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【ナース必見】心室頻拍のカテーテルアブレーション・薬物療法・ICD:治療と看護のすべて

「心室頻拍の患者さんを受け持つことになったけど、どんな治療が行われるのか、それに合わせてどんな看護が必要なのか、不安だな…🤔」
「カテーテルアブレーションってどんな手技だっけ?ICD植え込み後の生活指導、これで合ってるかな?」
そんな疑問やお悩みはありませんか?

この記事では

  • 心室頻拍の各治療法(カテーテルアブレーション、薬物療法、ICD)の基本的な知識
  • それぞれの治療に合わせた実践的な看護ケアのポイント
  • 治療後の患者さんの生活をサポートするための具体的な指導方法

が分かりますよ♪

心室頻拍の治療は日々進化しており、患者さんの状態に合わせた最適な看護を提供するためには、最新の治療法とそれに対応するケアの知識が不可欠なんです。

この記事では、心室頻拍のカテーテルアブレーション、薬物療法、そしてICDという主要な治療法について、基礎から実践までを看護師さんの視点に立って徹底的に解説していきますね!✨

 

心室頻拍とは?ナースが知るべき基礎知識

まずは、心室頻拍の基本的な知識から確認していきましょう。
患者さんの状態を正確に把握し、適切な看護ケアを提供するためには、病態生理や診断方法を理解しておくことが大切です🩺

心室頻拍の病態生理と診断

心室頻拍(VT)は、心臓のポンプ機能をつかさどる心室から異常な電気信号が発生し、心臓が速く拍動する不整脈の一種です。
これにより、十分な血液が全身に送られなくなり、動悸やめまい、失神などの症状が現れることがあります。
重症な場合は心室細動に移行し、命に関わることもあるため、早期の診断と治療が重要になります。

診断は、主に心電図で行われます。
発作時の心電図が最も重要ですが、発作が出ていない時には24時間心電図(ホルター心電図)や、イベントレコーダーといった携帯型心電図記録装置を用いることもあります。
また、心臓の形態や機能を調べるために心エコー検査や心臓MRI、原因を特定するために電気生理学的検査(EPS)などが行われます。

 

【主要治療法】カテーテルアブレーションのすべて

心室頻拍の根治を目指せる治療法の一つに、カテーテルアブレーションがあります。
患者さんが安心して治療に臨めるよう、看護師としてもしっかりと理解しておきましょう!🌟

カテーテルアブレーションのメカニズムと適応

カテーテルアブレーションは、足の付け根や首の血管から細い管(カテーテル)を挿入し、心臓の中にある不整脈の原因となっている異常な電気興奮の部位を特定し、高周波電流などで焼灼することで、不整脈の発生を抑える治療法です。

カテーテルアブレーションのメカニズム

項目 内容
目的 心室頻拍の原因となっている異常な電気回路や興奮部位を焼灼し、不整脈の発生源を物理的に除去または遮断する。
方法 カテーテル先端から高周波電流(熱エネルギー)を流し、その部位の心筋組織を意図的に壊死させる。
これにより、異常な電気信号の伝導経路が断たれる。
マッピング 3Dマッピングシステム(例:CARTO、EnSiteなど)を用いて心臓の立体的な画像を作成し、不整脈発生源の正確な位置を特定する。
これにより、効率的かつ安全な焼灼が可能となる。

カテーテルアブレーションの主な適応

  • 薬物療法で効果が得られない心室頻拍
  • 薬の副作用により薬物療法が継続できない場合
  • 心室頻拍の発生源が特定可能であり、アブレーションによる根治が期待できる場合
  • ICD植え込み後のデバイス作動が頻繁で、QOLが著しく低下している場合

 

