東京23区内だと約8~9万円はかかります。
また、地方であっても、職場の規模や種類、勤務条件によっては、首都圏とあまり変わらない年収を得られる場合もあります。
年収だけでなく、生活にかかるコストも考えて勤務地を選びましょう!
参照:令和5年賃金構造基本統計調査 「都道府県、職種(特掲)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」
准看護師と看護師の給料の違い
准看護師の給料は、看護師よりも低いのが現状です。
准看護師と看護師の給料の違いについて、詳しく見ていきましょう。
准看護師と看護師の給料の差はどのくらい?:約101.1万円の差
看護師と准看護師の平均年収は、以下のとおりです。
職種 | 平均年収 |
看護師 | 508.1万円 |
准看護師 | 407.1万円 |
准看護師と看護師の平均年収は、約101.1万円もの差があります。
さらに、平均月給や賞与・ボーナスの額にも差があります。
職種 | 平均月給 | 賞与・ボーナスの平均額 |
看護師 | 35.2万円 | 85万円 |
准看護師 | 28.6万円 | 62万円 |
経験年数や勤務先によっても年収は変わりますが、一般的には看護師の方が年収が高くなるでしょう。
「仕事内容があまり変わらないのに、看護師の方が100万円も給料が高い」と聞くと、納得のいかない方もいるかもしれませんね。
参照:令和5年賃金構造基本統計調査 「職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」
資格による給料の違い:国家資格と教育期間
准看護師と看護師の給料に差がある理由は、取得する資格となり方、養成施設への入学要件、教育期間に違いがあるからです。
詳しくは以下をご覧ください。
准看護師 | 看護師 |
准看護師免許を取得する | 看護師免許を取得する |
専門学校で2年間学び、都道府県知事が実施する准看護師試験に合格する | 3年以上の専門学校や短大、4年制大学で学び、看護師国家試験に合格する |
中学校卒業以上 | 高校卒業以上 |
1,890時間以上の勉強時間が必要 | 102単位以上が必要 |
このように、看護師の方が准看護師より教育期間が長く、国家資格を取得しているため、給料も高くなりやすいでしょう。
参照:公益社団法人 日本看護協会「2|看護師と准看護師の違い」
業務範囲による給料の違い:自己判断で医療行為を行えるか
看護師と准看護師の大きな違いは「自己判断で医療行為を行える」ことです。
准看護師は、医師や看護師の指示の下で医療行為を行うため、以下の業務ができません。
- 自己判断での看護業務
- 看護計画の立案
- 訪問看護計画書・報告書の作成
- 他の看護師への指示出し
- オンコール対応
対して看護師は、これらの業務をすべて自分の判断で行えます。
また、看護師の方が夜勤や当直が多いため、その分手当も手厚くなります。
各種手当は基本給に上乗せされるため、看護師の方が高い給料をもらいやすいでしょう。
キャリアによる給料の違い:キャリアアップの機会の差
准看護師と看護師の給料の差は、キャリアによる違いもあります。
先述したとおり、准看護師は他の看護師に指示を出せないため、管理職になる機会が限られています。
また、スキルアップを目指して研修を受けようとしても、看護師を対象にした研修も多いため、そもそも研修に参加できないこともあるでしょう。
一方で、看護師は専門看護師や認定看護師などの上級資格を取ったり、管理職になったり、海外で働いたりする方もいます。
准看護師も経験年数を積むと給料は上がりますが、看護師の方がより給料アップのチャンスが多いでしょう。
准看護師が給料を上げるには?
准看護師が給料を上げる主な方法は、以下の2つです。
- 看護師資格を取得する
- 待遇の良い職場へ転職する
自分に合ったキャリアアップの道を見つけましょう!
看護師資格を取得する
看護師資格を取得すれば、給料が上がる可能性が高くなります。
先述のとおり、看護師は准看護師に比べて、キャリアアップを目指しやすいからです。
通信制や定時制の看護学校に通うと、准看護師として働きながら看護師資格の取得を目指せます。
職場によっては「資格取得支援制度」を設けているので、ぜひ活用しましょう!
看護師資格を取得すると、より幅広い分野で活躍できるようになり、キャリアの選択肢も広がります。
専門看護師や認定看護師などの上級資格の取得も視野に入れると、さらに給料が上がるでしょう。
待遇の良い職場へ転職する
転職先を探す際は、以下の5つのポイントを押さえるとよいでしょう。
転職先を探す際のポイント | おすすめする理由 |
大規模病院や総合病院 | 規模が大きい病院の方が給料が高い |
専門性の高い医療機関 | 特定分野の専門知識があると給料が高くなる可能性がある |
都市部の医療機関 | 地方と比べて給料が高い |
夜勤や残業が多い職場 | 夜勤手当や残業手当が加算され、給料が上がる |
福利厚生が充実した職場 | 住宅手当や家族手当、研修制度などの福利厚生が受けられる可能性がある |
転職を考える際は、給料だけでなく、職場環境やワークライフバランス、福利厚生なども大切です。
看護師専門の転職サイトや人材紹介サービスを利用すると、自分に合った職場が見つかるでしょう!
まとめ
厚生労働省のデータによると、准看護師の平均年収は約407.1万円です。
ただし、准看護師の給料は年齢や経験年数、勤務先の施設や規模、地域によって異なります。
准看護師が給料をアップさせるには、看護師資格を取ったり、待遇の良い職場へ転職したりすると良いでしょう。
転職する際には、給料だけでなく、職場環境やワークライフバランス、福利厚生なども重要です。
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