術前・術後の看護ケア:合併症予防とモニタリング

カテーテルアブレーションは侵襲的な手技なので、術前・術後の看護ケアはとても重要です。
患者さんの不安を軽減し、安全に治療が進むようサポートしていきましょう。😊

カテーテルアブレーション前後の主な看護ケア

フェーズ 看護ケアのポイント
術前 情報提供と不安の軽減:
手術の流れ、合併症のリスク、術後の安静度などについて、分かりやすく説明し、患者さんの疑問や不安に寄り添います。
手術自体は2~4時間程度で終わることが多いですよ。
成功率は80-90%と良好です。
身体準備:
検査データ確認(凝固系など)、ルート確保、清潔ケア、術前の絶飲食指導など。
精神的サポート:
患者さんの表情や言動から不安を察知し、傾聴や声かけで安心感を提供します。
術後 止血と安静:
カテーテル挿入部の圧迫止血、医師の指示に基づく安静時間の厳守(特に下肢の挙上・屈曲制限)。
長時間体動が制限されるので腰痛防止のケアも大切です。
バイタルサインのモニタリング:
血圧低下、頻脈、ショック症状、胸痛、呼吸困難など、合併症の兆候に注意して頻繁に確認します。
穿刺部観察:
血腫、出血、感染兆候(腫脹、発赤、熱感、疼痛)の有無を定期的に確認します。
合併症の早期発見:
心タンポナーデ、脳梗塞、肺塞栓症、神経損傷、動静脈瘻など、重篤な合併症の徴候を見逃さないよう細心の注意を払います。
疼痛管理:
穿刺部の疼痛や、術中の刺激による胸部不快感などに対する適切な疼痛緩和ケアを行います。

アブレーション後の生活指導と注意点

アブレーションが成功しても、退院後の生活指導は欠かせません。
再発予防や合併症の早期発見、そして患者さんが安心して日常生活を送れるように具体的なアドバイスをしていきましょう🌈

アブレーション後の生活指導のポイント

  • 安静解除後の活動:
    術後早期の運動制限(特に穿刺側の安静)を説明し、徐々に日常生活に戻るよう指導します。
    重労働や激しい運動の再開時期は医師の指示に従うよう伝えます。
  • 薬剤管理:
    継続が必要な抗不整脈薬や抗凝固薬の確実な服用、副作用の観察ポイントを指導します。
  • 症状の観察:
    動悸、めまい、胸痛などの不整脈再発を示唆する症状や、穿刺部の異常(腫れ、痛み、発熱、出血など)に注意するよう指導し、異常があればすぐに医療機関に連絡するよう伝えます。
  • 水分補給:
    脱水は不整脈誘発の原因となることがあるため、十分な水分摂取を促します。
  • ストレス管理:
    ストレスが不整脈を誘発する因子となることがあるため、リラックスできる方法や趣味を見つけることを勧めることもあります。
  • 定期受診の重要性: 術後の経過観察のため、定期的な外来受診の必要性を強調します。

 

【主要治療法】薬物療法:抗不整脈薬の知識と看護

 

心室頻拍の治療において、薬物療法は非常に重要な選択肢の一つです。
看護師として、患者さんが安全に、そして効果的に薬を服用できるようサポートしていきましょう!💊

主要な抗不整脈薬の種類と作用機序

抗不整脈薬は、心臓の電気的な興奮を調整することで不整脈を抑える薬です。
様々な種類があり、それぞれ作用機序が異なります。

主な抗不整脈薬の種類と作用

薬の分類 主な作用 代表的な薬剤例
I群 心臓のナトリウムチャネルを遮断し、興奮伝導速度を遅らせる。 リドカイン、フレカイニド、プロパフェノンなど
II群 β(ベータ)遮断作用により、心拍数や心筋収縮力を抑制し、交感神経の活動を抑える。 プロプラノロール、アテノロール、ビソプロロールなど
III群 カリウムチャネルを遮断し、心筋の再分極を遅らせることで、不応期を延長させる。 アミオダロン、ソタロールなど
IV群 カルシウムチャネルを遮断し、心拍数や心筋収縮力を抑制する。主に上室性不整脈に用いられるが、一部心室頻拍にも使われることがある。 ベラパミル、ジルチアゼムなど
その他 直接的に不整脈を抑制する作用とは異なる機序で、心臓のポンプ機能をサポートしたり、電解質バランスを整えたりする薬なども用いられることがある。 ジゴキシン(心不全を伴う場合)、マグネシウム製剤(電解質異常に伴う不整脈)など

 

薬物療法の効果と副作用管理:看護師の役割

薬物療法を安全に進めるためには、効果のモニタリングと副作用の早期発見が欠かせません。
看護師さんの観察力が、患者さんの安全を守るカギになります!👀

薬物療法の効果と副作用管理における看護師の役割

項目 看護師の役割
効果の確認 動悸、めまい、胸部不快感などの自覚症状の有無や程度、心拍数やリズムの変化(心電図モニタリングを含む)を継続的に観察し、薬の効果が出ているか評価します。
副作用の観察 各薬剤に特有の副作用(例:アミオダロンによる甲状腺機能異常、肺線維症、肝機能障害;β遮断薬による徐脈、倦怠感など)について、患者さんの訴えや身体所見、検査データ(採血データなど)から早期に異変を察知します。
アドヒアランス支援 確実な服薬を促すため、患者さんが薬の必要性や正しい服用方法を理解しているか確認します。
飲み忘れや自己中断がないよう、服薬カレンダーの活用や生活習慣への組み込みなど、具体的なアドバイスを行います。
情報共有 患者さんの症状の変化や副作用の兆候について、速やかに医師に報告し、薬剤の変更や減量、追加治療の必要性について情報共有を行います。
心理的サポート 薬物療法が長期にわたる場合、患者さんが抱える不安や負担に寄り添い、精神的なサポートを提供します。
薬への疑問や心配事を傾聴し、安心感を与えます。

患者さんへの服薬指導と継続支援

患者さんが自宅で適切に薬を服用し続けられるよう、丁寧な服薬指導と継続的な支援は不可欠です。
看護師さんの寄り添いが、患者さんのQOL向上につながります💖
薬剤師と連携して患者さんの不安の軽減に努めましょう!

患者さんへの服薬指導と継続支援のポイント

  • 薬剤の目的と効果:
    「なぜこの薬を飲む必要があるのか」「どんな効果が期待できるのか」を、患者さんが理解できる言葉で説明します。
  • 正しい服用方法:
    服用量、服用時間、服用回数、食前・食後などの指示を明確に伝え、飲み忘れを防ぐための工夫(服薬カレンダー、アラーム設定など)を提案します。
  • 副作用の説明:
    起こりうる副作用とその対処法、また「どんな症状が出たらすぐに連絡すべきか」を具体的に伝えます。
    自己判断で薬を中断しないよう強調します。
  • 相互作用の注意:
    他の市販薬やサプリメント、食品との飲み合わせについて注意を促し、不明な点は薬剤師や医師に相談するよう指導します。
  • 生活習慣との関連:
    服薬が日常生活にどのように組み込まれるか、具体的なシミュレーションを交えて指導することもあります。
  • 定期受診の重要性:
    薬の効果や副作用の確認、病状の変化を診てもらうために、定期的な受診が欠かせないことを伝えます。
  • 疑問や不安の傾聴:
    患者さんが抱える服薬に関する疑問や不安を丁寧に聞き取り、解消に努めます。

服薬指導のイラスト

【主要治療法】植え込み型除細動器(ICD):デバイスの理解と看護

ICDは、心室頻拍や心室細動による突然死を防ぐための重要なデバイスです。
看護師として、ICDの機能や患者さんが抱える心理的な側面を理解し、適切なケアを提供していきましょう。✨

ICDの適応と種類(S-ICD含む)

ICDは、致死性不整脈を感知し、電気ショックを与えることで正常なリズムに戻す医療機器です。
患者さんの状態によって、様々なタイプのICDが選択されます。

ICDの写真

ICDの主な適応と種類

項目 内容
主な適応 二次予防:
過去に心室頻拍や心室細動による心停止を経験した患者さんで、突然死のリスクが高い場合。
一次予防:
心筋梗塞後や心筋症など、致死性不整脈のリスクが高いと判断される患者さんで、まだ心停止を経験していない場合。
ICDの種類 経静脈ICD(Transvenous ICD):
一般的なICDで、鎖骨下静脈からリード線を心臓内に挿入し、デバイス本体は胸部の皮下に植え込みます。
心臓内部の電気信号を直接検知し、除細動やペーシングを行うことができます。
皮下植え込み型除細動器(S-ICD: Subcutaneous ICD):
リード線を血管内に入れず、皮下のみにデバイスとリード線を植え込むタイプです。
心臓に直接触れないため、合併症のリスクが低いとされますが、ペーシング機能はありません。
CRT-D ICDに心臓再同期療法(CRT)の機能が加わったもので、心不全の患者さんで心臓の収縮が同期していない場合に、両心室を同時にペーシングすることで心機能を改善し、心室頻拍への除細動機能も持ち合わせています。

 

植え込み術前・術後の看護:心理的ケアと身体的ケア

ICD植え込み術は、患者さんにとって大きな出来事です。
身体的なケアはもちろん、デバイスを体内に植え込むことへの心理的な負担にも寄り添った看護が求められます🫂

ICD植え込み術前・術後の看護ケア

フェーズ 看護ケアのポイント
術前 デバイスの説明:
ICDの機能、突然の作動(ショック)の可能性、日常生活への影響について、患者さんやご家族に分かりやすく説明し、疑問を解消します。
よくショックが作動した時の衝撃はバットで背中を叩かれたようだと表現されます。
心理的サポート:
デバイス植え込みへの不安、突然死への恐怖、ショックへの懸念など、患者さんの心情を傾聴し、精神的なサポートを提供します。
身体準備:
術前の検査、ルート確保、皮膚の清潔、絶飲食指導など、一般的な手術前準備を行います。
術後 植え込み部観察:
出血、血腫、感染兆候(発赤、腫脹、疼痛、発熱など)がないか毎日確認し、異常があれば速やかに報告します。
安静度と体動制限:
植え込み側の上肢の挙上制限など、医師の指示に基づいた安静度を厳守させます。
リードのずれを防ぐため、急激な動きは控えるよう指導します。
疼痛管理:
植え込み部の疼痛に対し、鎮痛剤の使用や体位調整など、適切な疼痛緩和を行います。
ショックへの対応:
ICD作動時の患者さんの状態や心理的な反応を観察し、不安の軽減に努めます。
作動回数や状況を正確に記録します。
デバイス機能確認:
定期的に心電図モニタリングやデバイスチェックを行い、適切に作動しているか確認します。

ICD植え込み後の日常生活指導と緊急時の対応

ICDが植え込まれた後の生活は、以前とは異なる点があります。
患者さんが安全で質の高い生活を送れるよう、具体的な生活指導と、いざという時の対応方法をしっかりと伝えましょう💡

ICD植え込み後の日常生活指導と緊急時の対応

項目 指導内容と注意点
電磁波 日常生活での注意:
電子レンジ、IH調理器、携帯電話(植え込み部から20cm以上離して使用、反対側の耳に当てる)、テレビ、ラジオなどは通常通り使用可能。
高圧線、送電線、空港の金属探知機、一部の医療機器(MRIなど)は影響を与える可能性があるため、注意が必要です。
医療機関受診時:
必ずICDを植え込んでいることを伝えるよう指導します。
特にMRI検査は原則禁忌(一部条件付きで可能な機種あり)なので注意を促します。

以上の注意点はMEさんがしてくれることがおおいですが、看護師が知っているといいですよ😊

運動 退院後すぐに激しい運動はせず、医師の指示に従い、徐々に活動レベルを上げていくよう指導します。
特にデバイス植え込み側の腕を激しく動かす動作(ゴルフ、テニス、水泳など)は、リード線の断線やずれのリスクがあるため、制限がある場合があります。
入浴・シャワー 植え込み部の傷が完全に閉じるまではシャワー浴とし、その後は入浴も可能です。
入浴中にデバイス作動があった場合は、すぐに湯船から出て安全な場所へ移動し、医療機関に連絡するよう指導します。
自動車運転 ICD植え込み後の自動車運転については、法律やガイドラインで制限がある場合があります(特にICD作動経験がある場合)。
詳細については医師から説明を受け、確認するよう指導します。
IDカード ICDを植え込んでいることを示すIDカードを常に携帯するよう指導します。
緊急時や空港のセキュリティチェックなどで必要になります。
ICD作動時の対応 作動があった場合:
ショックを感じたら、可能であれば座るか横になるなどして、安全を確保するよう指導します。
落ち着いてからすぐに医療機関に連絡し、作動回数やその時の状況を伝えるよう伝えます。
頻回な作動:
短時間に複数回作動する場合は、迷わず救急車を呼ぶよう指導します。
定期的なチェック ICDの機能やバッテリー残量の確認のため、定期的な外来受診(デバイスチェック)が非常に重要であることを強調します。
バッテリーや本体にも寿命があります。(その場合電池交換や本体交換の手術が必要です)

心室頻拍患者のQOL向上を目指す看護

心室頻拍の治療は、患者さんの身体的な状態を改善するだけでなく、QOLを向上させることも大切な目標です。
看護師として、患者さんの退院後の生活や心理的な側面にも目を向け、包括的なサポートを提供していきましょう🌼

退院支援とセルフケア指導のポイント

患者さんが自宅に戻った後も安心して生活できるよう、退院時の指導は非常に重要です。
個々の患者さんの生活背景に合わせた、きめ細やかなサポートを心がけましょう。

  • 生活習慣の調整:
    規則正しい生活、バランスの取れた食事、適度な運動(医師の許可を得た範囲で)、十分な睡眠など、心臓に負担をかけない健康的な生活習慣について具体的にアドバイスします。
    喫煙や過度な飲酒は控えるよう指導します。
  • 症状の自己管理:
    動悸、めまい、胸部不快感など、不整脈の症状が出た際の対処法(例:深呼吸、安静にする、受診の目安)を指導します。
    症状を記録する日記の活用も有効です。
  • ストレス管理:
    ストレスが不整脈を誘発する可能性があるため、リラックスできる趣味や活動、ストレス軽減法(例:瞑想、ヨガ、軽度の運動)などを提案します。
    必要に応じて、精神科医やカウンセリングの利用を検討することも大切です。
  • かかりつけ医との連携:
    退院後も定期的にかかりつけ医を受診し、体調の変化や薬の状況を報告するよう指導します。
  • 緊急時の連絡先:
    症状が急変した場合やICDが作動した場合に、どこに連絡すべきか(病院、かかりつけ医、救急車など)を明確に伝えます。
  • お薬手帳の活用:
    複数の医療機関を受診する場合も、お薬手帳を提示することで、薬剤の重複や相互作用を防ぐことができると伝えます。
  • セルフモニタリングスキルの指導

    項目 方法 注意点
    検脈 橈骨動脈を人差し指・中指・薬指で15秒間測定 脈拍が50回以下または100回以上で受診
    症状観察 動悸、胸痛、めまい、失神の有無を確認 症状が出現した時刻・状況を記録
    体重測定 毎日同じ時間に測定 1週間で2kg以上の増加で医師に相談
    血圧測定 朝夕の決まった時間に測定 急激な変動がある場合は連絡

心理的サポートと不安軽減のためのアプローチ

心室頻拍は命に関わる可能性のある病気であり、患者さんは常に不安や恐怖を抱えていることがあります。
看護師として、その心のケアに寄り添うことが非常に大切です。

  • 傾聴と共感:
    患者さんの「怖い」「不安だ」といった気持ちを否定せず、じっくりと耳を傾け、共感する姿勢を示します。
    「そう思われるのも無理ありませんよ」といった言葉かけで、安心感を与えましょう。
  • 情報提供と教育:
    不安の多くは、病気や治療に対する「知らない」ことから生じます。
    患者さんが理解できる言葉で、病気や治療、ICDの機能、予後について丁寧に説明し、正しい知識を提供することで、漠然とした不安を具体的に捉え、対処できるようにサポートします。
  • 自己効力感の向上:
    患者さんが「自分でできること」に焦点を当て、病気と向き合う力を引き出します。
    例えば、症状の自己観察や服薬管理など、患者さん自身が行える行動を評価し、自信を持たせることで、主体的に治療に参加する意識を高めます。
  • ピアサポートの紹介:
    同じ病気を持つ患者さん同士の交流(患者会など)は、精神的な支えとなることがあります。
    地域の患者会や情報提供サイトを紹介することも有効です。
  • 精神科・心療内科との連携:
    強い不安やうつ症状が見られる場合は、精神科医や心療内科医へのコンサルテーションを検討し、専門的なサポートにつなげます。
  • デバイスへの受容支援:
    特にICDを植え込んだ患者さんには、デバイスを「自分の一部」として受け入れるまでの心理プロセスに寄り添います。
    最初は異物感やショックへの恐怖があるかもしれませんが、それが命を守る大切な存在であることを理解できるよう支援します。

 

家族への情報提供と支援

患者さんを支える家族も、病気や治療に対して不安を抱えています。家
族への適切な情報提供とサポートは、患者さんのQOL向上にも大きく貢献します。🤝

  • 病気と治療の理解:
    患者さんだけでなく、ご家族にも心室頻拍の病態、治療の目的、ICDの機能などについて、分かりやすく説明します。ご家族からの質問にも丁寧に答え、疑問を解消します。
  • 緊急時の対応:
    ICD作動時や患者さんの状態が急変した場合の、家族の取るべき行動(例:救急車を呼ぶタイミング、医療機関への連絡)を具体的に指導します。
  • 精神的サポート:
    患者さんを支える家族もまた、ストレスや負担を感じることがあります。ご家族の不安や疲れにも目を向け、必要であれば、家族会や地域のサポートサービスを紹介するなど、ご家族自身のケアも促します。
  • 役割分担と協働:
    患者さんのケアにおいて、ご家族ができること、医療者がサポートすることなどを明確にし、協働していく体制を築きます。

 

多職種連携で実践する心室頻拍患者ケア

心室頻拍の患者ケアは、一人の医療従事者だけで完結するものではありません。
医師、臨床工学技士、薬剤師、理学療法士など、様々な専門職との連携が、患者さんにとって最適な治療とケアを提供するために不可欠です。
チームで力を合わせ、患者さんの回復をサポートしていきましょう!🤝

 

医師、臨床工学技士、理学療法士との連携

それぞれの専門職が持つ知識やスキルを最大限に活かし、密な連携を取ることが、質の高い患者ケアにつながります。

主な多職種連携と看護師の役割

連携対象 連携内容と看護師の役割
医師 患者さんの症状の変化、身体的・精神的な状態を正確に報告し、治療計画や薬剤調整の参考にしてもらいます。
医師からの指示や治療方針を患者さんに分かりやすく伝達し、患者さんの疑問点や不安点を医師にフィードバックします。
最新の治療法やガイドラインについて常に情報収集し、意見交換を行うことで、より良い治療の選択肢を検討します。
薬剤師 抗不整脈薬や他の併用薬との相互作用、副作用、アドヒアランス(服薬遵守)に関する情報共有を行います。
処方内容の確認や薬剤に関する専門的な相談をします。患者さんの服薬状況や副作用の有無を観察し、薬剤師に報告します。
患者さんへの服薬指導内容を薬剤師と連携し、一貫性のある情報を提供します。
臨床工学技士(ME) ICDやカテーテルアブレーション機器の操作、メンテナンス、機能評価について連携します。
特にICD植え込み後のデバイスチェックやプログラミングに関する情報共有と連携が重要です。
患者さんのICD植え込み部や体動制限の観察、デバイス作動時の状況報告などを行います。
MEさんからのデバイスに関する情報を受け、患者さんへの説明に活かします。
理学療法士(PT) 術後のリハビリテーション計画の立案と実行、運動制限の具体化、安全な身体活動レベルの設定を行います。
患者さんの身体機能に応じた具体的な運動指導を共同で行います。
患者さんのADL(日常生活動作)や運動能力の変化をPTに報告し、リハビリの進捗状況を共有します。
退院後の運動継続に向けた患者さんへの動機付けや支援を行います。
管理栄養士 心臓の健康を考慮した食事指導、生活習慣病の管理(高血圧、脂質異常症、糖尿病など)を行います。
薬剤との相互作用がある食品(例:ワルファリンとビタミンK含有食品)に関する情報提供も行います。
患者さんの食習慣や食事内容の聞き取り、栄養状態の観察を行い、管理栄養士に情報提供します。
栄養指導の内容が患者さんの実際の生活に沿っているかを確認し、実践できるようサポートします。
ソーシャルワーカー 医療費の助成制度の案内、退院後の生活環境調整、社会資源の活用など、患者さんとご家族の社会生活を支援するための情報共有と連携を行います。
患者さんやご家族の経済的、社会的、心理的な問題をアセスメントし、ソーシャルワーカーに情報提供します。
退院後の生活の質を向上させるための支援が必要な場合に、積極的に連携を図ります。

情報共有の重要性と効果的なコミュニケーション

多職種連携を円滑に進めるためには、職種間の「報・連・相」が非常に重要です。
正確でタイムリーな情報共有は、患者さんの安全と質の高いケアに直結します。

  • 情報の一元化:
    電子カルテなどを活用し、患者さんの最新情報を全ての職種が共有できる体制を構築します。
  • 定期的・非定期的なカンファレンス:
    患者さんの病状や治療計画、看護ケアの進捗状況などを話し合う定期的なカンファレンスだけでなく、急な病状変化や問題発生時には、すぐに情報共有できる体制を整えます。
  • 明確な伝達:
    専門用語ばかりにならず、分かりやすく具体的に情報を伝えることを意識しましょう。
    「いつ」「何を」「どうする」が明確になるよう、5W1Hを意識したコミュニケーションが大切です。
  • 相互理解の促進:
    他職種の役割や専門性を理解し、尊重する姿勢が円滑なコミュニケーションの基盤となります。
    お互いの仕事内容を知ることで、より効果的な連携が生まれます。
  • 患者中心の視点:
    全ての連携は、患者さんにとって最善のケアを提供することを目的としています。
    常に患者さんのニーズや希望を共有し、チーム全体でサポートしていく意識を持ちましょう。

心室頻拍の治療と看護は、奥が深くて学ぶこともたくさんありますよね。
でも、この記事を読んでくださった看護師さんの知識が、きっと患者さんの安心と笑顔につながると信じています!
これからも一緒に頑張っていきましょうね!💪✨

 

<参考・引用>
Boston Scientific 
大阪心臓血管センター
横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター
看護roo

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